appleJam特選 NewOrleansSounds
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New Orleans Club2019
地味ながらもウォーレン・ジボンの盟友ワディ・ワクテルの参加が光る
Anders Osborne  Buddah and the Blues CD \3,850+
音楽的にひとまずの完成と成熟を手に入れた人が次に目指すもの、それは自分にない何かを持っている人との共演か。本作を聴いてふとそんなことを感じた次第です。今までにない優しさと包容力に満ちたこの音は明らかに湧く輝(ワディ・ワクテル)の存在が大きいと感じつつ。70〜80年代の様々なロック作品やAORサウンドの中に居た湧く輝が放ってきたテイストをここにも感じます。そのことはともかく、こんな優しい感じの歌声のオズボーンにもまたぐっときてしまう由。ルイジアナとかニューオリンズとかいうキーワードは置いといて、全くの個人としてのオズボーンの心の中をちょっぴり覗いた感じがする作品。パッケージ裏の、仏様というか心和む表情をした仏像の写真にもそんな彼の心境が現れている気もします。
2019 輸入盤 Independent
★★★★★

Anders Osborne vocals, guitars
Waddy Wachtel guitars
Bob Glaub bass
Benmont Tench keyboards
Windy Wagner BGVs
Chad Cromwell drums, percussion, BGVs

ファンク軍団からはオルガンとドラムを、そしてギターには超ハードな南部ロッカーを、今作はそんな強烈個性をしたメンバーの中、存分に歌いきっている姿が耳にも眩しい一作
Anders Osborne American Patchwork CD \2,480+
沢山のお客様、そのほとんどはBlues Club会員のお客様でしたけど、とにかく圧倒的なラヴコールを頂いた2007年盤"Coming Down"は一見ストレート・ブルースとは距離のありそうな人が実はブルース・ファンを直撃したことの手応えを私に与えてくれました。今回音的には前作以上にロッカーとしてのスタンスを強く感じますが、しかし偶然とはいえこの作品をupする直前、まさに当日に会員のお客様からまさかオズボーンの新譜を取りこぼしてはいないよねというお電話を頂くに当たり、彼への期待値はもはや半端ではないことを実感しました。曲毎に多彩な色調を見せる一方でトータル的には実に渋いのも個性の一つ。#4.Killing Each Other はスタントンとロバートがバックに居ることの手応え充分、このオルガンは今やロバー・ウォルターの顔にもなった感。#9.Meet Me in New Mexicoはもしもポール・サンチェスとアンダース・オズボーンが共演したらどれくらいの規模の核融合が起きるのかなんてことを楽しみに感じてしまいます。
2010 USA Alligator ALCD-4936
★★★★☆
(収録棚 CD16   stock3)

Anders Osborne - vocals, electric/acoustic guitars, piano, percussion
Robert Walter - hammond b3, piano, moog, clavinet, keyboard bass
Pepper Keenan - guitars, background vocals, percussion
Stanton Moore - drums

オリジナル・ブルースのOh Katrinaやヴァン・モリソン節のMy Old Heart にぐっときてしまいます.
Anders Osborne Coming Down CD \2,480+
オズボーンは1966年スウェーデンに生まれた人ですが、プロ・ミュージシャンだった父親の影響か早くから彼自身もその頭角を現し、若くして演奏での世界旅に出たの機に1990年以降ニューオリンズに定住を決めました。95年には既にソニーからアルバムをリリースし、判っているだけで今回が通算八作目。活動の黎明期、SSWを目指す中で半ば必然的に通過したブルースの世界の影響が今も色濃く滲むスタイルとなっていますが、ここではその典型がカトリーナを歌ったオリジナル・ブルース#5Oh Katrina の中に見事に溶け出しています。続く#6.When I'm Back on My Featはあたかも70年代フリーにも通じるテイスト。一転して#8.My Old Heartは典型的な晩森村(ヴァン・モリソン)節で迫ります。充分に練り上げられた作品であることが判る文句なしの力作。
2007 USA M.C.Records MC-0060
★★★★★
(収録棚 CD16)

アンダース・オズボーン
プチ・シュールな音が増えた部分、米上下両院での予算承認騒動とか日本のインチキな特定秘密保護法案とかうんざりすることが多い時勢下に妙に似合う気がする
Anders Osborne Peace CD (Out of Stock)
実は仕事で海外の人と e-mail で交信するようになって以来ずっと一貫して私が文末に置くワードが「Peace」なのですが、15年くらい前は多分それは誰に対しても特にそれほどの意味を持たない単語だったように思います。それが 9.11以降、世界の情勢が不穏になるに連れそれまでは定型の末尾文でメールを締めくくっていた人たちがある日を境にしばしば私と同様に Peace と末尾に書くようになったことになにやら感慨深いものを感じていました。人は無意識に自分にないもの、そこに無いものを求めるそうで複数の米国人がPeaceと末尾に書くのはやはり無意識に平穏や平和を彼らが望んでいることを感じます。しばしば空港を利用する人なんか、先のオバマ政権が中東の某国に軍事攻撃すると言い始めたときは心底ブルーになったそう。開戦と同時にたちまちニューヨークの空港なんか特に危険地帯になりますよね。しかしそんなPeaceというタイトルと幼い少女が中指を立てている写真とが同居しているこのアルバムは、偽装や欺瞞にまみれた今の社会をある種象徴している印象も受けます。枕が長すぎて作品の中身について書くスペースが少なくなりましたが元々硬派のイメージがあるサウンドにさらに漆黒のタールのようなエネルギーを内包してきた感が大。#6.Brush up Against Meはこれだけ聴いたらピンクフロイドの未発音源が出てきたのかと思ってしまいそう。でも混沌としたこの音の集合体が理屈抜きにジャストフィットしてしまいます。色んなタイプの曲が次々飛び出す中レゲエ崩れした感じの#9.Sarah Anneのシンプルさが大好きになってしまい、もしオズボーンが60年代に活躍していたらビートルズも顔負けの凄い大傑作アルバムを放っていたのではなどと思ったりします。総じて攻撃的な印象の音作りが多くなっていますが、中でも冒頭#1.Peace での不安な気持ちを呼び覚ます出だしに今の彼の心の様子を垣間見る気分。核攻撃で破壊された街に一人生き残ってしまったらきっとこんな歌を思い出すのかも知れません。とにかくまだまだ色んなアイデアを沢山持った人だと実感した作品です。
2013 USA Alligator ALCD-4956
★★★★☆

文句なし、21世紀のMy Best10になった地味に凄い盤。全10曲が深くて濃くて総ナイス!
Anders Osborne Black Eye Galaxy CD (Out of Stock)
前作に引き続きスタントン・ムーアを起用、出身はスウェーデンながらもほとんどニューオリンズ・ネイティヴ並のオズボーンの特異な個性を際立たせるにこれほど適任なドラム奏者もまた無し。最近はP-Vineがオズボーンに注目、90年代のソニー盤に続き改めて国内盤でリリースしていることが日本のレコードメーカーにも熱く訴求している事実を物語っています。優れた才能に敏感なNYのM.C.Recordsが07年に放った"Coming Down"がワールドワイドに与えた影響は計り知れず、その後のアリゲータでの飛躍に繋がったことは当時それら作品を扱っていた者として間違いない手応えを実感。本作ではスケール感がより一層の深みと奥行きを増し、地球という惑星のみならず全銀河に響き渡れとばかりに迫ってくる感が大。#2.Mind of Junkyでのグレイトフル・デッドにも通じるトリップ感や#6.Black Eye Galaxyに於ける70年代テイストにはふと今が21世紀であることを忘れる瞬間。ちなみにその#6.は後半の宇宙的な響きをしたギターソロの展開部分も印象的です。
2012 USA Alligator ALCD-4948  bb's Recommendation2012
★★★★★