コーリー・ハリス
2002年のラウンダー盤以降、コーリーの歌を聴くといつも感じていたのが彼の中の心の迷いというか一箇所に腰が落ち着かないローリング・ストーン的な感覚でした。それはあたかも・・・オレはナニジン?オレのほんとの故郷は何処にあるの??という感じに私には思えました。そう感じてしまったせいか、彼が作品作りを通していつも自分自身のルーツを探している人のように思えたものです。それがその後 2005年盤を聴いたときついに彼がどこか吹っ切れたような手応えを感じ、地球を一周分さすらってみて初めて見つけた自分の居場所。そんな彼の本来の居場所が作品”Daily Bread"に音になって現れたような、そんな感触がしたものです。07年盤ではさらにブルースから遠くなって全編がレゲエ一色に染まり、09年盤では一端黒人音楽家としてのアイデンティティを求めて原点回帰し、そして今回2011年盤ではラスタ・ブルースという音楽世界を父なる太陽と母なる地球に捧げている、そんな気がしています。

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ジャズっぽいR&Bの装いで、しかし根底にあるレゲエ魂が如何にもコーリーらしい音作り
Corey Harris & the Rasta Blues Experience Father Sun Mother Earth CD-R \2,850tax in
99年に当店を出店した際に誓っていたのは、ずっと追いたい人は徹底して
追っていこうという姿勢。それが現実にはレーベルの移籍やあるいは元の
レーベルとの取引がなくなるといった諸般の事情から、必ずしもずっと継続
してすべてを在庫展開出来ないという壁に直面。このコーリー・ハリスの場合
は新旧ダブルで、旧譜のラウンダーは会社が新組織になってしまうし、テラー
クとは取引がなくていわゆる現地からの並行輸入しか出来ず、とにかく志とは
裏腹にショップ的にはなんとも中途半端な仕事になってしまいます。とはい
え何とかしてこれからも追いたい人には違いなく、本作ではレゲエ魂を核
にしたジャズ・フィーリングを通して自身の内包するブルースを表現して
いるのが特徴。ここから先のコーリーは自身が何処へ旅するにせよ
#2.Hiding Place や 4.Father Sun Mother Earth といった今のスタイ
ルで世界のファンに語りかけるに違いありません。

2011 USA Independent
★★★☆
収録棚 新譜CD3

Americana Club
風格と風雪を感じる音に変貌しつつある感じ、そこが実に渋いのと
BlackとBluesというワードを最初と最後に置くのも如何にも彼らしい構成です

Corey Harris Blu.Black CD (Out of Stock)
2005年から2007年の間にコリーの内面に何か劇的な変化が
あったように感じてから早数年。偶然かここのところ一年おき
にアルバムを出すコリーの今作ほど完成済みの世界観を感じ
たことはなし。曲毎の表面的なスタイルとは関係なく全体に一
貫性があることの手応えが大です。まるで曲の途中の溝に針
を落としてしまったかのような始まり方をする#9.Pimps and
Thieves
が琴線にビンビン響きます。どん底ダーティーな犯罪
名詞が二つ並ぶと何故か心に文学的な響きになるのが不思
議。ラスト#14.Bluesは原点回帰を洒落た気がする一曲。

2009 USA Telark TEL-31795
★★★★☆
(収納棚CD5)

天国という意味のパトワ語が表題を飾ることからも完璧に自分を見つけた手応えが有り
Corey Harris Zion Cross Roards CD \2,850tax in
カントリー・ブルースを出発点として、その後はあたかも自分探しの旅の道中を
歌にしたかのような作品を残してきたコーリー。それが前作から遂に焦点を何処に
絞れば自分をそこに投影することが出来るのかを見つけたような手応えがありま
した。今回はその焦点をさらに一点に集中させた感じ、耳にはここにある音は100%
レゲエ・ミュージック。ZIONとはジオンともザイアンとも、あるいはシオンとも読む人
がありますが、元はジャマイカ・ルーツのパトワ語で天国を意味する言葉。コーリーが
この立ち位置に如何に心の安らぎを感じたかを端的に物語る表題かと思います。
聴き進むうちにじんわりと至福感に包まれる感覚が特筆。特に#9.Afriqueから#10.
Cleanliness への流れは知らず知らずのうちに高みへ運ばれる感じがします。

2007 USA Telark CD-83656
★★★★★
収録棚 新譜CD3

結局は日々のパン、人の営みの原点はそこにあるという意味なのか
Corey Harris Daily Bread CD \2,500tax in
冒頭、いきなりの喜納昌吉サウンドの登場は恐らくコリーの今までの
音楽活動の中で偶然琉球サウンドに似たものを掬い上げてしまった
だけなんだと思いますが、もしもコーリーと喜納昌吉とが遭遇したらお互
いにそう違和感を感じないかも知れない、一種共通点のようなものも
感じます。歌うことで自分の居場所を確認している 〜 そんなスタンス
に両者の共通点を感じました。カリブもあればマリもあるという、その辺
は前作の延長のようでありながら今回は全てがコーリーの色使いで描
いた絵になっています。ついに何かを掴んだなという劇的変化。

2005 USA Rounder 11661-3219
★★★★
収録棚 新譜CD3


歴史と海を挟んだ二つのルーツ、それをひとつの心に収めるための作品か
Corey Harris Mississippi to Mali CD \2,500tax in
ミシシッピー・デルタの広大な大地の上に立った時、何故か日本人の私でも
自分はここで生まれたのではなかったっけ・・・といった不思議な感覚に包ま
れたものです。コーリーの場合はそれが決して錯覚ではなく自身のルーツが
そこにある土地。でもそれはルーツの第2章であって、第1章ははるか海の向
こうのアフリカにあったという事実、そのことがはっきりと投影された気がする
のがこの作品です。メインの共演者がアリ・ファルカトゥーレ、楽器群もアフリカ
色の濃いものでシンプルに構成されていますが、海を挟んだ二つのルーツを
自分自身の心の内でひとつに繋ごうとしているコーリーの意識を感じます。

2003 USA Rounder 11661 3198-2
★★★★
収録棚 新譜CD3

ポイントゼロから少し距離をおいた、再構築ブルースとも言えそうな世界
Corey Harris Downhome Sophisticate CD (Out of Stock)
アイデアが次々と生まれてこうなった!ひと言でいうとアメリカン・ルーツをベースに
やりたいことをやってしまった作品と言えそうです。全編スライドがとても効果的に使
われていてそこは流石コーリーならではのセンスを感じます。私には60年代後半から
70年代にかけてブルースをベースにしたロックフィールドの人たちが残した数々の
作品に一脈通じるものを感じ取れて、結局ブルースという輪の中に居る人は時代が
変わっても、例え価値観が変化したとしても本質は変わっていないこと、というより
後世代の若手でさえもふとした弾みにここへたどり着くんだなという感慨です。終着
駅でもなく通過駅でもない、ブルースリングの中にある地点の一つですね。良い感じ
でワンダリングしてる人の持つ無限のエネルギーを感じて好感度非常に高いです。

2002 USA Rounder 11661-3194-2
★★★★