イングリッド・ルシア (Ingrid Lucia)
イングリッドの歌を初めて聴いたのは、同じくニューオリンズで活躍するスコット・ジョプリン・タイプの若手ピアニスト、スコット・オーヴェンスチェンのアルバム"The Gypsy Drag"にゲストで参加しているのを聴いてぶっ飛んだのがそもそもでした。その日のうちに彼女の既発アルバム全作の手配を済ませたくらい、じっとしていられない衝撃を受けてしまった記憶が今も鮮やかです。一発で惚れ込んでしまうこの妖しさとキュートさ、まさに蠱惑のシンガー、レトロ・スイングという言葉がこれだけフィットする人もそうはいないと思います。あいにく入手不可タイトルもあるのが残念なのですが、その後2004年の作ではジャズ・シンガーとしての領域にもアプローチ。さらなるステップアップを目指している点にも注目したい人であります。以上は2004年某月に書きました。
appleJam特選 NewOrleans'Treasures
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マリア・マルダーが、ヤラレタわ♪ なんて言いそなキュートな作品 Ingrid Lucia & the Flying Neutrinos Don't Stop CD \5,000 VERY LIMITED 前作"Almost Blue"でさらに一歩ジャズに踏み出した結果、その完成度がかなりの域にあった故、次は果たしてどうするのだろうという期待感が大だった作。今回は何とDuke Heitger と Craig KleinとさらにJohn Fohl といった個性派を三人も従えて、まさに女王の貫禄充分といえる作品になりました。後半特に#10.Do You Know〜などうっかりするとビリー・ホリディ風に歌うヘレン・メリルかという展開。ジョン・フォールのギターも特に後半は完璧ジャズ・ギター。娘時代にニューヨークで華を咲かせた人らしい、そんな雰囲気のジャズが混じっている点が如何にもイングリッドです。オリジナルでシティ色が炸裂しています。 2007 USA Ingrid Lucia ILCD-2007 ★★★★★ |
BluesWomenClub イングリッド・ルシア 脱レトロ娘を目指している気もする路線、心なし陰影も深まってきた感が有り Ingrid Lucia Midnight Rendezvous CD (Out of Stock) 前作で見せたビリー・ホリディへの急接近、今回は微塵もその痕跡がないのが如何にもイングリッドらしいです。さらに言えば共演のジョン・フォールが以前にも増して存在感がぐっとup、エレキとアコ共に抜群の助演賞ぶり。イングリッドはニューオリンズでブレイクする前はニューヨーカーだったこともあって、その 辺りの変遷がここには見事に音にブレンドされている気がします。#10.Help Yourself での鮮やかな変身ぶり、続く#11.I'm With You でのアーバンなアコースティック・ブルース・テイストにも初めての引き出しを開けた感じがして超ナイスです。 2010 Threadhead Records bb's Recommendation 2010 ★★★★★ Ingrid Lucia - vocals John Fohl - guitar, background vocals Casandra Faulconer - bass Simon Lott - drums, percussion Anders Osborne - percussion, background vocals |
Americana Club 全編をしっとり感のあるビリー・ホリディ風ジャズ・ヴォーカルでまとめた作品 Ingrid Lucia St. Valentine's Day Massacre CD (Out of Stock) 随所でヴァーヴ時代のビリー・ホリディを彷彿とする展開。そう、これは明らかに50年代のビリー・スタイルのジャズ・ヴォーカルを意識した作品で、数多のシンガーのゴールもしくは記念碑的な通過点としてのビリーの存在の大きさを改めて感じます。とはいえ仮にビリーを聴いたことがないという方でもイングリッドのジャズ・ヴォーカル盤として充分に楽しめる作りで、そこが如何にも彼女らしいです。成りきっているのでなくスタイルを借りているだけ、なのがポイント。店主的には #5.These Foolish Things と #11. Body And Soul が好みですが貴方の場合は如何に? 2009 USA Independent ★★★★ Ingrid Lucia - vocals Jason Mindledorff - saxophone Victor Atkins - piano Jesse Boyd - bass Gerald French - drums |
スパイシーでジャジーかつブルージーなレトロ・ルーの完成か Ingrid Lucia Almost Blue CD CD (Out of Stock) 冒頭、ジャネットクラインかと思う幕開けですがイングリッドの方が幾分か声域が低いのですぐに区別は付くのと、その後の展開が徐々にブルースににじり寄っていく感じ。今回のアルバムはジャズとブルースをとろ火で煮込んだかのような作りが特徴で"Please Send Me Someone To Love"のようなビッグ・スタンダードもイングリッドが歌うとまるでパティ・ペイジが甦ったかのようなキュートさ。中でも"Kiss to Fire"のエキゾチックさは出色でこの路線が恐らく彼女のこれからの展望を形にしたものかと思いました。ジャズとブルースを半々にエスニックな香辛料を混ぜたレトロ・ルー。沢山いる似たタイプのシンガーの中で如何にもイングリッドらしいさじ加減です。 2004 USA Inglid Lucia IL-262 ★★★★★ |
スケールアップの前兆か、シンガーとして新しい側面を見せた一枚 |
ただオールドライクなだけではない、類型レトロ娘達の中でも出色の人 |
レトロ爆弾炸裂のライヴ・ステージ、ホンキートンク調も有りの決定盤 Ingrid Lucia Live from New Orleans CD(Out of Stock) 三作品の中で最も艶やかな触感をしたヴォイスが特徴。恐らくはイングリッドもまた初期のマリア・マルダーが通過点にあった人なのかなと思わせますが、心なしかコブシも似てる感じ。ゴージャスなホーン群を含むバンドにJames Andrews(tp)とJoe Krown(p)の名前を発見、典型的なN.O.ソング、"St.James Infirmary"ではイングリッド本領発揮の歌にも仰け反りますが、Jamesのペットも一際輝いています。伴走して歌ってるのもJamesと思います。全編ジョーのピアノがホンキートンク・タッチでナイスな色づけ、その場に居たかったと思うライヴ盤です。もう最高! 2003 USA Artists Only! AOR-77 ★★★★★ |