ロリー・ブロック
ブルースマンがいつもたむろしていたという靴店の娘に生まれ、幼い頃から直にブルースにふれて育ったロリーが自らのギターでブルースを歌うようになったのは一種必然だったかも知れません。途中、ポップ路線に転向してへんてこなディスコものも出しましたが、Rounderでの81年以来の作品は(再発を含めて)いずれも良質なアメリカン・ミュージックに徹しています。古くはオーロラ・ブロックを名乗っていた時代から日本にも熱心な彼女のファンが居て、最近の「捧げる」企画のシリーズには大変熱い注目と賛辞が寄せられています。2013年7月記

appleJam特選 BluesWoman
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BluesWomenClub 2020   BluesClub 2020 
Rory Block  Prove it on Me CD \2,400

ベッシー・スミスを皮切りに歴史に残る著名なブルース・レジェンドを連作でトリビュートしてきた彼女。本作では主に普段は比較的カバーされることの少ない女性ブルース・レジェンド達をもまとめてカバーした感じ。もちろんメンフィス・ミニーやマ・レイニーチューンも有り!ですが。米国で生まれた戦前のカントリー・ブルース、そろそろ100年前の曲をカバーする時代がやってくる訳で。そんな作品にシビれてまた新たな世代のブルース・アーティストが生まれることを今は楽しみにしています。

2020 輸入盤国内仕様BSMF

MIX♪2018     
ブルースを歌うことを楽しんでいるのが分かる、ナチュラルな熱演ぶりが素晴らしいアルバム
Rory Block Shake 'Em On Down CD (Out of Stock)
アルバム丸ごとミシシッピ・フレッド・マクダウェルに捧げられたロリー・ブロック熱血トリビュート作第二弾。人生の途中でちょっとポップなシンガーに変身した経緯もありますが、やはり自他共にこれが最も本来の彼女らしい姿だと感じます。07年に出たDVDで完璧と言っていい自身の姿をキャッチ出来たことでさらに自信を深めたことは間違いなさそう。憧れの存在を歌う喜びを感じ取れる#8.the Man that I'm Lovin' はまさにその典型。続く#9.Ancestral Homeでは少し発声法を変えてよりトラディショナルなアメリカン・ルーツ・テイストにも。シアワセそうに歌う姿を思い浮かべる内容で、後年の代表作と言えるナイスな仕上がり。
2011 輸入盤
★★★★☆

BluesWomenClub
67才の現在のロリーと1970年のカクタスと、ブッカホワイトとモーズ・アリソンが横一列になる瞬間
Rory Block Keepin'tarouble CD (Out of Stock)

気がつけばロリーも67才になっていた。オーロラ・ブロックを名乗っていた頃からのファンには感慨深いくらいの時が流れた訳ですが、本作はこのところの連作となっているブルースの巨匠達へトリビュートしたシリーズの続編でブッカ・ホワイトがテーマになっています。前作までと少し趣が異なるのはカバーチューンだけでなく自己のオリジナルも半分収録したこと。個人的には#6.Parchman Farm Bluesがとても印象的で、ここでバックに響く低音の打楽器はこの曲のためにプロデューサーがあり合わせの材料で作った特製の箱を叩いているらしい。パーチマン・ファームと聞くと私の場合即カーマイン・アピスとティム・ボガートの居たカクタスの超豪快な音が先に脳内に鳴り響いてしまう人間なのですが、ロリーの本トラックも意外と腹に響く迫力があります。オレの残りの人生をここ(刑務所)で過ごすのはまったく気が滅入る話だゼ、と言ったニュアンスだったと思うのですが、ネットで拾った記事によれば必ずしもまんま受刑者という受け止め方以外にも、圧倒的な権力を持つ支配者層にコントロールされたこの世界に暮らす私たち普通の市民を受刑者と見立てたという角度の受け止め方もあるらしい。帝国主義的な米政府の内政・外政に対する米国市民からのアンチテーゼかと思えば、まさに今の自公政権の強引な国会運営に腹を立てている日本人の私と全く同じニュアンスになることに気がつきました。昔はそういう気持ちをストレートに歌や詩にして活動するアーティストが多かった時代、ボブ・ディランはまさにその象徴の頂点にある人ですよね。蛇足ですがカクタスの1stアルバムもマジに素晴らしい作品だと改めて。太陽を背にしたサボテンのなんと雄々しい姿、今も目に焼き付いている次第です。もしやロリーもアタシもそれが愛聴盤よ♪なんて言ってたりして。
2016 輸入盤 
★★★★★

BluesWomenClub
ロリー・ブロック・テイストに仕上がったスキップ・ジェイムス作品集であるが故の、その固有のムードが総ナイスです
Rory Block Hard Luck CildCD (Out of Stock)

今度はアルバム丸ごとスキップ・ジェイムスに捧げられたロリー・ブロック熱血トリビュート企画の続編、帯を兼ねた日本語解説シートには本作で第五弾になるとの由。意外とナチュラルにスムースに奏でられる各曲には普段からいつもこんな感じだよといった風情、一種のリラックス・ムードが滲んでいます。#3.Cypress Grove Blues はオリジナルのスキップ・ジェイムスの歌では広大に拡がる深南部の綿花畑が私の脳裏に浮かぶのですが、ロリーの歌だと小洒落たリヴィングのソファーでギターを抱え込んで歌う彼女自身の姿が浮かんでくるのが不思議。スライド混じりのギターの音と時折指で共鳴板を叩くパーカッシブな音とが絶妙のシンフォニーを奏でる感じ、鼻歌部分も含めてまさに大姉御の貫禄です。話が脱線しますが、何故か私の場合はスキップ・ジェイムスを聴くとスキップ本人の顔以上にキャンドヒートのボブ・ハイトの姿が瞼を圧倒する感じで迫ります。恐らくはその原体験として映画ウッドストックで見たキャンドヒートのステージが強烈なまでに脳内フラッシュメモリーに焼き付いたのかも知れません。そのせいかいつもスキップ・ジェイムスを聴いた後には必ずキャンドヒートを聴いてしまうのですが、今回このロリー・ブロックを聴くことで耳が勝手に他に何か聴きたくなるという現象は起きませんでした。特にカントリー・ブルース好きでなくてもごくごく普通の音楽ファンが聴いても心がときめくこと間違い無しの、わかりやすく素敵なサウンドに仕上がっています。
2014 輸入盤9  bb's Recommendation2014
★★★★★

自他共に頂点に立ったことを実感した1997年制作のベストセレクション、その記念碑的作品がここに新たに復活
Rory Block Lovin' Whiskey CD \2,500
+税
A Collection of Songs from the Rounder Yeras
Rounderでようやく得た実力に相応しい名声を決定付けたのが95年のベスト・アコースティック・ブルース・アルバム賞と97年のW.C.Handy Awardの受賞。幼い頃から、父親の経営する靴店の店先で直に本物のブルースマン達から手ほどきをうけた経験が見事に花開いた訳で、彼女にとってこのRounder吹き込みによるカントリー・ブルース・コレクションは一種の勲章とも言えます。抜群のフィーリングとテクニックを兼ね備えたギターのパフォーマンスとそれに勝るとも劣らない歌に感動します。弾き語りのブルースウーマン作品で文字通り家宝に値する優れたアルバム。
2009 USA Roots Collectibles RCCD-001
★★★★★
(収納棚CD13)

実力が半端でないことがまざまざと判る素晴らしいライヴ・アルバム
Rory Block Mama's Blues (Live) CD \2,500
+税
オリジナルとブルース・スタンダードが半々というライヴアルバム。彼女ほど歌が上手い人になるとライヴステージの方が歌により説得力が増す気もしますが、実際歌にも長けたアコギの達人ぶりを遺憾なく発揮しています。21世紀はまさにアコギ革命といいますか男女の区別なく今この瞬間にも新たな達人を目指してアコギマスターへの道をばく進中の方が増える一方の時代ですが、そんな人々をしてブルースとギターの切っても切れない縁の濃さを感じさせる強烈な作品。わずか38分ほどが一生分のインパクト有り。
1991 USA Rounder 3117
★★★★
(収納棚13)

BluesWomenClub /Americana Club 
オールドファンほどとてもフレッシュな気持ちで楽しめる、お馴染みのカントリー・ブルースの中で全く新しいロリーの一面を見る思いです
Rory Block Avalon  CD (Out of Stock)
今度はアルバム丸ごとミシシッピ・ジョン・ハートに捧げられたロリー・ブロック熱血トリビュート企画第三弾。フレッド・マクダウエルに捧げた前作も大好評でしたがそれをまた一段超えた高みに彼女は飛翔した印象です。今回も新しい発声法を試みている曲がいくつかあってそれらはすべて成功していると感じます。余談ですが、当店では未取り扱いながらこの心の師匠へのトリビュート企画の第一弾は2008年に出たサンハウスものだとのこと。既に聴いたぞという方もきっとありそうですね。もとい、個人的に最もインパクトを感じたのが#8.Spike Driver Blues で、ここでの一種泡がはじける感じのキュートな破裂感を伴う歌いっぷりがとっても新鮮。さらには出だし部分から既にゴスペル臭漂う#11.Pay Day はその後もバックコーラスを巧に使うことで存分に彼女の新境地を創り出しています。一方で#9.Stagoleeでは低めのシブイ喉で力強く歌う姿がさすが姉御の貫禄。ナチュラル度でMAXシビレる#1.Everybody Loves John も単調なバックと起伏のある歌との対比が絶妙。いやぁ参った♪もしかしたらロリーは今この瞬間が人生で最高に充実しているのかもです。
2013 輸入盤国内仕様 BSMF BSMF-2342
★★★★★

至ってシンプルに、淡々としかし力強く弾き語りをするロリー・ブロックをキャッチ
Rory Block Guitar Artistry of Rory Block Country Blues Guitar DVD (Out of Stock)

曲間に若干の語りを挟みながら、終始正攻法でカントリー・ブルースを端正に弾き語りするロリー・ブロック。この淡々とした姿はまさに過去米議会図書館入りを果たした一連の戦前ブルースの大御所達が残した(遺した)映像遺産と全く同じ手法です。あの時代と現在とで決定的に異なるのは、ぐっと深みを増した音響面だけでなく、多彩なカメラアングルや照明効果にも充分な配慮がなされた、まさにこれはとってもスペシャルな映像作品です。ロリーのファンは言うに及ばずカントリー・ブルースに興味の有る方には文字通りのマストアイテム。たまにこういうピュア度の高い演奏でブルースを聴く(観る)ことの意味はそれを実践している人だけが知る貴重な体験です。熱血のお薦め!
2007 USA Vestapol 13108 (NTSC リージョンフリー 日本の再生機で通常に再生出来ます)
★★★★★

1967年制作の歴様的エレクトラ音源をリニューアルCD化
Rory Block & Stefan Grossman  Country Blues CD (Out of Stock)
ブルースの歴史的教則レコード"How to Play Blues Guitar"の生まれ変わりがこのCD。嬉しいことに当時のアウトテイク2曲と、71年にサン・ハウスとロンドンで吹き込んだ2曲を追加収録!中でも#6,# 12はツアー中だったサン・ハウスをロンドンのスタジオに招きレコーディングしたという大変貴重な、奇跡の音源!と呼ばれるシロモノだとのこと。PDFファイルでTAB譜をディスク内に収録しているのでPCで開く、プリントする等々、実践派へのサポート面も充実した初CD化です。ちなみに酒盛ススム氏の解説はどれもとても迫真的で面白いですよ。
2008 輸入盤国内仕様 BSMF BSMF-4008

ロリーの新たなるチャレンジ 〜 シンガーとして歌に全力を投入しています
Rory Block I'm Every Woman CD
(Out of Stock)
ロリー・ブロックといえば、アコギ一本でストレートにブルースを歌う姿が鮮烈ですが、今回はシンガーとしての面を徹底的に掘り下げた格好。シンセによるストリングス・アレンジなんかはまさに70年代のR&Bシーンを思わせる手法ですがこれはその時代を偲んでの確信犯に違いなさそうです。ゲストも多彩でケブモ、サファイヤのGaye、ケリー・ジョー・フェルペス、ポール&アニー・レインズとおよそ考えられるブルース寄りのアメリカン・ルーツ界のホープが一堂に。60年代メンフィス・サウンドの#6(アル・グリーンの曲)や同じく60年代のアトランティック・ソウル風の#7の流れにゾクゾク。さらに極めつけは#12、#13。
2002 USA Rounder 3714
★★★★

自他共に頂点に立ったことを実感した97年、その記念碑的作品
Rory Block Gone Woman Blues CD (Out of Stock)

The Country Blues Collection
Rounderでようやく得た実力に相応しい名声を決定付けたのが95年のベスト・アコースティック・ブルース・アルバム賞と97年のW.C.Handy Awardの受賞。幼い頃から、父親の経営する靴店の店先で直に本物のブルースマン達から手ほどきをうけた経験が見事に花開いた訳で、彼女にとってこのRounder吹き込みによるカントリー・ブルース・コレクションは一種の勲章とも言えます。抜群のフィーリングとテクニックを兼ね備えたギターのパフォーマンスとそれに勝るとも劣らない歌に感動します。
1997 USA Rounder 11575
★★★★★

やっぱりアタシにはこれしかないの!と81年にブルースに復帰した出世作
Rory Block High Heeled Blues CD(Out of Stock)

70年代に一時的にポップス・シーンに転身したものの、その経験がより深く自分自身のルーツを見つめ直すきっけになったと思えるブルースへの復帰作で、これがRounderでのデビューアルバムでもあります。ロバジョンをはじめとするブルースの大スタンダードを自らのアコギで歌うロリーこそまさに水を得た魚。ジョン・セバスチャンとロリー自身による半セルフ・プロデュースで、このアルバムの成功がその後の彼女の活動を決定付けました。
1989 USA Rounder CD 3061
★★★★★

私もこれで彼女にハマリました。いまだに新鮮に聴ける一枚
Rory Block Best Blues and Originals CD
(Out of Stock)
"Walkin' Blues"から"M.O.Blues"まで、蒼々たる戦前ブルースの名曲と彼女のオリジナルがミックスされたベスト作品集ですが収録されている音源が彼女がRounderに在籍するようになった81年から86年までの吹き込みからなのでMunch盤とは一切重複しないのが嬉しいです。しかもオリジナルが殿堂入りした名曲に負けていないところが凄い。特にやってくれちゃいますのは#7.Catastrophe Rag で非常に可憐ながらも蠱惑的な小品です。ギター1本でこんな味わい出されたら誰しも思わずクラクラっときてしまうと思います。これ最高っす。とにかく全20曲が珠玉のアルバム。
1987 USA Rounder 11525
★★★★

Rory Block The Earley Tapes 1975-1976 CD(Out of Stock)
トミー・ジョンソンやウィリー・ブラウン等の名だたる戦前ブルースマンのカバーを自らのアコースティック・ギターで弾き語る若かりし頃の姿が鮮やかにキャッチされたロリーの初期傑作集。曲によってピアノ、エレキ、フィドルのサポートが付きますが全編にわたって純度100%のアコースティック感が漂う爽やかな作品です。この時期の歌い回しには明らかにマリア・マルダーの影響も見受けられてほんとに瑞々しいものが有ります。特にオリジナルの#3. There is A Crowd はいきなり聴かされたらマリアの若いときと思ってしまいそう。いつかまたこのスタイルでアルバムを作って欲しいなと思う大充実作ばかりが収められていて貴重です。
1989 Holland Munich MRMCD-1

Rory Block Turning Point CD(Out of Stock)
89年に録音制作されながらもアメリカでは96年まで惜しくもリリースされなかった作品。タイトルが象徴しているようにブルースからはかなり離れてボニー・レイットやリンダ・ロンシュタットが歩んだ路線を行った作風。AORとフォークが合体した感じのヴォーカル・ミュージックです。これは彼女をブルースシンガーとして見るかソウルフルで非常に歌の上手いヴォーカリストとして見るかで大きく受け止め方が変わると思いますがケブ・モやエリック・ビブが今やっていることを一足先に彼女がやっていたに過ぎないと思います。そういう意味で彼女はここで完成していたとも言えます。歌とアコギが抜群に溶け合っていてそれは見事という他ありません。
1989/1996 Holland Munch MRMCD-145