サム・ミルティッチ(Sam Miltich&the Clearwater Hot Club)

ホットスイング〜レトロスイング〜ジプシー・ジャズと、呼び名は色々ありますが、昨今はそれらの音楽スタイルが現代の生活の中にすっかりとけ込んでしまった感があります。それはもはやブームという段階ではなく完全に定着したと見る方が自然と思いますが、そんな中今度はカリフォルニア発の若い才能がまた一人登場しました。今までの傾向としてこの路線ではオースチンやニューオリン産のものを多くご紹介して参りましたけど、サムのホットスイングはそれらとは微妙に異なるテイストを感じました。ビッグシティに相応しい都会的かつお洒落な響きが印象的で、それは音楽の善し悪しでなくあくまで好みの部分でありますけど、住んでいる街が違うと音も違ってくる点にもアメリカの広大さ、懐の深さを見た思いです。

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カリフォルニア産のパリのエスプリ、何とも皮膚が泡立つほど上品なカルテットが登場しました
Sam Miltich &the Clearwater Hot Club May Rain CD \3,350tax in
#3.May Rain が決してカリフォルニアの緑の大地に降る5月の雨のことでは
ないことが音から直ぐに伝わってきます。そのイメージはあくまでも曇天のパリ
の街に降る粋な雨のこと。このアルバムが持つ楽想の根底にはヨーロッパの
エスプリが充満していて、いずれも素晴らしいオリジナル曲がジャンゴの名曲
に混じっては登場します。オースチン系のがんがんくるホットスイングとは
またひと味違う、このさりげなく漂う気品には人の心も正装させずにおかない
要素が有り。柔らかい面とダイナミックな面が見事に調和している極上盤。
特にお気に入りは#2.Je Suis Ceul Ce Soir、フィドルもギターも最高です。

2004 USA CWHC pro. 品番無し
★★★★★
(収納棚CD10)