ザ・シーゲル・シュウォール・バンド(The Siegel Schwall Band)
あれはポール・バターフィールドの人気がここ日本でも絶頂だった60年代末から70年代初頭にかけての頃、一方でその存在はとても地味ながらも雑誌や音楽仲間の間で必ず名前が挙がるもう一人の60年代のブルースハープ・プレイヤーが誰あろうこのバンドのコーキー・シーゲルでした。そのシーゲルと相棒のシュウォールの二人が率いるバンド SSB が何と30年ぶりのスタジオ吹き込みを完成、その元気な姿を再び見せてくれました。今もぶりぶりパワフルなサム・レイを始め、看板の二人はもとよりあとなんとなくひょうきんなイメージが歌にも現れるラドフォードと、4人全員が今も役者やのう!と言える絶好調ぶり。今回これでまた新規のファンが生まれそうな、そんな予感がする会心の作。

予想を遙かに超えた、まるで入魂のデビュー作のような復活作
The Siegel Shwall Band / Flash Forward \2,477tax in
トータルのサウンドといい狙っている方向といい、久しぶりのアルバムと
いう事実をおいても、なんだかこれが彼らのデビュー作かと思うほど新鮮
です。キャリアの長い往年のバンドの復活って、往々にして新しいアイデ
アが不足しがちな凡庸な作品になりがちなのに、彼らの場合そんな心配
は全く無用。60年代のフィーリングで21世紀の若い人たちを一発でゴキ
ゲンにさせる術を知っている人たちです。すっかりお爺さんに見えるベー
スのラドフォード、今回もナイスなオリジナルを歌ってます。白人と黒人
が二人ずつ、全員が歌うのでまさに色んな面で理想的なバンドです。

2005 USA Alligator ALCD-4906 - Independent Music
★★★★
※この作品は雑誌記事になりました。BSR No.66 p.66 by 井村 猛氏


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