スペンサー・ボーレン (Spencer Bohren) 〜 Mr.Biscayne
1980年代には リゾネイター 一発のスライドでシビれるくらい渋い冷温系のカントリー・ブルースをやっていたスペンサー・ボーレン。2000年代に入って以降しばらくは非常にセンシティヴな、自身の内面をぼんやりと彷徨うかのようなシリアスなスタイルに変化していました。それが2004年の作品を境に意外なくらい歌が温暖化、それ以前は歌に触ると皮膚が剥がれそうなくらい凍てついていたのに最近はずっととても暖かい温度をした歌が多いです。ワイオミングの出身ですが活動地及び彼自身の意識は全面的にニューオリンズのシンガー&ソング・ライターとして気持ちがあるように感じます。淡々としたナチュラルな歌から受ける印象はまさに孤高の吟遊詩人という感じ、類を見ないそのワン・アンド・オンリーのスタイルはそれを耳にした人を一撃でマットに沈めるだけの訴求力があります。2004年某月記

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New Orleans Club2019  新録!RareBluesClub2019
スペンサー・ボーレン
Spencer Bohren Makin' it Home to You  CD \5,500税込
私が初めてボーレンを知ったのは1983年頃のことで、その頃からの印象はとにかく凍てつく音、触れたものすべてを瞬時に凍らせてしまうような冷気を感じる音でした。それがいつしか暖色系の音に変化してきた経緯もあって、本作ではまるでRSO時代のエリック・クラプトンを思わせるようなエレキの弾き語りも何曲かあってほんとにずいぶん変わってきた印象。それでいてボーレンはあくまでボーレンなんですが、あるときまだappleJamのリアル店舗があった頃に某超有名大御所SSWが来店されていたとき、ボーレンの2004年盤を店内に流していたら、「ふ〜ん、ボーレンは女でも出来たのかなぁ」などとぼそりとつぶやく瞬間が。それくらいボーレンを知っている人には明快な変化だったと思います。でも今作を聴いてもその変化はとても好ましい変化のように思う次第です。
2018 USA Independent
★★★★★

Spencer Bohren  vocals, acoustic and electric guitars, lapsteel
Andre Bohren  drums, percussion, vocals
Alex McMurray   acoustic and electric guitars, vocals
Dave Pomerleau   string bass, vocals
Casey McAllister   organ, piano, Wurlitzer organ
Aurora Nealand    soprano and alto sax, vocals

Spencer Bohren Seven Birds CD (Out of Stock)
ボーレンの新作を外す訳にはいかないと導入したものの、対象コース会員様分を確保するのが精一杯で自家用分も試聴音源も入手が出来ませんでした。こういう場合は潔く何らの想像も加えずただupするだけにして。話は変わりボーレンの音との出会いは昔まだ私が郡山市の駅ビルに(テナントとして)勤務していたチェーン店時代のこと。街ではちょっと知られた存在の、裏通りにある小さな音楽喫茶のマスターから正面攻撃を受けて聴かせられたのが最初。これは凄いよ、なんてったって刃物のように切れる音なんだから。てな感じで直球で熱弁を振るうマスター、実際あっさりと袈裟懸けに斬られた感じでその場に釘付けになったのを記憶しています。当時の音楽喫茶はアナログ盤で聴くのが当たり前、30cm四方余のLPジャケットはそういう瞬間CDの百倍もの訴求力を持って聴く人の両手に収まる次第。いい音楽を聴くと珈琲の旨さもまた格別で、自分の店の常連客も集まる、私には貴重な一時を過ごす場所でした。加えて、いずれ独立したら真っ先に店頭に並べる品のひとつがスペンサー・ボーレンのLPやCDだと心に決めた瞬間でした。それは幸運にもその後にたまたま知古になった在仏の日本人女性の協力で現実になりました。念力とはとことん念じれば現実になるってことかと思った瞬間でもありました。最近ではヨーマ・コウコネンと共演したという話もありますしまだまだ先がとても楽しみな人。
2015 USA Valve Records

自身のテイストに仕上げたカバーチューンとオリジナルとが絶妙に溶け合う異次元空間的ボーレンワールドが大きな魅力
Spencer Bohren Temperd Steel CD (Out of Stock)
いきなりディラン・チューン#1.Ring Them Bell での幕開けながら、そのふんわりと包み込んでくるタッチも含めて完璧にボーレン・テイストになっているところがさすがです。特に中間のギターソロの出だし、クイーン♪というワンフレーズだけでもボーレンの醍醐味が充満。歌うことを決して急がない、そんな時計も止まりそうな彼独特のタッチが溢れている#5.Hallelujahはレナード・コーエン・チューン。今回も秀逸なオリジナルが多い中、ポイントポイントにあるカバーチューンが実に最高です。その意味では再びディラン・チューンで締めくくるラスト#11.Just Like a Woman はカバーされたディラン自身が釘付けになって聴き入りそうな繊細なタッチがまさにボーレンの真骨頂。感動の余りまた初心に返ってBluesClub等を立ち上げたばかりの頃にお届けした旧作を、今再びリバイバル選盤したくなりました。何と言っても当時の私はボーレン(やホルムズ・ブラザーズ)を扱いたくて早く自分の店を持ちたくなった由、いざお聴き頂ければそういう気持ちが一発で解って頂けると思います。豊かさを内包した自己完結と広大な表現空間を併せ持っている点でまさに希有なアーティスト。昨今の、日々株が上がったの下がったのと一喜一憂する実にちまちました俗世間とは一切関係の無い、これが本当の本来の人間の姿であり世界だとしみじみ思う、そんな素敵な時間と空間を与えてくれるナイスなアルバムです。
2013 USA Valve Records bb's Recommendation2013
★★★★★

ルイジアナの湿地帯からワイオミングの広大な草原までを内包
Spencer Bohren Black Water Music CD (Out of Stock)
前作から一年しか経ってないのに声の質が少し変わったかな、と感じる一方でその変化の印象は音作りに現れた変化の副産物かも知れないと気がつきました。例えば#4.Bad Luck Born でも感じるスワンピーなトーン、つられてボーレンの声も湿地帯系になったような気も。#6.Borrowed Timeにおけるプチ・ファンクなタッチ、雨上がりのポンチャトレイン湖にめちゃ似合いそうです。#9.Your Loveはギターを離れピアノ伴奏だけで歌うボーレン。ラスト#11.Listen to the Windには出身地ワイオミングの広大な草原を感じ、少しウエスタン調にも聞こえる印象的な曲です。
2011USA Spencer Bohre       bb's Recommendation2011
★★★★★

またひとつ新しい側面を見せてくれたボーレン、何時どういう時に聴いてもフレッシュな歌
Spencer Bohren the Blues Accordings to Hank Williams CD (Out of Stock)
「ダートロード」の頃のボーレンにはそれこそレコード針がそのまま凍り付いてしまいそうな程の凍てつく感じがあったのに比して、最近の歌は暖色系のニュアンスに包まれているのが特徴です。トーンに含まれる感情のベクトルも内面から外へと向かっていて、従来型の#3.Honky-Tonk Bluesや#4.Weary Bluesといった曲でさえ何やら充ち満ちた希望や充足感を感じます。分厚いコートがないと凍えてしまいそうだった以前とはほんとに変わりました。本作では意外なほどスライドを控えめにしたパフォーマンスですが、全体の余韻としてそのことを感じさせないのが特徴。個人的には#15.Ramblinmanに今後の彼の指標を見る気がして凄く新鮮。
2010 輸入盤 Spencer Bohren/Valve Records 2987
★★★★☆

小さな空間での聴衆と一体化したボーレンの密度の濃いソロ・パフォーマンスピュア・アコースティックがメインながらサスティーン感のあるプラグド・ギターもまた絶妙!
Spencer Bohren Live at the Tube Temple  CD
\3,850)税込
かれこれ25年にはなる昔の話、当時住んでいた福島県郡山市の小さなコーヒーショップで、これが実に渋いんだ、聴いてみてヨ とマスターに聞かされたのがボーレンのボーン・イン・ア・ビスケインというLPでした。その瞬間が、いずれ私も自分の店を出したらボーレンは真っ先に扱おうと決めた瞬間でもありました。実際に店も持ち、ボーレンのCDも扱っている今の夢は当然ですがボーレンのCDをより多くの人に聴いて欲しいなぁという願いです。もとい、今作は如何にも小さなライヴ小屋で収録された感じでヒューマンな場の空気がセットになって何とも言えない独特の空間がそこに生まれています。個人的に最大のお気に入りは#4.Wade in the Water、ほんとシブイ世界です!
2008 German Valve Records 9087
★★★★☆
(収録棚 CD5)

カテゴリーという概念が消滅し、そこにあるのは純度の高いボーレン・ミュージックだけ
Spencer Bohren the Long Black Line CD
\3,850)税込
スペンサーにとってのギターという楽器は他のギタリストあるいはシンガー・ソング・ライターにとってのギターの持つ役割とは根本的に何かが違うこと、それは彼を好むファンが等しく感じる共通項ではないかと感じています。本作でも聴き進むうちにいつの間にかそれが国籍不明の民族楽器が奏でられているように感じる瞬間があります。この独特のスライド奏法は時にクリス・ダーロウにも通じる世界、違うのはダーロウはその演奏自体がメインなのに対し、ボーレンはあくまで歌を包む感じでそれを奏でることです。入魂のお薦め!
2006 German Valve Records 6086
★★★★★
(収納棚CD14)

自らのアートワークで飾った、これが俺なんだ 〜 的なポエミーな作品
Spencer Bohren Southern Cross CD (Out of Stock)

のっけからいきなりの"People Get Ready"で驚いたのですがリゾネイターの響きがいつもより暖色系。触ると皮膚がくっついしまいそうだった今までの寒色系の響きと明らかに変化が起きています。今回のアルバムはドイツで制作されたのですが、もしかしますとプロデュースに当たったラインハルド・フィンケが暖色系の音の方が貴方には似合うと口説いたのかも知れないですね。あくまで想像ですが・・。それはともかく、遂にここへ来て無色透明の響きにサヨナラして温度と色の付いたスペンサーの歌を聴くことが出来ました。好みは分かれると思いますが私は今のこの彼こそが彼だと感じています。
2004 German Valve 3084
★★★★

ブルームフィールドの If You Love These Blues〜を思い出す作風に思わず涙
Spencer Bohren Down The Dirt Road BluesCD
(Out of Stock)
木訥としたスペンサー自身の語りに導かれて滑り込んでくるスライド奏法を中心としたカントリー・ブルースの楽曲の数々。最初はそれをスペンサーのアルバムとして聴いている耳が、いつしか30年前のマイク・ブルームフィールドのアルバムを聴く耳にすり替わってしまうのをどうすることも出来ません。方やエレキも有りのアクティブなブルース、方やアコギのみの淡々としたブルースでありながら、両者のブルースを慕う気持ちが聴く側の心の中でひとつに重なり合ってしまう結果の現象なんだと思います。繰り返し聴けば聴くほどに限りなく大切な宝物になっていく1枚だと感じます。心で聴くブルース!
2004 USA Zophyr
★★★★

淡々としている分、余計に吸引力を感じてしまう不思議な歌で一杯
Spencer Bohren Solitaire CD
\3,850)税込
一種非現実空間に吸い込まれそうだった前作"Carry The Word"よりはかなり現実空間に浮上してきた感じです。全編淡々としながらも陰影に富んだ歌が多く完全な弾き語りで歌われる歌は何ともいえない時間空間を演出します。冒頭のスライドと軽く刻むリズムを耳にしただけで恐らく相当の方が我知らず最後までこのアルバムに耳をそばだててしまう展開。余りにも世の中が喧噪なせいか、彼のように何の押しつけがましいところのない、それでいて側を離れがたいような、そんなキャラクターに触れると自然と気持ちが吸い込まれてしまうのかも知れません。アコスライドも絶品ですが歌も素晴らしいので絶対のお薦めです。かつて、いずれ自分の店を出したらボーレンは真っ先に扱おうと決めた日を思い出しつつ、次は当然ですがボーレンのCDをより多くの人に聴いて欲しいなぁと願う日々が今という次第です。
2002 France Last Call / USA Valve Records
★★★★☆
(収録棚 CD5)

スライドの響きに印象派絵画を見るような気分、そして歌に滲むのは彼自身の姿
Spencer Bohren Carry The Word CD
\3,850)税込
さらに渋味を増した作風で、演奏も歌も限りなく韻を含み精神世界の内なる扉を開く境地に引きずり込まれます。曲によっては彼のギターが"演奏"と言うより歌を引き立てるための効果音的な使われ方をしていて、非常に印象的。いつものスタイルの木訥とした歌もさらにストーリー・テラー的な色合いが強まり、さすらいの吟遊詩人といったところ。もうこれは彼自身の詩的で私的な、とことんプライベートな音の世界と言えます。非現実空間に吸い込まれそうな時間を体験しました。
2000 France Last Call / USA Spencer Bohren
★★★★☆
(収録棚 CD5)

カントリー・ブルース・タッチの吟遊詩人、時も色も温度も消滅する不思議な感覚
Spencer Bohren Dirt Roads CD \3,850
)税込
最近のボーレンはひたすら自己の内面それも最深層部をとことん探るかのような、一種自分ツアーみたいな作品作りを好んでいるような気がします。本作は丁度そういう風になってきた時期というか彼のターニングポイントにあるような感じの作品で、時計の針さえ止まってしまいそうなスライドの響きが美しい#1など、反語で言うと無色透明の明るい影のない闇に包まれる感じが独特です。うまく表現出来ないのですが全方位角から照らす青白い光に包まれる感じ、私はそれを逆に影のない光の闇と感じるのですが、ここにある世界はまさにそういう世界です。リロイ・カー作の#2.How Long Blues の解釈にも彼の本来的な個性がくっきり出ています。
2000 USA Zephur
★★★★★