タイース・クラーク(Thais Clark)
このタイトルもまた、お客様からのご要望の多い黒人女性の実のある歌ものが聞きたいという声にお応えした選盤です。タイースは97年にはジョニー・ヴィダコヴィッチ等が参加したパンチの効いたサウンドのアルバムもリリースしていますけど、今回は新譜の方を導入しました。こちらはいたってオーソドックスなオールド・スタイル・ジャズに徹していて、より幅広い層にアッピールしそうです。生粋のネイティヴ・ニューオリンズ、タイースの活動はダンサーとしてスタートしたようですが、父親の経営するライヴ・ラウンジでローカル・ミュージシャンの生演奏やジュークボックスから流れるサム・クック、エラ・フィッツジェラルド、アレサ・フランクリン等の歌に触発されてシンガーに転身したもようです。ヴォイシングは戦前ブルースを思わせるタッチでスインギーな小唄もOK、持ち前の張りのある声にぐっときます。

抜群の相性を見せる中間派路線のホーンセクションとタイースの歌
Thais Clark & Her Palm Curt Serenaders / That Old Feeling \2,850
tax in
例えばトリシア・ブッテがそうであるように、タイースも必ずしもここで聞けるような
戦前〜戦後のジャズ・ブルースや大スタンダードばかりを専門にしている訳では
ないと思うのですけどその堂に入った歌いっぷりが実に様になっています。とにか
くニューオリンズで活躍するシンガーはほとんどカテゴリー的な制約など何処吹く
風状態の人が多いのが特徴ですがこのアルバムに関しては全曲がタイトル通り
Old Feelingな歌で埋め尽くされています。"Meen to Me"や"Am I Blue"等ズート
・シムスやベン・ウェブスターを思わせるサックス、ロイ・エルドリッジ風のトランペ
ットとの相性は見事、黄金時代のバレルハウスにタイム・スリップした気分です。

2003 USA GHB Records BCD-441


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