ヴァンス・ケリー (Vance Kelly)
ブラコン路線が無くなって実はほっとしたファンがここにも居ます、なんちゃって
Vance Kelly
Bluebird CD \2,480tax in
#1-5がシカゴのスタジオで2008年に収録、そして#6-13が1994年から
2002年にかけてヨーロッパツアーの際に収録してあったと思える音源で
構成したアルバムです。テナー・サックスをメインとしたホーン・セクション
とキーボードが加わったスタジオ・セッションはかなり重厚な音作りで迫り
ます。#3.I wish He Didn't〜から#4.Bump and Grindへかけての流れが
スタジオ部分でのハイライト、この辺りの呼吸はソウル・シンガーそのもの
だと感じます。後半ライヴ部分では#10.のメドレー三発が貫禄充分、シカ
ゴ・ブルースを終始ストライク・ゾーンで決め、#12.ストマンでは切れ込み
鋭いディストーション・サウンドでタメの効いた必殺フレーズが炸裂!
2008 Austria WOLF 120.818
★★★★
父娘のソウルフル・デュエットも有り、さらに深まるソウル色
Vance Kelly
Noboday Has The Power CD \2,480tax in
このアルバムで初めて感じた要素がひとつありました。#4や#6で感じる一種
80年代ブラコン的展開に対して、ヴァンス、ほんとにこれがやりたいのかなと
感じました。同じメロウ路線でも#8.Let's Straightent It Outはほとんど違和感
を感じない仕上がりで、#2.I'll Play The Blues for Youでの何となくフェントン・
ロビンソンみたいなギターも新鮮です。それらとどう違うのかは好みの問題か
などと思いつつも、あとはお客様からの反応が楽しみです。シンセのストリン
グスが入ったビューティフルな#6などは全く新しいファンが付く曲かも知れず、
ヴァンス自身の狙いがそこにあるのでしたらファンとして素直に今後の展開を
見守ります。ハイサウンド風の#9.今度ライヴで聴いてみたい曲です。
2005 Austria WOLF 120.815
★★★
歪みを伴うラフな録音〜それが逆に迫真のリアリズムを生み出した
Vance Kelly
Live At Lee's Unleaded Blues CD \2,480tax in
99年の録音なのにも関わらず60年代前半を思わせるような荒っぽい録音。
シンバルはザリザリのシャリシャリ、ギターは元々のテンションがより強調さ
れた感じの高域がブライトかつ歪みっぽい音。それらがケリーのR&B色の濃
い直球勝負の歌と混り合うことで、血もたぎる程強烈な音のうねりを生んで
います。進行形のブルースで久しぶりに経験した会心の100%ブルース!B.
ブランド作の"Members Only"で幕が開き、Z.Z.ヒル作の"You Steppin' Out"
ではダウンホームな味わいの曲がこめかみに血管が浮いてきそうな熱唱に
化けていて爽快ですらあります。全編無駄無しの完投完封の勝ちゲーム!
2003 Austria WOLF 120.806
★★★★
全編に色濃く滲む60年代ソウル〜R&Bテイストに涙する一枚
Vance Kelly
What There Old Ladies Can Do CD \2,480tax in
これこそ本当のソウルだ、という感動が甦るアルバム。私も時に
素晴らしいソウルチューンを聴いて幸せでぐちゃぐちゃになる瞬間
(変な表現(笑))がありますが、このアルバム・タイトル 〜 おばさ
んたちに出来ること 〜には一種の反語が籠められていて、本物の
ソウルを歌えるおばさん達もたまには聴いてみなよって言ってる気
がしました。その気持ちはアルバムにそのまま反映されている感じ
で全曲が恐ろしくソウルフルでハッピーな仕上がり。もはやヴァンス
はソウルマンと捉えた方が正解のような気がしてきました。
2000 Austria WOLF 120.801
★★★★★
ソウル色を全面に打ち出してきた実にクールな作品
Vance Kelly
Hands Off! CD \2,480tax in
のっけからご機嫌な "ムスタング・サリー" の登場です。従来型のムス
タング〜ではなく、かなりスピード感のあるクールな仕上がり。続く#2も
典型的なソウルチューンで、まさにウイルソン・ピケットの時代、60年代
を思わせるテイスト。オリジナルでこういう曲を書ける点が彼の強さです。
本格派のソウルシンガーかと思うくらい歌が抜群に上手いので曲が良い
とその効果は二乗倍、胸きゅんで迫ってきます。ギタリストとしても個性を
発揮している#10.Straighten It Out、単なるカバーになっていない点が
Good。さらにZ.Z.Hillチューンの"Blues Man"のソウルフルさも渋いです。
1998 Austria WOLF 120.891
★★★★
シカゴブルースに於ける確固たるステイタスを築いた出世作
Vance Kelly
Joyriding in The Subway CD \2,480tax in
輪郭のはっきりした音作りとファンキーで力強いヴォーカルが聴くものの
心をつかみます。ギターの音も一作目より腰のある音になっていてギタ
ーファンはきっとこっちを好むかも知れませんね。ちょっと歪んでるのです
がその程度が丁度気持ちよい深度を突いています。全体的なサウンドも
こっちはかなりボトムの低いファンクを意識したようです。マジック・サムの
"All Your Love"でさえ全くの自分の曲にしてしまっています。この気持
ち良さは圧巻。ヴィヴィアン・ケリー(妹?奥様?)のバッキング・ヴォーカ
ルが良いアクセントになっているのと、彼女は曲作りにも参加していて
とてもダウンホームな曲とR&Bっぽいのとあって良い曲書いてます。
1995 Austria Wolf 120.886
★★★★
遂に踏み出した、本格派の最初の一歩。スケールの大きさを予感させます
Vance Kelly
Call Me CD \2,480tax in
サウスのクラブで叩き上げてきたキャリアがものをいうのか
94年のこの1stアルバムですでに彼のスタイルは完成して
いると感じました。1954年シカゴ生まれですから、生粋の
シカゴ・ブル−スマンとして積み重ねてきた経験が初の自己
名義のアルバムを作るときに自然体で形になったと思います。
A.C.リード作の典型的なモダン・シカゴ・ブルース#4 Woman
in Every TownからD.ハニーボーイのハーモニカが印象的なタ
イトル作 #11Call Meのようなズシリとしたファンク・チューンま
でそのずば抜けた安定性はこれから大物になる予感大です。
1994 Austria Wolf 120.877
★★★
ヴァンス・ケリー
1954年シカゴに生まれた生粋のシカゴ・ネイティヴ・ブルースマン。サウスサイドを中心にサイドマンとしてのキャリアが長く、活動の初期はA.C.リードのバンドでのキャリアが多くの人に知られるところです。歌が抜群にソウルフルなのでソロになってからのR&Bテイストのブルースにはかなりの説得力があります。出世作はWOLFの"Joyriding
in The Subway"で、シーンの評価もそれが最も高いのですが個人的なお薦めは文句無し"What There Old
Ladies Can Do"です。彼はこのアルバムで目指していた自分自身を確立したのではないかと私は感じています。というのもヴァンスは単に伝統的なシカゴブルースを今の時代に伝える姿よりは、持ち前のソウルフルな面を全面に出した作品の方がより彼らしい気がするからです。その後、ライヴ盤"Lee's
Unleaded Blues"ではパワフルでありながらクールでもあるという面を遺憾なく発揮、さらに最新作"Noboday
Has The Power"へとヴァンスの快進撃は休み無く続きます。(以上は2005年某月に書きました)