appleJam特選 Jazz
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往年の名曲をディープに抉る会心の作、ランディ・ジョンストンとのマッチングも申し分なし
矢野沙織 BeBop at the Savoy CD \2,940tax in
ビリーに捧げる前作でパフォーマーとしての情の深さを思い知らせてくれた矢野が、
今度は重厚なゲスト陣を揃えてハードバップの神髄を堪能させてくれます。ジャズ
ファンなら知らない人はいない名曲がズラリ並んだ構成、逆に気負ってしまいそうな
ところを実に渋くかつ男臭くブロウしているのが凄い。冒頭からジョーヘンのテナー・
チューン#1.The Kicker をアルトで負けずゴキゴキ・タフに吹く姿はまさに気分がスカ
ッとする瞬間。あとドキッとしたのが#9.Five Spot After Dark のカウント2分28秒から
のソロのブリリアントかつスピリチュアルな展開、奏者として根っこがエモーショナル
なのがよく判ります。ラスト#11.Laura Paecock はインパルス時代のトレーンを思
わせるイントロからユーロピアン・テイストにと目まぐるしく変化。これもまた
矢野の神髄、その鬼気迫るプレイは斎藤ネコのヴァイオリンとのコンビネ
ーションが絵になります。

2010 国内盤 コロムビア・ミュージック・エンターテインメント COCB-53903  bb's Recommendation2010
★★★★☆

共演者
Randy Johnston - g
Pat Bianchi - org
Jim Rotondi - tp
田井中福司 - ds
2009年10月 NY録音
※#11.のみボーナストラック TBS系「吉村作治の太陽の船 復活」のテーマ曲

ちょっぴりスピリチュアルになった矢野をHQCDが見事にキャッチ!
矢野沙織 Gloomy Sunday 〜 Tribute to Billie Holiday CD (HQCD) \3,000tax in
自身、14才でライヴ活動を始めるきっかけになったのがビリー・ホリディだった
とのこと。恐らくは矢野沙織の現在までの活動の中でも、度々そこへ返ってくる
一種の心の基地、ホームグラウンドにビリーの歌がなっていたのではないかと
想像します。いわば自分自身を作ってくれたビリーの愛唱歌に挑戦するというの
はパフォーマーとしては一世一代の大勝負、ここにある一曲一曲に自分自身の
持てるものすべてを出し切った感じの爽快感を覚えるのはきっとそのためだと
思います。かつて笠井紀美子がマルと吹き込んだビリーゆかりの作品も素晴ら
しかったですが、今回は人の肉声に最も近い楽器、アルト・サックスによるビリー
・チューン。矢野の実年齢、その若さを全く失念してしまう深い演奏にはただただ
聴き惚れるばかりです。一例を挙げれば例えば#6.Summertime、導入部 矢野の
テーマ部分のバックに寄り添う斎藤ネコのトリルに既にその予感はあるものの、
間に挟まる佐藤芳明の端正かつフレンチ・テイストをしたアコーディオン のあと
に来る魂の慟哭にも似た瞬間、あたかも斎藤と矢野の両者の内なるエネルギ
ーが共に激突した感じの展開には全身に電撃が走ります。まさに感動の瞬間!
一方、当時を彷彿とする美しいストリングス入りのアレンジもあったりと、緩急の
配分もとてもバランスが良い感じ。#9.Left Aloneでの情感にも惚れ惚れとして
しまうし、総じて矢野のパフォーマーとしての情の深さ、ディープなエモーション
が見事にキャッチされた作品となっています。最後隠しトラック的に10曲目
の収録があるのでそちらもお聞き逃しなくです。

2008 国内盤コロムビア・ミュージック・エンターテインメント COCB-53752
★★★★★ bb's Recommendation 2008 

共演者
グレート栄田ストリングス
金子雄太 ハモンドオルガン
田鹿雅裕 ドラム
細野よしひこ ギター
市川秀男 ピアノ
浅川朋之 ハープ
林正樹 ピアノ
鬼怒無月 ギター
井上富雄 ベース
佐藤芳明 アコーディオン

HQCD(ハイ・クオリティCD)と通常盤との聞き比べをしてみた感想

今回上記 矢野沙織の新譜"Groomy Sanday"では HQCD盤と通常CD盤 との二種類を
コロムビア様から頂きましたので、興味深くその両者を聞き比べてみました。試聴機器は
下記ラインナップで、出来る限り音量を上げての試聴感です。

CDプレイヤー DENON DCD1650SR
プリメインアンプ LAXMAN L505f
スピーカー YAMAHA NS1000M

重点試聴曲 #6.Summertime

HQCD盤と通常盤の違いはイントロ部分におけるウッドベースの響きで既に明らかなように感じます。例えブラインド・テストであったとしても連続して同じ曲の同じ部分を二枚続けて聞き比べられれば恐らく違いは区別出来るのではないかと思います。そしてその感覚はテーマを吹く矢野のアルトの冒頭三つの音でもやはり明らか。言葉でその違いを説明するのは困難ですが平たく言えば音の輪郭が違う、輪郭のディテールがまるで違うのを感じます。さらに言えばリードを含んでいるリップの質感、ウェット感みたいなものが一瞬一瞬鮮やかになる瞬間、やはり両者の盤にはほんの少しだけ差があるように感じます。

以上の感想はもうワンセット頂いた試聴盤 Curtis Fuller / Blues-Ette COCB-53762 でも同様です。フラーのこの作品はオリジナルのソース自体がもともと少しくぐもった感じのベニー・ゴルソンのテナーの印象が濃いので判別しにくいのですが、それでもアル・ヘイウッドのブラシワークやシンバルの響きに差が歴然と現れていると感じます。

実験的にこの差がDTM環境でも出るかどうか、某メーカーのローエンド・プリメインに接続してあるパソコンで、LINE-OUT接続した某オーディオ・メーカーのDTM用アンプ内蔵SP(定価2万円の製品)での再生を試してみましたところ、この組み合わせでは違いが全く判りませんでした。DTMミュージックは音のディテールより全体の雰囲気、厚みと腰のある音作りを狙っているはずですので、この微妙な差を感じるには製品作りのコンセプトが違いすぎるのかも知れません。

一口メモ 〜 HQCD

液晶パネルに用いられるポリカーボネイトを基本素材に使用し、さらに従来のアルミではない特殊合金を反射膜に使用したワンランク上をいく高音質音楽用CDの名称。SACDとは違って通常のCDプレーヤーでその違いを享受することが出来るのが大きな特徴です。

若者だけが持つフレッシュなバイタリティと、熟年奏者の持つ芳醇さが共存している凄い盤
矢野沙織 Little Tiny CD \2,940tax in
若干16才で峻烈なデビューを果たしたアルト・サックス奏者矢野沙織。あれから
四年になる今作では早くも芳醇なテイストをした大人の奏者としての姿に完成し
つつあることに驚きます。オルガンにロニー・スミス、ギターにピーター・バーンス
タイン、そしてドラムは名手中の名手ルイス・ナッシュといういぶし銀の共演者達
を相手に何の迷いもなく滑らかに斬り込んでくる矢野のアルトを聴いていると、彼
女の実年齢を忘れてしまいます。早くから本格的な修行を積んだせいか一気に
数段抜きで成長したことは確実。(個人的に)ツボにはまりまくるオリジナルの#7.
Pardon Lucyでのジジ・グライス的な柔らかい矢野のアルト、奇しくもレーベルも
50年代のグライスと同じSAVOYで、オヤジには何だか万感胸に迫るものが有。

2007 国内盤コロムビア・ミュージック・エンターテインメント COCB-53685 (SAVOY原盤)
★★★★★
(収納棚CD12)