メルヴィン・テイラー (Melvin Taylor)
1990年にシカゴで観たメルヴィンの残像が今日も脳裏に焼き付いて離れないのですが、その貴公子のような洗練された容姿とうらはらに、恐ろしくエネルギッシュでダイナミックなパフォーマンスに終始ポカンと口を開けていた記憶があります。自信に満ちたステージ運びと、客席と密着したタイトな空気の中、彼の一挙一動と指裁きに目を奪われていたその場の多くの人がギターという楽器の素晴らしさと、それを巧に操ることの出来るプレイヤーから発散するオーラに触れて何かを得て帰ったのだと思います。

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閃きは新境地を目指す、そんな感触が印象に残る気迫の一作
Melvin Taylor & The Slack Band / Rendezvous with The Blues \2,484tax in
ど頭からがつ〜んとくる展開でもう手放しに喜びたい一枚です。オクターブ奏法が
とてもクールに響くその#1.Comin' Home Baby、テーマ部分のウェス風に弾くベン
ソンかという展開から、エフェクトされたギターと交互に曲が突き進んでいく様はシ
ビレる程のカッコ良さです。#5.のJ.LHookerものでも顔を出すこの新手のギターは
Mato Nanjiという人で、ブルース界に置ける第三世代派のスタンスが印象的。タイ
トル・チューンの#3.Rendezvous with The Blues はパーカッションを全面に打ち出
した意欲作でこの歯切れの良さは格別、メルヴィンのギターにも常以上の気迫を
感じてこの曲はメルヴィンの新境地を切り開く前触れかなとそんな気もしました。
共演のピーターソンのB3も随所で光るもの有り、とにかく素晴らしいアルバム!!
2002 U.S.A. EVIDENCE ECD-26123
★★★★

Melvin Taylor (vo,g)
Lucky Peterson (B3 org, g on #4)
Mato Nanji (g on #1,#5)
Dave Smith (b)
Steve Potts (ds,conga,perc.)

with
Brian Brignac (conga,perc.)
Scott Thompson (tp on #7)

and three horns

三曲目から聴くとぐっと手応えが増す気がする充実の一作
Melvin Taylor & The Slack Band / Bang That Bell (Out of Stock
80年代にヨーロッパで絶大な人気を誇り、今ではシカゴをベースに既に
中堅〜ベテランの領域に入ってきました。そのノーブルで貴公子のよう
な顔立ちに似合わず強烈にロック色の強いフレージングがギター好きの
心を掴んで離さない存在。今作では比較的渋めに仕上げていますが
それでもさすがメルヴィンがやると"Tric Bag"でさえもめちゃファンキーな
ナンバーに変身しています。ストレートなスロー・ブルースでのスクイーズ
も彼ならではのディストーションが心地良く、魂を抜かれてしまいます。
ゲストにシュガー・ブルー、エリック・ゲイルズが参加してるのも華です。

2000 U.S.A. EVIDENCE ECD-26107
★★★★

弾き倒しのどこが悪いのだ、という徹底ぶりが爽快なアルバム
Melvin Taylor & The Slack Band / Dirty Pool (Out of Stock)
S・ワンダーをファンクで料理、ラッシュの代表曲に真っ向勝負と
今回も気合い充分。過去の作品もいずれも舌を巻く驚異の
ギター・テクニックに、がつんとやられっぱなしでしたが
今度のアルバムでは突出したその部分だけでなく、プレーヤー
としての奥行きも出てきた感じがします。メルヴィンと言えば
ジミヘンやS・レイヴォーンの愛奏曲をやる人、というイメージから、
元々、これがメルヴィンだったのかなと、聴く方も慣れてきたせいも
あるかも知れませんが、いずれにせよギター・ブルースで決定的なもの
を探している方に、これ以外ないと言うくらい超お薦めです!

1997 U.S.A. EVIDENCE ECD-26088
★★★★★

長い曲を長いと感じさせない閃きとセンスが光ってます
Melvin Taylor / & The Slack Band (Out of Stock

S・レイヴォーンとジミ・ヘンドリックスがらみで3曲。
彼にとってこの二人は自分自身にも等しい比重を
占めた存在なんでしょう。何のてらいもなくやって
のけるところにメルヴィンの性格の良さを感じます。
とにかくギター好きは聴かなきゃ損です。
縦横無尽に指盤を駆けめぐる彼の指さばきは
それこそマジックを見ているかのようです。
実際、ライヴでも口がぽかんと開いたまま
しばらく閉じるのを忘れた経験があります。

1995 U.S.A. EVIDENCE ECD-26073
★★★★

折り紙付きのテクニックが炸裂、終始圧巻のパフォーマンスにしびれます
Melvin Taylor / Blues On The Run (Out of Stock)
ギターの腕は天下一品の折り紙付き。
それはなによりメルヴィン本人が一番
意識をしていると思うのですが、このアルバムでも
後半の2曲が各々8分と10分を超える大作。
特に"Chitlins Con Carne"は巧みにピックアップを
使い分けインストにもかかわらず10分という長さを
全く感じさせない展開が凄い。
お薦め!

1994 U.S.A. EVIDENCE ECD-26041
★★★★

Melvin Taylor / Plays The Blues For You (Out of Stock
1984年にパリで録音され、フランスのIsabelからリリースされた
メルヴィンの1stアルバムをEVIDENCEが復刻したもの。
私がこれを初めて聴いたのは90年に彼のライヴを観た後なので
確か91年頃だったと思います。ステージで見た彼の印象とは
正反対な地味な作風にややはぐらかされたものでしたが、
後に出た派手目の作品をさんざん聴いた後にこれを聴くと
対照的な分、細やかな彼のギターワークが堪能出来る
もうひとつのベストなアルバムになりました。

1993 U.S.A. EVIDENCE ECD-26029
★★★