限りなく心地よいペキペキ系のクリーントーンと、ストラト特有の揚げたてコロッケ
みたいなドライなトーンがたまらく魅力です。一見ぶっきらぼうに歌っているように
聞こえるヴォーカルも実はそこここでニュアンスに富んだコブシを効かせていて、
聞き所が多いのも嬉しいです。リックの少ないギターもイマジネーションの豊かさ
を感じさせますし、派手さはありませんが、ナチュラル系のギター・スリンガーと
呼びたいです。「地味 but 重厚 な本格派」として存在感有りの逸材ですが、残念
なことに97年に他界していて、これがどうやら彼の1枚限りのアルバムです。円熟
期の絶頂で没したのがほんとに惜しまれます。文句無しのお薦めです。
1994 Holland Black Magic/Fedra CD-9027