ポール "リルバック" シニガル (Paul "Lil' Buck" Sinegal)
生粋の南西ルイジアナ・ブルースマンのシニガルはギタリストとしてのキャリアの発端はザディコ・バンドにあった人。有名なところではクリフトン・シニアやロッキン・ドプシー、バックウィート・ザディコ達との共演が今も語られます。とはいえ多くのブルース・ファンからはエクセロのセッション・ギタリストとしてのシニガルの方がもっとずっと馴染みがあるかも知れません。ブルース・ギタリストとしてのシニガルの魅力のひとつはそのロングソードのような重量感と切れ味をしたトーンにあるように感じています。ソロ作で聴けるモダンなファンク・ブルースでさえもルイジアナ特有のスワンピーな触感が有り、さらにその刃先が若干の刃こぼれでざらついている感じの長剣を想像すると彼のストラト・トーンにどんぴしゃ当てはまると思います。


同じストラトでもズッシリした感触、それこそシニガル最大の魅力
Paul "Lil' Buck" Sinegal Bad Situation CD (Out of Stock)

ルイジアナのブルース・ギタリストに共通のたまらない部分。重量感を伴う
ソリッドなトーンの中にも独特のウェット感が伴う音、まずこの音に魂を抜か
れます。オリジナルに混じってお馴染みのブルース・スタンダードが目立つ
のですけど彼のような人がそれをやるという点に私の興味は集中しました。
中でも"I'll Play The Blues For You"や"Cold Cold Feeling"などはシニガル
だからこそのズッシリとした手応え有り。さすが単なるカバーでないところに
意気込みを感じます。もしも生で彼を観る機会があったら仰け反りっぱなし
になりそうな予感さえします。切れ込み、切れ味共にライヴ向きの音です。

2002 USA Lucky Cat LC-1003
★★★★

まさにいぶし銀のテイスト、その素朴さに倍泣ける一枚です
Paul "Lil' Buck" Sinegal / The Buck Stars Here CD
(Out of Stock)
元々はザディコバンドでの活動がキャリアの発端とはいえ、ヘンリー・
グレイの2001年盤での徹底した職人ぶりは紛う方なきブルース・ギタ
リスト。最近になって見つけたこのNynoのアルバムでは自己名義とあ
って思い切りやりたいことやってますが、それでも素朴さ丸出しでそこ
が彼の個性だと思います。プロデュースに当たったアラン・トゥーサン
自身も kb で参加していますがこれがまた泣けるサポート。ポールの
ギターは文句無し最高にかっこ良くて、味わいあるもののやや非力
な歌を補って余りある魅力があります。

1999 Nyno Music 9612-2
★★★★★


以下はリルバック・シニガル参加作品でお薦めのアルバムです。

安定度抜群のヘンリー、100才まで歌ってくれそうな安心感と期待感
Henry Gray & The Cats / Live in Paris (Out of Stock)
2003年3月のヨーロッパ・ツアーの際にパリで収録されたライヴ盤。
今回もギターにポール・シニガルを擁するザ・キャッツがしっかりサ
ポートしていますのでヘンリーの安定度も抜群、比較的柔らかめ
にミックスダウンされた各トラックは録音バランスも最高で臨場感
満点なのが嬉しいです。さらに一種ぴよぴよ系のブライアンのハー
モニカとヘンリーのピアノは相性も最高、全体の印象をぐっとまろや
かにしています。重量感のあるシニガルのギターも随所で聴けて
全14曲55分があっという間のステージです。

2004 USA Lucky Cat LC-1004CD (収録曲はDVDと同内容です。)
★★★★

Henry Gray - piano,vocals
Paul "Buck" Sinegal - guitar
Brian Bruce - Harmonica
Earl Christpher - drums
Andy Cornett - bass (vocal on 13)