トーマス・アンデルフィンガーという名のドイツの若手ギタリスト、私は初めて名前を
聞きましたが、この相当に冴えたギターに良いものを見つけたときの喜びをまず感じ
ました。このトリオの特徴は、まずひとつのジャンルにじっとしていないことですが、
エリック・ジョンソン似からマイク・スターン風まで有りという幅広いスタンスで、中でも
斬新なアレンジが印象的な"チュニジアの夜"が恐らく多くの方の心を掴みそうです。
とにかくブルース、ファンク、フュージョンからタンゴまで全てを自分の色にしている点
が素晴らしいです。特に#7 Alone Togetherはアルバム最大のハイライトですが、この
メロウかつウェットなサウンドはCTI時代のベンソンを思わせました。フィンガー・タッチ、
表現力、アレンジのセンスいずれも素晴らしく間違いなく愛聴盤になりそうです。
2002 MONS MR-874-344 独盤