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Jewel Jazz Club

Jewel Jazz Clubの特徴は、歴史にその名を残す決定的作品の発掘盤からまだ誰もその名前を知らないかも知れない日本初上陸盤まで、内容が宝石の如く輝いている優れたジャズ盤を選盤して毎月お届け致します。過去にも発売されたことがある有名作品も対象になりますので、沢山のジャズ盤をコレクションしている方にはお薦め出来ませんが、ジャズをこれから本気で聴いてみたいという方には迷わずお薦め致します。時には2枚組〜3枚組規模の発掘盤も対象になります。

Jewel Jazz Clubは2014年10月が最終回になります。長らくのご利用に厚く感謝申し上げます。
今後は引き続きBluesClub、MIX倶楽部等、他のコースのご利用を是非よろしくお願い致します。

Jewel Jazz Club
2014年の 頒布予定タイトル一覧 (Jewel Jazz Clubは2014年で活動開始以来 11年目♪)

2014年 1枚コース会員様 2枚コース会員様にはこちらの作品もお届けします
1月 ピアノ・トリオ・ファンが聴くだけでは勿体ない、カール・パーキンス唯一のリーダー作(1956年吹き込み)が初の +2で復刻
Carl Perkins Introducing...
先にupした同じ DOOTONE のデクスター・ゴードン盤で総ナイスな共演をしていたのがこのカール・パーキンス。P-Vine輸入部の新譜資料が僅か50文字程度でこの作品のことを的確に言い尽くしているので、その部分をそのまま書き写しますと 〜〜 ※夭逝の天才ピアニスト、カール・パーキンス唯一のリーダー・アルバムにしてピアノ・トリオ大名盤!左手に障害があり不自由だったために生まれた独特なタッチで弾かれるピアノ。 〜〜 ついつい長くなる自分のコメントと比較してこれはとても薬というか栄養になった解説でした。それはともかく本作は過去何度もリイシューされてはいますが、今回は世界最大のコレクターズ・レーベルとして知られる英国ACEの、傘下BOPLICTYが手がけたこともあってパッケージは愛情溢れるデジパック仕様で高音質リマスターでしかもボーナス・トラックが2曲も追加!です。その追加tkから#12.Westsideは正規収録の同曲の別バージョン、私にはこっちのオルタナ・バージョンの方がスリリングに聞こえてこれだけでもかなりの大収穫です。実際に聞き比べるとそう感じる方が少なくないのでは。あと、やっぱり#2.You Don't Know What Love is が何度聞いても最高です。40年くらい前にエリック・ドルフィーのフルートで初めて知った曲でしたが、パーキンスのこの渓谷の清流のようなピアノ演奏はとてもドラマチックに幕を閉じる点でも個性的、ドルフィーに劣らない名演中の名演だと思います。
2013 UK BOPLICITY
70年代初頭のジャズには間違いなく奏者本人の哲学と生き様が強烈に反映していた気がする
Gato Barbieri Fenix
どのアルバム、どのアーティストでも最初に受けた衝撃というのは記憶に焼き付くというか、身体が覚えてしまうと言うかとにかく一生忘れないものです。私の場合はこれをビザールという新宿のジャズ喫茶で聴いたのがその衝撃体験でした。入店する前に既に入り口の段階で聞こえていたサックスの怒号というか咆哮の正体は本作の#2.Carbavaritoの音で、当時コルトレーンに没入していた身にはアルテックのホーンスピーカから轟音で響くこの音が電撃の如く全身を走り抜けました。当時は勤務していたレコ屋チェーンの新宿店に居たのですが、昼飯を抜いてでも30分、40分をそういったジャズ喫茶で過ごすことが少なくなかった。別な人のリクエストでかかる未知のジャズ盤の何と魅惑的だったことか。夜、帰宅するまで空きっ腹を抱えることになる欠点よりも1枚の凄いジャズ盤に巡り会えることの方が我が人生には大きな意義があると感じていた頃です。フリージャズでならした硬派な腕前をパッション満点のラテン風味ジャズで活かしている点、それが強烈に私のハートに訴求しました。例えば#5.El Arrieroでも出だしはピアノをバックにやや軽快なフットワークながら、それが途中から強烈にドライヴする怒号のテナーサックスに変化していきます。こういったスタイルに魅了されると文字通り一生手放せない1枚となる由。住宅事情が許す限りの轟音で聴くかヘッドフォンで思い切り汗をかくほどの音量でお聴きになることをお薦めします。もう最高!
2013 UK BGP CDBGPM-268
2月 究極の名盤・名演奏、DOOTONE1957年制作のこの一枚にバディ・コレットのすべてが包括
Buddy Collette Buddy's Best
コレットほどの文字通りウエスト・コースト・ジャズの申し子も他になく、西海岸ビバップ最初期からの活躍が目覚ましく、特に55年チコ・ハミルトン・カルテットの創設メンバーとして入団以降のマルチ奏者としての活躍は今も語り草。1921年カリフォルニアに生まれ、プロ活動中も世界大戦時は米海軍に所属、晩年は2010年9月に同じカリフォルニアで死去するまで後進の育成に熱心だったそう。意外なところでは22才の若さで亡くなった夭逝の天才ピアニスト、オースティン・ペラルタ(1990年生〜2011年11月没)がまだクラシック音楽を学んでいた子供の頃にコレットに師事していたとのこと。ピアニストを志しつつも並行してコレットにも学ぶというその動機は恐らく彼の抜群にスインギーなアルトやテナーやフルートを聴いたが最後、幼心にもそれを学びたい!という衝動がもたげたのではないかと勝手に想像しています。実際、ここで聴けるコレットのサックスもフルートもクラリネットもどれもが絶品プレイですよね。個人的には#5.the Cute Monster のこの出だしのアンサンブルからコレットのクラのソロへの流れがもう最高!チコ・ハミルトン時代の名曲の再演#7.Blue Sands のフルートが絶品という声も嵐状態!!とにかくジャズファンを語るならこれは持ってなあかんでの一枚。
2013 UK BOPLICITY
ペダル・スチールとラップ・スチールが活躍するまさにツイン・セイクリッド・スチールの雄、その活躍は教会だけでは狭すぎる!
Campbell Brothers  Beyond the 4 walls

08年に本邦初公開的なご注目を頂いたあの豪快なニューオリンズ・ライヴから早くも5年が経ちました。教会で、オルガンの代わりにスチールギターを弾くことからその名が付いたというセイクリッド・スチール、ここでも#6.Nobody's Fault but Mine でそのスチールの両雄が熱い競演を魅せています。てっきり4兄弟在籍のバンドだと思っていたのにここではキャンベル3兄弟を中心にということになっていますが、バンド自体の活動キャリアは40年とのこと。ニューヨーク出身ながらも枠的にはニューオリンズ・サウンドに括られているのも特徴です。ペダル・スチールのチャックにラップ・スチールのダリック、そしてギターのフィリップ・キャンベル三兄弟を軸に明快なスタイルのコンテンポラリー・ゴスペル・チューンが展開します。ゴスペル・ソングには時にジョイフル・ノイズという形容が付きものですがまさにその名前をタイトルにした#9.Make a Joyful Noiseでは女性ヴォーカル陣が活躍、ワークショップや小さなライヴ会場なんかでこういうのを聴いたら立ち所に自分でも一緒に歌いたくなること必至です。個人的にはブルース色濃厚な#3.Mama's Goneがジャストフィットで、いわばホルムズ・ブラザーズ的ニュアンスのこの手の曲がもっと聴きたい気もしますが、とにかく40年も続くバンドはそうざらにあるものではないです。
2013 輸入盤国内仕様 BSMF

※横断配布する他のクラブと選盤が重複するお客様の場合は当月はカスタム選盤になります。
3月 職人ベーシストがリーダーになるとき、いつもより張り切るのが盟友達の好いところ
Curtis Counce Exproring the Future
DOOTONEの歴史的名盤四作品の白眉を飾るのはベーシスト、カーティス・カウンスのこのアルバム。共演者の顔ぶれが何より凄く、中でもエルモ・ホープのピアノとハロルド・ランドのテナーはその名前を見ただけでこれを聴かずには居られないという人が五万といそうな感触。実際 #2.Angel Eyes や #7.Exproring the Future のランドのソロはもうそれだけで値千金、ブラウニー(クリフォード・ブラウン)のアルバムでランドのファンになったという方なんか特にこの2曲は必殺弾になりそう。特筆はLP当時は短縮バージョンになってしまった#4.Moveのノーカット版を収録したことと、あと+4曲のボーナス・トラック。特に#12.Head Gearの追加はメチャ嬉しい、ここで聴けるエルモ・ホープのソロはこの発掘盤の価値をあっさりと不動のものにしている感が大。それら4曲が本作に加わったことの違和感も全く無し、というかその#12.でこのアルバムが終了する方がより自然な気がするくらいです。カウンス自身は1956年から60年にかけてコンテンポラリーに残した4枚の作品が代表作として語られることが多い一方で、このアルバムこそがマイベストだとするコアなジャズファンも少なくない。余談ながら、当時シーンのほとんどが白人ジャズマンで占められていたウエスト・コースト・ジャズの中で、初の黒人ジャズマンとしてそのシーンに加わったうちの一人としても有名な人。
2013 UK BOPLICITY
2014年度対象クラブ会員様限定商品
アルバム全編全曲で、聴いた人の心を掴んでそのまま離さない優れもの
Macy Blackman & the Mighty Fines I Didn't Want to Do It
心待ちにしていた入荷のその瞬間から早くも三日間もう連続で30回はこれを聴いています。仕事をしている間中も食事しているときもバックグラウンドにずっと流しっぱなしで全く飽きることがありません。際だって凄いといった感じの要素とは逆の、何とほのぼのした気持ちにさせてくれる盤。メインのMacyの歌はかつてのシカゴのテリー・キャスを彷彿とする触感で、どちらかというとパワフルな歌が似合いそうな気がするのにその彼の歌が実にほのぼのした感じでこちらを包み込んできます。いわゆる包容力がある歌、#8.What Do I Tell My Heartはその典型。特筆はサックスのNancy Wright が歌もサックスもパンチ力満点、#7.Somebody Told Youでその雰囲気は伝わるかと。加えてバリトンサックスのKen Yacobsの絶妙パフォーマンスも看板もの。ラストチューン#14.Higher and Higher はまるでポケットに入れたMDレコーダーで録ったかのようなライヴ音源ながらもNancyのゴキゲンなサックスが圧巻、総じて熱血サウンドなのにハートに優しい感じがナイスです。これは要注目のバンド!です。
2013 USA Mamaru Record  
4月 2014年度対象クラブ会員限定盤 Very Limited
没後11年にして今再び再評価の機運が大、まさしくモダンブルース・ウーマンの原点、源流はここからであったことがはっきりと判る作品(ベスト・セレクション)
Nina Simone Untitled

カテゴリーというものを超越して、全てのヴォーカルファンから愛されてきたニーナ・シモン。1933年生まれの彼女にとってその全盛期は60〜70年代だったような気もしますけど、ジャズ・シンガーとして括られながらもブルースやR&Bにもワン&オンリーの足跡を残してきた気がします。特にこのアルバムは …続き
★★★★★
感動がジワジワとこみ上げてくる、冒頭のアフロ・ブルーで既に目の幅涙
John Coltrane Impressions DVD
私自身のコルトレーン初体験はまだ小学生だった当時、近畿放送(ラジオ)のジャズ番組の抽選に当たって  …続き
5月 革命の吟遊詩人、米国黒人音楽史に残る名作が+3で21世紀に再登場
Gil Scott Heron Pieces of a Man

ブラック・アメリカ音楽史の中でこれは最も重要なアルバムの一つとされる作品で、並び称される作品には …続き
フィンガーピッカーvsフラットピッカーの洗練されたギターデュオ
L
Louis Stewart & Martin Taylor Acoustick Guitar Duets
代理店資料によればこのレーベルはギタリストのリーダー作以外は出さないという  …続き
6月 ささやき系SSWが歌うジャズ・ソングという一貫したスタイルが個性的
TOrcH Charm
今まで沢山の「アローン・トゥゲザー」のカバーを聴いてきましたけど、トーチのシーラが歌うこの …続き
怒濤の大定番シカゴブルースの激流下り、アブソルートリー・ホットな79年ロンドン収録盤
Jimmy Rogers & Left Hand Frank the Dirty Dozens

活動歴の長い英JSPレコードがほぼ半生期に渡る自社制作の過去作品からいわゆる永久保存盤として復刻した中の1枚。#1-6、#13-15はJimmy Rogersのセットであと#7-12がLeft Hand Frank のセット …続き
7月 アメリカ勢のカナダ遠征及びカナダ原産の極上ジャズの純生セット詰め合わせ
V.A. Celler Live the First Five Years

カナダ発の最高グレードのジャズ。充分に沢山のジャズを聴いてきた方でも、もしこのケラー・ライヴというカナダのジャズ・クラブ兼レストランが発信しているジャズを未体験でしたら、迷わずお薦めします。…続き
ここ数年の作品中、これがもっともファンキー・サウンドが炸裂したと感じる盤
Melvin Sparks Band This is It!
こういうの待ってたんだろ!と言わんばかりの強烈にファンキーな …続き
8月 21世紀の今も燦然と輝き続ける、ドクター・ジョン最大にして最強のヴードゥー・マジック盤
Dr.John Gris-Gris
今回の復刻に際してP-Vine輸入部から届いた資料原文がまさにパーフェクトに本作の魅力を伝えています。 …続き

※横断配布する他のクラブと選盤が重複するお客様の場合は当月はカスタム選盤になります。
2014年度リバイバル選盤
Earma ThompsonJust in Time

歌心の判る極上ピアニストの演奏、この人が実はピアノを始めたのが随分遅くなってからのことというから世の中面白い。…続き
9月 単純に訳せば声のデカイ少数派民族という感じですが、北米大陸に暮らす黒人や南米系の人々の気持ちが凝縮されているような気が
Frank Foster the Loud Minority
東京のレコード店で仕事がしたい、の一心で私が上京して数年後くらいの頃、当時お客として仲良くなっていたブッカー・リトル・フリークの学生が住むアパート(学生寮)に遊びに行ったときの話。 …続き
2014年度リバイバル選盤
マイルド・テナーとスインギーなピアノが織りなすクール・ブラック・ジャズの世界
Madam Queen Earma Thompson,Ari Brown,John brumbach

ブルージーなジャズや小粋にスイングしているコンボ・ジャズが大好きな方は決してこの作品を見逃さないでください。アーマの前作をご購入の方には説明不要のこの至福感、…続き
10月 アーウィンとスティーヴン・ドリンズの歴史でもある偉業の復刻
V.A. Primitive Piano

Speckled Red/Doug Suggs/James Robinson/Billie Pierce
1957年にアーウィン・ヘルファーの手によってリリースされた恐らくは10インチを母胎にした盤の二度目の復刻。最初の復刻は1975年でそのときもドリンズが中心になっていたようですが、…続き
四半世紀後に甦ったヴィンテージ・シカゴブギー・ピアノの嵐!
Heavy Timbre Chicago Boogie Piano

Willie Mabon/Sunnyland Slim/Jimmy Walker/Blind John Davis / Earwin Helfer
まさにこんなのを待っていた!という驚喜の声が寄せられそうな一枚です。シカゴを代表するピアノマスターによる純粋なソロパフォーマンスを1977年当時に新録で収録し一枚のLPにまとめてリリースれた盤の復刻ですが、…続き
11月
12月
特典 年間通期2枚会員様に
ボーナスポイント

3,000ポイントを進呈


appleJam レ7クラブ+1
さらにご加入のコース合計枚数が3枚の会員様は5,000ポイント
4枚の会員様には7,000ポイント
というようにご加入のコース総枚数に応じて
累進加算でポイントは増量されます。
詳しくは 7大クラブ共通規約 のページをご参照下さいませ。
2枚コース会員様は
さらにお楽しみ♪






Jewel Jazz Club
2013年の 頒布タイトル一覧

2013年 1枚コース会員様 2枚コース会員様にはこちらの作品もお届けします
1月 この時代に聴くからこそヤケに新しく響くのがこれら70年代クロスオーヴァーサウンドってやつ
Lonnie Liston Smith Cosmic Funk & Spiritual Sounds the Flying Duchman Years
それまでハードバップやモードが主流だったジャズシーンにソウルジャズを基調にしたとてもクールなクロスオーバー・サウンドで一時代を築いた姿は今も私の脳裏に焼き付いています。本作はそんな70年代に彼がフライング・ダッチマンに残した吹き込みからのベストセレクション全15曲で構成。宇宙的な余韻を残すアレンジも特徴の一つで、#2.A Chance for Peace や #7.Astral Traveling なんかはその典型かと。さらにはエレベをカッコよく活躍させるのが得意で、#8.Devika や#14.Desert Nightがその代表格。個人的には#15.InSeach for Truth で聴けるエレピっぽい音をした生ピアノとやはり電気増幅した感じのソプラノ・サックスの絡みが実にアーティスティックで絶品!です。似た名前のハモンドB3弾きDr.Lonnie Smith とはもちろん別人です。
2012 USA BGP CDBGPD-254

※上記試聴音はSound ItというソフトでCDをリッピングしたあと、同じソフトでmp3に変換して載せているのですが、それをメディア・プレーヤー等で再生すると曲によっては「腸内リセットCD」という意味不明の表示が出ることがあります。これはCDのメーカーに関係なく時々発生する現象で、原因がよく判っていません。
最強にして極上のメンフィス・ミニー・トリビュート盤が登場!毎日でも飽きないそんな凄アルバムです
......First Came Memphis Minnie
何と、思いもしなかったマリア・マルダーと出る霊(Del Rey)の共演をメインに、あとフィービ・スノウとルーシー・フォスターとロリー・ブロックにボニー・レイットと、そしてココ・テイラーをそれぞれ1曲ずつフィーチャーした全13曲すべてが心臓バクバクの超新鮮なメンフィスミニーのカバー・チューンで構成!真正面から聴いてもバックグラウンドに流しても、こんなに新鮮なブルース・ウーマン作品は滅多にない。これはブルースが好きという方なら誰もが持ってなあかんとってもキュートなアルバム。#4.I'm Saillin'や#6.Lomg As I Can See You Smile はきっと貴方をしてマリアが戦前に活躍した女性だったと錯覚させること請け合い。そして#8.In My Girlish Day はかつてフィービを毎日聴きまくった懐かしの日々が昨日のことのように思える瞬間。加えて#10.Keep Your Big Mouth Closedはルーシーがやっぱりピュアアコな人なんだと改めて思う曲。
2012年 輸入盤国内仕様 BSMF BSMF-2313
2月 対象クラブ会員様限定盤
スウィートなお洒落感が好印象を残すニューオリンズ新進気鋭のピアニスト
Matt Lemmler Portraits of Wonder
アルバム・タイトルが物語るように全編がスティーヴィ・ワンダー・チューンで構成された、しかも特上にまろやかなピアノ作品です。全11曲中、#11のみマットのオリジナルですが、これは彼がスティーヴィーへ捧げた特別な書き下ろし曲。バックにはリズム隊の他 9名もの瀟洒なホーン・セクション始め曲によっては二人のシンガーが彩りを添えています。ゴージャスな中にも漂うシックなセンスが印象的で、#1.Don't You Worry 'Bout a Thing は時にニューヨーク・ジャズ・テイストも感じますがこれらはれっきとしたニューオリンズ産のジャズ盤。#6.Higher Ground や#9.If It's Magic が耳には昔からあったジャズ・スタンダードに聞こえてくるから不思議です。早いものであれから早10余年、今般2012年秋に新装再発になったのを機に対象のクラブ会員様限定で貴重な初版盤をお届けすることにしました。内容は全く同じでこちらがオリジナル・デザインの初版盤です。
2001 USA Matt Lemller PMG-0103  
※横断配布する他のクラブと選盤が重複するお客様の場合は当月はカスタム選盤になります。
2013年度 対象クラブ会員様限定盤
ベクトルの全てがブルースの中心線と等しい配列になっている感じの熱烈直球作品

Gene Ludwig Soul Serenade
これは一種、ラディッグの勝負作とも言える切り口が印象的な一枚。ずっと自己作品の制作を任せていた盟友のジャック・クライズバーグをここでは名誉職(エグゼクティヴ・プロデューサー)の位置に置き、自らが采配を振るったことを強調しています。これは私の勝手な想像ですが、前作 Back on〜でソウル色の濃い自らのオルガンに自身が触発された結果、ここでは始めからブルース一直線のパフォーマンスをやってみたかったような気がします。#1.Duff's Blues の濃厚さにもK.O.されますが、さらに#3.Please Send Me Someone to Loveでは9分超のドラマティックなオルガンが炸裂。ここで聴けるギターがまた実にクール、結局みんなブルースが大好きという証明です。
USA Loose Leaf Records LL-9804
3月 不思議そして絶妙、ザディコを意識させない作りで Killing Me Softly なザディコを展開♪
Rosie Ledet and the Playboys Slap Your Mama
前作、ロージー初の英国JSP盤でその際だってソフトなタッチに魅了された日から僅か一年で早くも新作の登場です。元々コンスタントに作品を発表する人だっただけに今はJSPの水が凄く合っているのかも。事実本作ではザディコ盤ではまだ味わったことがない、マシュマロみたいな柔らかさとまろやかさに包まれるそんなふんわり感覚が最大の特徴です。私はこれに心底魅了されました。と言ってもまた同時に歯応えもパンチ力も充分なのがさすがロージーで、#2.Slap Your Mama や#8.Vampireでその辺り判って頂けると思います。ノリノリのベースはもちろん前作に引き続き盟友Chuck Bushの演奏で、過去を通じてロージーとの相性は最高だと感じています。あとギターとシンセ担当のアンドレ・ニザリ(Andre' Nizzari)のセンスも抜群、#8でも#9.Sundownでも独特のニュアンスをしたオブリガードを挿入して曲に小気味よい雰囲気を醸し出しています。

2012 UK JSP-8843  
★★★★★
※横断配布する他のクラブと選盤が重複するお客様の場合は当月はカスタム選盤になります。

※上記試聴音はCDをSound It!というソフトでリッピングしたものをmp3ファイルに変換して載せているのですが、そうすると希に「腸内リセットCD」という意味不明のテキストがメディアプレーヤー等で再生したときに表示されることがあります。今回は#2でその現象が現れますが、いまだこの原因が判っていません。CDのメーカーを問わず希に起きる現象です。
ブルースもジャズも好きという方には文句なしの超濃厚必殺盤!
Jimmy Witherspoon
Big Blues
ウィザスプーンの盤はショップによってジャズのコーナーに入っていたりブルースのコーナーに入っていたりと、お店によって解釈がまちまちですが、つまりはもともとその両者には壁も敷居もなかった時代がある所以、彼の場合まさにその典型を行くスタイルでありました。濃厚なジャズ・ブルース#2.Whisky Drinking Woman での、飲み助の可愛い女の子の歌など、それが彼にとってのハッピーなのか憂鬱の種なのか微妙なところが如何にもブルースと言えそう。#8〜11のインスト・チューンからは#8.That's the Oneが特にお気に入りで、#13.で歌も披露しているハル・シンガーのテナー・サックスが抜群の味わい。加えてギターとキーボードとアルトの助演も総ナイスで、地味な作風ながらも文句なしの傑作アルバム!
1997 UK JSP 285
※横断配布する他のクラブと選盤が重複するお客様の場合は当月はカスタム選盤になります。
4月 ボブ・デヴォスとの共演が生んだクールかつ端正な味わい。サロン的な響きが印象に残ります
Gene Ludwig with Bob Devos & Billy James the Groove Organization
組織という意味のワード、オーガニゼイションとオルガンをひっかけた洒落の効いたタイトルにも象徴されますように、ここにあるジャズはクールかつ知的なニュアンスを秘めたジャズ。Savantの2006年盤でも大好評だった職人ギタリスト、デヴォスとの共演はデヴォスが元々がオルガン奏者と組むのを好んでいた人だというのが一発で判るくらいのナイスな共演作となっています。たった三人でこれだけのことが出来る、そこが同じ鍵盤でもピアノとは楽器自体が根本から違うことを強く印象づけています。ケニー・バレルのBlueNote盤で大ヒットした#1.Chitlins Con Carneではケニーの質感とは対極的な最も端正な一面を見せているのも特徴です。
USA Blues Leaf Records BL-9818
2013年度対象会員様限定盤
メンフィス・アンダーグラウンドのカバーに象徴される極上のソウルフル・オルガン
Gene Ludwig Back on the Track CD-R
素晴らしい音に出くわしたとき、思い切った反語を使ってその感動を伝えたくなるときがあります。この作品もまさにそういう衝動に駆られた一枚で、例えば全くの静寂の中に感じる街の喧噪、みたいなものそれが充満した作品です。つまりひとつひとつの楽器は全く耳に煩くないのに音全体から受ける音圧とグルーヴィーな快感は筆舌に尽くしがたい迫力があるのです。こんなグレートなオルガン・ジャズはそ
う滅多にあるものではない。滑り出し #1.In Walked Bud のクールさと続く#2.Memphis Underground の一撃で早くもマットに沈みます。作品全体を包むしっとり感もまた格別!
USA Loose Leaf Records LL-9804
5月 実にハードバピッシュなタッチのジャズ・サンバ盤、猛烈なエネルギーが迸ります
Salvador Trio
P-Vineからアナログ盤とCDで国内盤も出たドン・サルヴァドールの隠れ大名盤。ジャズ・サンバ全盛期の60年代に大活躍したブラジルの名ピアニストで、その彼が65年にリーダーとして世に放ったデビュー作がこれ。P-Vineの資料にも〜〜数少ない黒人ピアニストであるサルヴァドールの躍動的かつ繊細なプレイと、エヂソン・ロボのフレッシュかつディープなダブル・ベースの絡みは絶品で、この時期のジャズサンバ・アルバムには珍しいオリジナル楽曲の多さ、独創的なアレンジメントと相まってスペシャルな作品となっている! 〜〜と絶賛状態。長らく廃盤状態が続いていたので今回の発掘はレア・ジャズ盤ファンには今世紀最大の発掘盤のひとつとなりそう。重量級高音質アナログ盤が同時発売になったのが判る実にダイナミックかつワイルドな録音はCDで聴いても心臓バクバクの迫力です。#5.Santa Rem は粗っぽいシンバルの向こうに響く骨太なピアノがアマゾンの原生林を思わせる躍動感、続く#6.Pro Batera はもしバド・パウエルがブラジル生まれだったらきっとこうなったのではと思わせるような展開です。全編が実に生々しい迫力に満ちています。
2012 輸入盤MRBCD089
2013年度対象会員様限定盤
頬をなでる地中海のそよ風、まさにLate'70〜'80年代型極上フュージョン・ギターが鳴り響く
Paolo Tropical Moon
音に香りがあるとしたら本作は間違いなく地中海を臨む南仏のビーチで楽しむド派手なカクテルのそれ。パステル・カラーをした液体に三日月を模したレモンがスカッと刺してあればなお一層気分が盛り上がりそう。パオロのギターを聴いた瞬間耳が勝手に80年代の時々行った渋谷のお洒落系ジャズ・バーにワープしてしまいました。カウンターには次々リクエストが入るCDのジャケットが飾ってあって、一曲毎に入れ替えられるそのアルバムはジョージ・ベンソンやアール・クルーといった、当時全盛だったギター・インストのアルバムが多かった。全曲がとびりき心地よい演奏で充満している本作 #2.the Night と #4.Hotel California で雰囲気は充分に伝わると思います。 たまにはこういうスムース系で極楽とんぼを決め込むのも粋というもの。個人的にはちょっぴりラテン・テイストのマイナー・チューン#5.Rain がクセになりそう。
2012 USA Independent
6月 蔵出しリバイバル選盤対象クラブ会員様限定盤
パーカッションが主役になったジャズ、映像が見たくなる音!
Ricky Sebastian The Spirit Within

ドラムがリーダーのセッションの場合、誰をフロントに置くかでアルバムのイメージが大きく決定づけられますがここではドナルド・ハリソンの起用が大正解で、彼のハードバップ色の濃い面と斬新な面が丁度リッキーのカラーとぴったりマッチングしています。#1.Caravan のカバーではサンバのリズムが基調になっていてかなり新鮮、ダレルのピアノも腰と艶があって冒頭にふさわしい好演です。#2.One Step Up はジャコのカバーでここでもハリソンが冴えまくっています。昔のように地下の穴蔵で聴きたいジャズそのもの。オリジナルの#3One Step Upもハイライトのひとつでパーカションがいい味を出しています。リッキーを含むパーカッション奏者三人だけの#8はさすがニューオリンズものでひと味違います。(以上は導入時のコメント原文そのまま) 〜〜 思えばこのあとLos Hombres(ロス・オンブレス)作品の取り扱いを機に激しく注目した、Irvin MayfieldとBill Summersの二人がここに加わっています。10年余というスパンを超えると同じ作品が全く異なった横顔を見せてくれる瞬間でもあります。(以上2013年4月追記)
2002 USA STR Degital STR-1003
※横断配布する他のクラブと選盤が重複するお客様の場合は当月はカスタム選盤になります。
ブルース・フィーリング満点の歌とドナルド・ハリソンのアルトにも泣ける!
Ernestine Anderson Love Makes the Changes

あえてブラック・ジャズと呼びたいずっしりとした重量感の伴う歌。こういう歌を聴くとやはりその場に釘付けになります。教会での活動を経て当初はR&Bのシンガーとしてデビューした人だけあって、そのブルース・フィーリングには年輪を感じます。2003年7月の録音ですから74才での吹き込みですが耳には50〜60才くらいにしか聞こえない張りのあるヴォイシング。その事実にも驚きますけど、さらにはドナルド・ハリソン(as)のムーディーなサポートにロドニー・ジョンーンズの至極オーソドックスなギターが益々音を黒光りさせています。普段ジャズ・ヴォーカルを全く聴かないブルース・ファンの方
7月 2013年度対象会員様限定盤
自身の選曲による'93-07のベスト・トラック15+未発含むボーナス・トラック6
Al Cook Pioneer and Legend : 45Years on Stage

ここ日本では沢山は売れないものの、一方で確実にコア・ファンが居るのがこのアル・クック。さんざん探して諦めかけた頃にネット検索で当店を見つけた、というお客様が毎年数人はいらっしゃいます。そんなアル・クックがステージ活動45周年を記念して作った感の自己選曲の集大成盤です。内5曲は今回が初出らしく、あとラストチューン#21.Orijinal Working Man Blues は65年の私蔵テープからというクレジットが有り、声がめちゃ若い!多彩な共演者を1枚で楽しめるのもGood、私の場合はバレルハウス調のピアノが光る#7.Nice and Kind Bluesが中でも特にお気に入りに。マンドリンにハープにヴァイオリンとの共演も有りと、隅から隅まで超満タン総ナイスな構成です。
2010 Austria Wolf 120.976

見るだけでネイティヴ・ニューオリンズのマルチ・パーカッション奏者への入り口に立つ瞬間
Zigaboo Modeliste the Origiator of New Orleans Funky Druming 2DVD
遂に出た これはジガブー入魂のニューオリンズ・サウンドに於けるドラム・メソッドのDVD。これを見た瞬間から貴方も間違いなくネイティヴ・ニューオリンズのマルチ・パーカッション奏者への入り口に立つのです。マルディグラ・サウンドをタンバリンやカウベル等で鳴らしているシーンや、お馴染みセカンドライン・リズムをジガブーのドラムだけで叩いているシーン、さらにはToshi Yanagi(g)を含むオールスターバンドで歌無しの"Hey Pocky Away"や"Look A Py Py"の演奏等は一瞬で血湧き肉躍る瞬間です。しかもジガブーのドラムを囲んで沢山のパーカッション群だけのシーンはそのシンプルさとは逆に超コーフン!してしまいます。曲によって歌入りの完全演奏も有りでいわゆる教則ビデオ的な退屈さは微塵も無し。中盤ではブラスバンドも登場、お葬式の際のマーチングバンドとして基本的なセカンドライン・リズムをこれもまたジガブー自身がスネアやバスドラ、シンバルの叩き方を解説しています。とにかくこれは仮に貴方がパーカッション奏者でなくとも絶対に観た方が楽しい、観た方が得、言葉は判らなくても色んなシーンで目から鱗間違い無しのDVD。改めてニューオリンズサウンドが好きになり改めてジガブーが大好きになると思います。ちなみに私はこれをマイナス・ワンというかカラオケとして活用して自分の歌とギターの特訓用に使おうと思っています。ジガブーで歌える、ジガブーで弾ける、なんてもう最高♪っす。2枚目のディスクにはジム・ケルトナー達の対談映像に加えてジガビーツと称するジガブーが開発した24の古典的リズム・チャートがPDFでおまけ収録されています。
2012 USA Joseph Modeliste & Drum Channel (リージョンフリー NTSC方式  日本の再生機で普通に見られます)
8月 変態ファンク・ジャズや個性派のラテン・ジャズが好きな方には特に猛毒です
Alfonso Lovo La Gigantona
中米ニカラグア産のサイケデリックなラテン・ファンク・ジャズ盤がオモシロイ♪と伺って早速の導入です。レーベルのNUMERO自体は既にソウル系のコアファンにはすっかり有名な、シカゴ有数のあのコレクターズ・レーベル。さすがここから出るものはただ者でない人ばかり。本作でも一瞬ハービー・ハンコックを聴く耳になってしまう#3.Tropical Jazzや、出だしがまんまサンタナみたいな#4.Los Conquistadores等、色んな楽しみ方が出来そうな曲が多々。吹き込みは1976年と言うことでハンコックのヘッドハンターズからは3年後、サンタナだとアミーゴスが出た時期の制作で特にキーボードのソロにハンコックに代表される当時隆盛だったCTI系ジャズの成分を感じて嬉しくなります。
2012 USA Numero 046
6年ぶりのアルバムは彼らの師へ捧げた思いの詰まった1枚となりました
New Birth Brass Band On My Way
これは彼らの師であるオリンピア・ブラスバンドに捧げる旨のノートがあって、そのノートを読み違えていない限り、いくつかの新曲と、師と共にあった時代に演奏したお馴染みの曲をリ・アレンジして心からの敬意と共に制作された作品ということになります。そのため従来のド迫力アンサンブルとは趣が異なり、至極オーソドックスに、だけどとても楽しいハッピーなサウンドに仕上がっています。トラッドの#1.Hot Sausage Rag と書き下ろしの新曲#3.Happy Dream の間には語りの部分以外耳には時の隔たりを全く感じません。そこが彼らの凄いところ。根っこにあるスピリットが時代を超えて不変であることが判ります。
2012 USA Threadhead Records
※横断配布する他のクラブと選盤が重複するお客様の場合は当月はカスタム選盤になります。
9月 エイモスだからこそのジャズギターの饗宴、スコッチやバーボンではちょっと似合わない、まさに芳醇なブランデーの香りがします
Amos Garrett Jazz Trio JazzBlues
ジャズトリオと言ってもエイモスの場合はギター2本+ウッドベースによるトリオ編成なのが大きな特徴です。相棒のギタリストはキース・スミスという名の人ですが、あいにく経歴等は不明、一貫して粘りけのある太い音で右寄りに位置しているのがエイモスのギターで、L-ch でやや軽量級の音をしたギターがキース・スミスだと判断して全曲を聴きましたが、せっかくの国内盤仕様化で日本語解説も付いているのに、両者のギターの特徴を聞き分けてくれてないのがちょっぴり残念でした。昔のレコードだったら、特にジャズ盤では細部に渡る詳細な解説や分析が成されていたものが少なくなく、その解説がとても勉強になったものでした。故に国内盤を高いとは感じなかった由ですが、最近の解説はやや感想文的なのが目立つのがちょっと残念かなぁ。なんて書くから多方面から嫌がられるのか(笑)。もとい、曲自体大好きな#7.All Blues では、エイモスの太いギターが渋く斬り込んできたあとをベースが忍者の如く地を這い、そしてキースのギターが風の如くその両者を包み込む感じ。この感覚、いわゆるピュアジャズの作品では過去に味わったことがない一種独特の異次元宇宙観(感)が有ります。まさに長くアメリカン・ルーツの王道を歩いてきた人ならではの我が道的な解釈です。その点ではモンク・チューンの#3.Blue Monk でもソロの初っぱなからエイモスとキースがほとんどチェイス展開になるところがこのトリオの本領発揮、こういうアイデアも型にとらわれない人ならではの発想だと感じます。
2013 輸入盤国内仕様 BSMF BSMF-2340
今年度最高峰のヴォーカル・アルバム、歌がとてつもなく素晴らしい贈り物であることを改めて感じます
Davell Crawford My Gift to You
アイ・アム・クリオール・マンと歌うダヴェルのこの歌で私はやっとひとつスッキリすることが出来ました。やはりネイティヴな発音はカタカナで書く時はクリオールが正しいようです。人の名前でも正しくはアシュリーなのを、洋画の字幕でもしばしばアシュレーと訳していたりしますけど、とりあえず私は今後はクレオールではなくクリオールと書くよう習慣づけようと思いました。もとい、久々に聴くダヴェルは世界観がもの凄く拡大した感じで、例えばドナルド・ハリソン(as)と共演している#2.river/white socks & drawers での一種宇宙空間的な音作りや、ウルフマン・ワシントン(g)と共演している#3.juncko partner cud'in joe での70年代型R&Bに全身埋没している姿等、様々な切り口でシンガーとしてのダヴェルを存分に楽しむことが出来ます。加えてニコラス・ペイトン(tp)と共演している#11.stranger in my own homeで魅せる、懐かしのウイズ・ストリングス的なメランコリーなタッチのジャズバラードも絶品、初めて彼を耳にする人の二人に一人は女性ヴォーカルだと勘違いするというエピソードがとても説得力を持つ瞬間でもあります。個人的には#15.ode to louisiana の出だし部分でアルバム1枚分の感動を再び味わいました。全15曲をもの凄く丁寧に仕上げてあるのが特筆、このアルバム・タイトルが決して伊達ではなく、全身全霊を籠めた彼の魂を是非貴方も全身で受け止めてみて下さいね。
2013 USA Basin Street BSR-1402
10月 ボリビア出身でサンフランシスコ在住のクラブオーナー と テオ・マセロ がコラボしたユニークなラテン・ジャズ
Cesar Cesar830
極めて革新的な部分と根っこの普遍的な部分が奇跡的に調和していた70年代のクリエイティヴなアメリカン・ジャズを多く制作したのがフライング・ダッチマンという米国のレーベルでした。私はRCAのマークが入った同社盤に馴染みが深いですが、当初の配給元はアトランティックだったそう。そのフライングダッチマンの未CD化作品の掘り起こしにBGPが着手、その最初の仕事(と思われる)である本作はラテン・ジャズとファンクの融合を大胆に試みたアルバム。ブリブリのサックスを聴くとついこの時期このレーベルで大活躍したガトー・バルビエリの顔が浮かんできますが、本作で吹いているのはハドリー・コールマンとスティーヴ・マーカスの両名。S・マーカスはラリー・コリエルと組んだゴキゴキのジャズロック・サウンドでご存じの方もありそうですが、ここでのマーカスはソプラノ・サックスに専念している模様です。後期マイルス・バンドを彷彿とする#3.the Devil and Montezuma なんかが飛び出す一方、まるでオシビサが突然ジャズ化したかのような#5.Azucar 等、さすがはテオ・マセロ。リスナーが想定する範囲の音を簡単に超えた展開で魅せてくれます。哀愁漂うラストチューンも魅力ですが、個人的には何故か伊東たけしの居たスクエアをつい思いだしてしまう #7.Bridges がやけに気に入ってしまいました。70年代ってほんとにこういうトロピカルなサウンドが世を席巻していましたよね。
2013 UK BGP CDBGPM-261
新旧のスタイル取り混ぜが看板だった人がトラディショナルだけに没頭する瞬間
Kermit Ruffins We Partyin' Traditional Style
人生にいいことがひとつもなかったとしても、ここにあるグレートなニューオリンズ音楽はボクには最大のベストシングスだ、というカーミットの気持ちはまさにある時期を境にした多くの人々の気持ちを代弁しているように感じます。生きていると、ハリケーンが来たり大地震が来たり巨大竜巻がきたりして、おまけに最近ではあのデトロイト市が財政破綻したりとか、いいニュースはさっぱりなのにろくでもないことは沢山起こります。それでもそれが人生ってヤツかも知れないと思いつつ、また同時に大好きな音楽に没頭することで人はいっときの至福感に浸ることが出来ます。へこんでいるよりも元気を出してまた頑張ろうという時、トラディショナルなサウンドがやけに心に染み入ることが実際ありますよね。普段から沢山のギグをこなす人はきっとライヴ小屋でのお客さんとの交流の中で色々と励ましたくなる人と遭遇することが多いのかも知れません。あるいは彼もまた常に自分自身を励ましている人なのかも知れません。そのことはともかく例えば #3.Careless Love なんかをラウンジで生で間近に聴いたらきっとそれだけ泣けて来ちゃうだろうなという感じです。まして#8.Treme Second Lineなんか目の前で始まったらきっとじっとしていられなくて自分も踊り出すはず。日本では最近は酒+ダンスは風俗ということで特に深夜は取締の対象になるそうですが、そんなの冗談じゃないですよね。踊るのは人間の楽しみであり権利、基本的人権だと叫んでしまいたくなります。もとい、ここでのカーミットのトランペットがやけにオープン空間な響きをしているのはきっとステージでライヴ録りしているときの感じを模しているのかなと思います。スタジオ録音特有のきっちりとした(窮屈な?)音になるのを避けたのでしょう。実に彼らしいセンスだと思います。
2013 USA Basin Street Records
※横断配布する他のクラブと選盤が重複するお客様の場合は当月はカスタム選盤になります。
11月 あらゆるスタイルに溶け込むシリルの素顔、360度シリル・ネヴィルが正面を向く魔法のホログラムを見る気分
Cyril Neville Magic Honey
抑制の効いたハード・ドライヴィングなギターが全編を通じて活躍しますが、実はこれはメインのギタリストであるクランストン・クレメンツ以外にもデイヴィッドZだったり、ウォルター・トラウトだったり、マイク・ジトだったりする点がギターファンにもなかなか嬉しいアルバムです。ジトとシリルは既にロイヤル・サザーン・ブラザーフッドというパーマネントなバンドを組んでいることはよく知られていますが、ここでトラウトまでもが登場する辺り、シリルも兄弟のバンドを離れてからはスタンス自体が凄く身軽になっているのかも。余りにも有名で影響力のある長兄達と組んでいることの呪縛から解放されたことが末っ子のシリルにとってはとてつもない自由を意味したのでしょう。その一番若かったシリルも既に65才で、かつて若かった頃の自分を今彼は一種「長兄」気分で見つめ直しているのかも知れません。レフティのエリック・ゲイルズで知られるゲイルズ・ブラザーズのヒット曲 #3.Something's Got a Hold On Meは典型的なジミヘン・スタイルのスロー・ブルースで、ここではゲストのDavid Z が活躍している模様。トラウト・ファンは#9.Runing Walter のファンキーな一撃に溜飲が下がること間違い無し。ジト好きな私の場合は、かつてマイク・ブルームフィールドとニック・グレイヴナイテスが組んでいた頃1969年にオーティス・ラッシュに書いた曲#10.Working Man の収録が意外で嬉しかった。その時のラッシュのアルバム(Mouning in the Morning)では「It Takes Time」が大好きな曲で、もしもジトとシリルでそれが聴けたら泣いちゃうだろうなと感じつつ、実は個人的にはポーバタのカバー#6.You Can Run but You Can't Hideに完璧に捉まった気がします。今世紀に入ってからポール・バターフィールドをカバーしたのはここでのシリルが最初では? いいなぁ、このなんとも言えない疾走感♪ 余談ですが、この時のポーバタ自身のアルバム「Put in Your Ear」はとても豪華なメンバーでしたよね。ギターがエリック・ゲイルの他、チャック・レイニー(b)、ゴードン・エドワーズ(b)、バーナード・パーディ(ds)、デヴィッド・サンボーン(as)等々、今でも悶絶モノの顔ぶれで、特に黄金のフュージョン・バンド、スタッフの主要メンバーも含んでいたというとてつもないソロ・アルバムでした。マイク・ブルームフィールドも永遠に偉大ですが、ポーバタも同じくらい偉大な巨星だといつも感じています。多分シリルも同じ思いなんでしょうね。
2013輸入盤国内仕様 BSMF BSMF-2354
※横断配布する他のクラブと選盤が重複するお客様の場合は当月はカスタム選盤になります。
半世紀を経て今超リアルに響く打楽器群、根源的なリズムは地球部族の共通言語だと改めて
V.A. Jukebox Mambo
ユニークなニューオリンズ・サウンドと変態ジャズが大好きというお客様から入魂の大推薦を頂いたのがこの盤で、聴いて直ぐに感じたのが全編に漂うルイジアナ・テイストのスワンプ・フィーリング。ルンバにマンボにアフロ=ラテンという切り口の49年〜60年代音源の中にこれほどまでガンボスープっぽい濃厚な録音があったのかと今更ながら。それを見つけて発掘するのが英国勢というところも如何にもですが。Gerald Wilson の#10.Mambo Mexicanや Cozy Coleの#20.Cozy and Bossa なんかは半世紀を経て逆に今超リアルな響き。特に#20は中間部の打楽器群も含めてマルディグラのシーンにそのまま使えそうな雰囲気をしています。 個人的にはJoe Locoの#22.Why Don't You Do Right を無性にアーマ・トーマスの歌で聴いてみたくなりました。パーシー・メイフィールドが一曲収録してあるのが意外ながらも全く違和感がないのがまた乙(おつ)な選曲。ちなみにMexicanな変態ジャズで最高峰との評価を頂いたTino Contrerasもお見逃しなく!
2013 UK Jazzman Records
12月 ジャズが最もジャズらしかった時代の名手達による名演をしぶとくキャッチ、幻のレーベルDOOTONEで聴くデクスター
Dexter Gordon Dexter Blows Hot and Cool
1950年代、全部で僅か四作品を残しただけで活動が潰えてしまった謎多きレーベル DOOTONE の、そのジャズ史上に燦然と輝く同社の四大名盤を毎月連続してJJC会員様にお届けすることにしました。このデクスター・ゴードンの1955年カリフォルニア録音はまずその第一弾。今回このシリーズを発掘したのが英国ACE傘下のBOPLICTYということもあって、パッケージも愛情溢れるデジパック特製仕様なのに加えて最新技術による高音質リマスターが売りとなっています。この時期のデクスターは薬物の過剰摂取によってほとんどまとまった活動をしていなかったと言われている中、復帰後の60年代ブルーノート盤にそのまま繋がる感じの凄い盤なのがみそ。50年代の西海岸ジャズには独特のカラッとしたテイストがつきものですが、豪快ながらもウエット感の強いデクスターのテナーがカラッとした感じに聞こえるのも共演の名手カール・パーキンスのピアノとのマッチングが影響しているのかも。中でも#2.Cry Me a River は改めてパーキンスのピアノにも惚れ直す素晴らしい共演が光ります。特にカウント1分20秒辺りからの両者の短いソロの応酬部分、ジャズが好きで良かった、生きてて良かった状態の至福の境地。一転してアグレッシヴなスピード感溢れる曲ではチャック・トンプソンのドラムが本領発揮、真正面から聴いてもBGMに延々と流しておいて飽きるということがまずないジャズ。まさにジャズが最もジャズらしかった時代の名作を心からご堪能下さい。
2013 UK BOPLICTY
意外なところにあるヴィンソン隠れ名盤の一枚、世界的廃盤で今再び注目が!
Eddie Cleanhead Vinson Blues,Boogie&Bebop-"Meat's Too High"

'80年と82年にロンドンで吹き込まれたヴィンソン(as/vo)のセッション・アルバム。ピアノ・トリオとギターの加わったカルテットと共演していますが、いずれもファンキーでブルージーな仕上がり。アルトの鳴き方がモロに臭くってもうシビレます。歌も良しでかなりのお薦め!アナログ盤時代から通算4回目の登場ですが今回はデジパックになった分触感質感共に渋くなっています。
2007 UK JSP 8806
※こちらはリバイバル選盤ですので重複する初期からの会員様には当月のみカスタム選盤になります。




Jewel Jazz Club
過去
2012年の 頒布タイトル一覧

1枚コース会員様 2枚コース会員様にはこちらの作品もお届けします
渋く枯れてくることの粋、米欧の巨匠がソフトに共演したナイスなピカイチ盤
Scott Hamlton Dusko Goykovich Tight But Loose
1976年当時、若干22才でデビューしたスコット・ハミルトンのその最初の
アルバムをリアルタイムに聴いた日から早35年。自分と一歳違いの青年
だった人があっという間にアラ・シックスティという感慨は置いても当時の
まんまの音が本作からも流れてくるのが凄い。ハミルトンは若くして素敵
に枯れていると、当時から誰もが絶賛。生まれ持ってズート・シムズとベン
・ウェブスターのDNAを有していたのか。一方セルビア出身のゴイコヴィッチ
は早くから社会主義圏向けのラジオ放送でジャズに目覚め密かに練習した
という苦労人。ベオグラードのビッグバンドで活躍するもやはり本場西側
諸国での活躍を夢見て1953年にドイツに出国、後に61年に渡米後
バークリー音大に入学しました。こちらもまた光陰矢の如し、今では
すっかり世界中のジャズファンを虜にしている凄腕トランペッター。
極上マイルドな面の両者がそれぞれ聴ける#2.Alone Together
#7.Angel Eyes と 艶と張りでも天下一品の#8.the Blues Walk
特にハイライト。値千金のピアノはBernhard Pichl でドイツの名門
レーベル、ナジェルヘイヤー等でも活躍している中堅ピアニスト。
ちなみにAlone Together は二人っきりで、という訳がお気に入りで
若いとき女の子とジャズクラブに行く機会があったときは必ずリク
エストした曲でもありました。ときめくんですよ、これが(笑)。
2011 輸入盤 Organic Music ORGM9757
時折顔を出すゲストのアコーディオンも含めて全てがヴェリー・ナイスです
the Courtyard Kings Douces Wild
私達はあえてこの時代に最も古典的な手法でこのアルバムを
スタジオ録音しました。つまり全員がヘッドフォンもしないで、せー
ので一発録りした作品です。〜〜と、わざわざ書いてあるのは恐
らく昔とは違って、ジャズでさえも何回か録音して良いところだけ
集めて編集するということが日常的に行われる時代になってし
まったからかも知れません。そのことはともかく、そのこだわりが
生む適度な緊張感がまさにジャンゴの時代のスリリングなホット
スイングを醸し出しています。#6.Douice Joie でヴァイオリンと
ギターがとユニゾンする瞬間とか、ロリンズの大ヒット・チューン
#10.St.Thomasのゴキゲンなカバーも、現地フレンチクォー
ター辺りの店で生で聴いたらもう極楽往生しそうです。もち
ろんCDでもこんな楽しい一時はそうはありません。個人的
にはミュゼットにも通じる#11.Swing Gitan がもう最高!
2011 USA Nola Recordings
時代を超えて何時聴いてもカッコいいのがこのラテンジャズというやつ
Poncho Sanchez and Terence Blanchard Chano Y Dizzy!
日本ではこういうサウンドを言う場合ラテンジャズという呼称の方が通り名
ですが、ネイティヴの人々はどうやら Cubano Bop もしくは Afro Cubano Bop
と呼ぶ模様です。そのことはともかく、このアルバムはサンチェスとブランシャー
ル(日本での読みブランチャードのフランス読みだそうです)の二人の新プロジェ
クト。過去様々なエスニック・サウンドがジャズと融合してきましたけど、ビバップ
誕生の後いち早くディジー・ガレスピーが編み出したこのラテン・ジャズほど私達
日本人にもMAX最高愛されてきたジャズは他に類を見ません。今時は全米でも
若い人ほどメインストリーム・ジャズに目覚め始めつつあるそうですが、その意味
では最も本物志向でかつ最も先端をいくクリエイティヴな街ニューオリンズから
こういった派生系スタイルのジャズに改めてスポットを当てる取り組みは全面的
に嬉しくなる出来ごとです。特にテレンスの場合はベーシックなメインストリーム・
ジャズをやってもピカイチ、そしてハリウッドのビッグヒット映画のサントラを手がけ
てもピカイチと、まさに21世紀と20世紀の両方の美味しいジャズをやる天才と感じ
ていて私は大好きな人。試聴は#5.Dizzy's Dashiki と #8.Harris' Walk を是非。
2011 USA Concord CPI-33095
全編が強烈にヒップ&クールで大都会的、文句なしこれは凄いし無限の可能性
Trombone Shorty For True
本作の#1.Buckjump を聴いてふいに浮かんだイメージがウイル・スミス
主演の映画「バッドボーイズ」の新作、仮称2バッドアゲインのオープニン
グ・シーンでした。もちろんそんな映画まだないけどハリウッド級のヒット
映画に使われても驚かない音になってきたことの実感。#12.UNCのクー
ルさもまさに都会的。トロイは完全に脱皮したというか、メジャーでは思い
切った変身をしてみようという意欲がビンビン伝わる感じです。ニューオリ
ンズというよりはるかに陽光降り注ぐ原色の街マイアミっぽい音ですよね。
そんな中 #7.Dumaine St.に故郷との接点を感じたり、こういう音ならそこ
に仮にカーク・ジョセフなんかが居ても全然驚きません。
まだまだ発展・変化しそうなエネルギーを無限に持っている
ことの実感。プロデュースは前作に引き続きベン・エルマン。
2011 USA Verve B0015586
スパイシーでかつコクもある絶品のユニーク・メキシカン・ジャズ作品
Tino Contreras El Jazz Mexicano de Tino Contreras
いやこれはとにかくアルバムの隅々まで存分に楽しめる極上ジャズ作品。
実に半世紀を超えるスパンで活躍しているメキシコの大ベテラン・ジャズ・
ドラマーを英国のレーベルJAZZMANが出したもの。全16曲中私が特に
ハマッたのは3、5、7、9の4曲。#3.En El Viejo Estanbul はきっとイスタン
ブールをイメージした曲だと思うのですが、テーマ・アンサンブルのあとに
滑り込んでくるヴァイブソロがもう最高。#5.Safo "la Sacerdotiza Del Amor
はsax、tp、p の三者のうねりがまた最高。#7.Poinciana は形容しがたい
コーラスに続くファンキーなテーマが抜群にスパイシー、タムのロールも
クールです。#9.Jazz En El Cairoはフルートとあとバド・パウエルみたいな
ピアノ・ソロも実にチャーミング。#3のフルートと同じ人だと思うのですがもう
メチャメチャ気に入りました。どっちも中東絡みの曲名は偶然か、とにかくこれら
4曲以外も全部が素晴らしいです。こんなゴキゲンな盤はそうはないっすよ。
2011 UK JAZMAN JAZZMANCD043
日本でもアングラシーンで今でも元気なリヴァイヴァル・サウンド、これは英国産!
Florence Joelle's Kiss of Fire
時代を超えて全ての人のツボにはまるこのレトロな感覚。ジャンゴ系の
シプシー・テイストからガレージにミュゼットと、米ルーツとパリのエスプリ
混合感がナイスです。ヴィンテージ盤復刻専門のACE系から出た久し
ぶりの進行形アーティストです。キュート&コケティッシュなフローレンス
の魅力にジワジワしびれる快演盤、#4.I'll Come Running は思わず自分
の弾き語りレパートリーにしようかと思うくらい。#9.Never Thought I'd See
the Day
は特にタランティーノの映画そのまんまのクールさで、
「キル・ビル」なんかを観た人にはまさにキラー・サウンドです。
※映画では日本の女子高生バンドっぽいガールズ・バンドが
活躍してましたけど、サーフ&ガレージ系はほんとに不滅!です。
2011 UK Zoltan Records

※JJCとBWC or BluesClub の両方で会員のお客様へは当作品の重複を避けるため
   7月のBluesClubはカスタム選盤にさせて頂きます。よろしくお願い致します。
趣味の良いギターといぶし銀のハモンドをバックにハッピー度MAXのジャズ・ソング
Kimberly Gourdon Organ Trio Sunday
キンバリーのデビューアルバムはそのクセのない素直な歌い
っぷりがとても気持ち良く、ジャズヴォーカルのコアファンにも
評価が高かった一作。加えてピアノ・レーベルらしいさじ加減
も絶妙でした。今回は同じフォアマンがオルガンでバックを付
けていて、そこに同じくらい絶妙のギターが絡むのが泣ける
要素。本作を楽しむには歌に現れるちょっとした綾が判るだけ
のいわば成熟した感性を必要としますが、小粋なギターやス
インギーなオルガンも極上の世界です。当店としてはあえて
ブルースファンにもこれを是非聴いて欲しいと切望する
次第です。試聴はスキャットが抜群に楽しい#5.So Damco Samba
オルガンとギターも値千金!の#8.Dream a Little Dream of Meをどう
ぞ。私はこれをアルバム丸ごとwalkmanに入れて何処へ行くにも持ち
歩いています。進行形のジャズヴォーカルでこれだけ楽しいのは少ない。
2011 USA Sirens Records SR-5018

誰もが愛するあの名曲でそっと締めくくるエリスのクリスマス・アルバム
Gypsy Elise Blue Loue CD-R
本作はクリスマスにちなんだアルバムなのですが、個性の強い人が
作るクリスマス作品はやはりひと味もふた味も違う。お馴染みの曲#5.
O' Holly Nightも妙にしんみりするアンサンブルにゴスペルの成分を
感じます。傷んだ古いレコードにも郷愁を感じる瞬間を再現したかの
ような #8.Auld Lang Syneなんか聴くとエリスにはピアノが一台あれば
あとは何も要らないことを感じます。中盤から被るサックスもとてもナイ
スで、これ1曲6分54秒で一気にシアワセな気持ちになれるのが凄い
です。ちなみに「オールド・ラング・サイン」と呼ばれるこの曲は明治
14年に尋常小学校の教科書にも採用されたお馴染みの曲
「蛍の光」で、原曲はスコットランドの民謡でありながら、また
同時にれっきとした日本の唱歌でもあるのダ。自分的には
「アメイジング・グレイス」と双璧を成す名曲中の名曲と感じて
います。ここで#8.の冒頭に流れるニューオリンズ・トランペッ
トで聴くバージョンもおつな味わいですよね。
2011 USA Independent  
※ご加入中の他の7大クラブと本作の選盤が重複するお客様へは当月のみ
    カスタム選盤にさせて頂きますのでよろしくお願い致します。
実にレア&ロウ、60年代オハイオのプエルトリカン達は時代の先端に居た!
Los Nombres Panthers
2012USA Numero 43009

プエルトリカンとラテン・ミュージックといえば過去ウィリー・コロンといったニューヨーク生まれの
巨匠やプエルトリコからニューヨークに移民した人々の音楽がメインに語られてきた気がするの
ですが、このノンブレスの人たちはオハイオ発のプエルトリカンによるラテン・ソウル&ファンク・ミュ
ージックなのが特徴。一説によれば彼らこそが西海岸やニューヨークにそのラテン音楽の影響を
もたらした震源地なのだとのこと。そのことはともかく例えばメジャーデビュー前の初期のサンタナ
が彼らを知らなかったなんてことはあり得なさそうな類似点等、ここにある音の端々にはあちこち
ハッとする新鮮さが溢れています。#3.Cold Wine なんかサンタナ1stの曲に混ぜても違和感はゼロ。
#4.Todosはサンタナ2ndに混ぜてもきっと違和感はゼロ。#7.Trivialitiesはサンタナ弟ホルヘのマロ
に混ぜても違和感はゼロ。ということでいやとにかくこれは今聴いてもぶっ飛ぶくらい【e】のダ。
ハードカバーの中にメンバーの写真をあしらったブックレットがありますがこれはきっとLPのジャケット
ではなく、というか恐らく当時彼らはアルバムなんて出してはいなくて、本作はきっとシングル音源
を集めた発掘盤に違いないと感じています。詳細不明なのでこれはあくまで想像ですが。
爆音で聴きたい弩級のゴスペルテイスト・ライヴ・ミュージック
Glen David Andrews Live at Three Mouses
ほとんど黒人ばかりのシカゴのとあるバプテストチャーチで実際にも
説教や歌を体感したことがあるせいか、この手の作品を聴くと一瞬で
自分の居る場所が当時の教会の中のような錯覚を覚えます。熱血パ
フォーマー、グレンは今回もまさに紅蓮の炎を思わせる気迫に満ちた
ステージを展開、聴いてるだけで全身至福の境地に包まれる感じです。
全曲がぶっちぎりにド迫力の中、ジョン・ブッテの歌でもお馴染みの
ポール・サンチェス・チューン #4.At the Foot of Canal Street での
冒頭、説教口調で聴衆を引っ張り込む姿が如何にもで熱い。
2012 USA GDA Music Group GDA-004
右脳がゴキゲンに踊り出す極上ボッサ、チコ85歳のアニバーサリー盤
Chico Hamilton Belive
エレベのふんわりしたボトムにゴキゴキした硬質のテナー、その合間を
縫う感じのファンタジーなフルート。そして奏者全員の指揮官としてステ
ィックを握るのがチコ・ハミルトン。ここには2000年から2005年にかけて
のスタジオ・ワークを収録、いずれもメインストリームと極上フュージョン
のブレンド加減が文句なしソーナイス。思うにドラム奏者がリーダーの
場合は他者全員がサブ・リーダーでもあって力配分的にも私は大好き
な構成。#1.Evan's Ville のファンキーな幕開けは、もし地下への扉を開
けた瞬間そのジャズ喫茶から流れてきた音ならそれだけで私は昇天
しそう。#3.My Brother Don はもしトレーンが今も存命でギター奏者
と共演したらやりそうな気がする曲調です。めちゃ気に入りました。
2006 USA Independent
10年ぶりのピアノソロ作品、自己ベストを超えて今世紀のベスト作品と言えそう
Joe Krown Exposed
03年盤の感動と衝撃が今再び!ひとつひとつのタッチとタイム感の
精緻さに精密な工芸品を見る思いがする〜というのは私がその03
年盤"New Orleans Piano Rolls"に受けた印象ですが本作でもその
印象は益々深まるばかり。#1.Exposed は恐らく彼が今回の作品を
作ろうと思い立つ動機になったのではと想像する秀逸なオリジナル
曲。そして#3.All That and Then Someは彼こそがニューオリンズ系の
ソロピアノ演奏で自他共に世界一の現役奏者であることを実証してい
る気がするこれも優れたオリジナル。カバーでは James Booker の
#4.Pop's Dilemmaに溢れる現代感覚がソーナイス♪
2012 USA Joe Krown Self Released JK-1005
ステフォン・ハリス、デイヴィッド・サンチェス、クリスチャン・スコット
三者が心地よく燃焼している粋な盤、ジャズファンは聴かないと感動体験をそっくり損する感じ

Stefon Harris  David Sanchez  Christian Scott  Ninety Miles CD+DVD2枚組 \2,850tax in
リーダーのステフォン・ハリスはかつてジャズ仲間5人で共同主催
していたジャズ・ページで1999年盤を取り上げたことがありました。
当時の私のコメントは〜〜ジャズ界で演奏者人口の少ないヴィヴラ
フォンにおいて若手の後継者出現はそれだけでも注目を集めますが、
その人が名門といわれるマンハッタン・スクール・オブ・ミュージックで
修士号を取得した逸材ともなれば益々のこと〜〜という書き出しで始
まっていますが、ジャズ盤批評では大ベテランだった当時の仲間の一人
が、迷わず聴きなさい、この人は希有な逸材だ!という意味のメッセージ
を同ページに寄せていました。それから13年を経て今まさにアラフォー世代
となったステフォンの、これはさらに充実度と確信度を増した文句なしの大傑作盤。
特に共演のクリスチャンの存在感が凄いのが特筆。私はCD #6.Congo がまさに
命中弾でこの一発だけでも即死で、ここで後半登場するChristianのtpソロ
絶品、もとより全曲がメインストリーム・ジャズの魅力炸裂です。
熟年ファン程仰け反り度が高くなりそうな1枚で、本格派のジャズが
きちんとしたプロデュースの下でリリースされていることを祝福したい
気持ちです。DVDにはドキュメンタリー映像の他、長尺のライヴ・トラック
を2曲収録、カメラアングルも含めて完璧なプロの仕事です。
2011 USA Cocord CPI-32904-00
右脳がゴキゲンに踊り出す極上R&Bジャズ、チコ85歳のアニバーサリー盤
Chico Hamilton 6th Avenue Romp
チコ・ハミルトン85歳のアニバーサリー企画のもう1枚は
2005年5月〜2006年5月にかけてのスタジオワーク集で
こちらは濃厚なR&Bテイストをしているのが特徴です。
#1.Cleo's Mood の軽いジャブに始まり#3.Topsy のスモー
キーにファンキーなギターに仰け反ったあと #4.Ain't No
Sunshine
のセクシーなサックスで遂にマットに沈むという
具合。全編がブルーノート・リキュールをベースにCTIや
KUDUサウンドでシェイクしたカクテルのような展開で、
熟年ファン程目が遠くを偲んでしまうに違いない1枚。
2006 USA Independent
この街が好きで移り住んだ人なのだから、この日がきっと夢だったに違いない。その、そのパート2
Dr. Michael White Adventure in New Orleans Jazz Part 2
ニューオリンズを愛する沢山のニューオリンズ・ネイティヴのミュージシャンが
集った企画の第二弾。マイケル自身はテキサスの出身なので自分をニュー
オリンズ・ネイティヴの人々で包み込むことでもの凄くシアワセに感じたに違い
ない。前作以上にハッピー度を増した印象は多分気のせいではないと感じます。
曲自体私も大好きな#6.St.James Infirmary は元はイギリスのセイントジェームス
宮殿跡地にあった病院がモチーフの古い曲。亡くなった恋人に病院で会ってきた
〜自分も死んだときは立派に飾り付けてくれと歌うサッチモのバージョンがブルー
ス界の古典となった曲です。#12.Happy Together は私の
場合はフランク・ザッパのアルバム「チュンガの復讐」で聴いたのが原体験ですが、
本来はタートルズの大ヒット曲で、ここでも前作同様沢山の管楽器が入り乱れるアンサンブルが
泣けます。どれだけ時代が変わってもニューオリンズはきっと変わらないな、と改めて思った1枚。
2012 USA Basin Street BSR-0506-2
バンド結成10周年で益々気を吐くど根性ライヴ盤、CDで聴くだけでも当夜の臨場感が満点です
Johnny Sketch & the Dirty Notes 10th Anniversary Live at Tipitinas
時の経つのは実に早いもので、初めて彼らを日本に導入した日から早くも10年の年月が。
何と言っても彼らの圧巻な点は、その活きの良さとアイデアの豊富さと確実性。特にリーダ
ーのスケッチのユニークさは特筆で〜〜と興奮気味に書いた最初のコメントは今もこのペ
ージのトップに置いてありますが、その感想は10年経っても全く同じです。本作ではスペン
サー・ボーレンがラップスチールで参加しているのが特筆ですが、音的により土臭いファン
クになっているのも印象的です。豪快なブラスロック風に始まる#1.Buiscuits and Gravy は
かつて新宿ピットインで聴いた邦人ジャズにも酷似した親近感が大、何故なのか私の場合
ニューオリンズのファンクやフュージョンに80年代の日本のジャズやロックが重なって
聞こえて仕方がありません。個人的には哀愁味溢れる#8.Cora Lee の、一種あがた森魚
的旋律が胸キュンです。CDのパッケージにはtrack10まで記載されていますがディスクには9曲しか収録が
ないのが謎。ちなみにLMFのサイトでは収録9曲と表示、パッケージに記載の曲目と途中からタイトルが
ひとつづつずれていますが現実に収録の曲は例えば#8.のCora Leeは間違いなくCora Leeという発音で
歌っていますから多分収録されていないのは#10.のLil Mama じゃないのかなと私はそんな気がして
います。 ラスト#9.When I Goで気を吐くハリーのヴァイオリン・ソロにもぞっこん♪
2012 USA Bason Street Records
ギター&オルガン共にその軽さがとても爽やかな余韻を残す気鋭の兄弟が登場
Fast3 3's Company  A Tribute to Grant Green
耳には非常に軽量級、いわばフェザー級のオルガン・トリオに聞こえるものの、
実際にはかなりコアなコテコテ系ソウル・ジャズ・ファンにも支持者が多い新進
気鋭のオルガン・ジャズ・コンボ。今回特にテーマをグラント・グリーンへのトリ
ビュートとして絞っただけにコンセプト自体が明瞭、特にGG好きで知られるベン
ソンの背中越しにGGへ捧げた感じの曲もあって、その辺の音が好きなギター・
ファンには二倍楽しめる作品です。そこが判る人にはたまらなく楽しい瞬間、
仮にそんなカルトなこと知らなくてもこれ自体が充分に会心の作。迷うくらい
だったら買った方が得、試聴は#2.Bermuda Clayhouseをどうぞ。
2008 EU Doodlin Records DR-007
#9.〜#10.に感じる晩年のビリーホリディみたいなフィーリングにも釘付けに
John Boutte' All About Everything
思えばニューオリンズではハリケーン・カトリーナの次にサブプライム・
ローンの全国的に深刻な問題があって、さらその後のリーマンショックと、
世界がもうこれで勘弁してと思っている時に今度はユーロ危機が来襲。
この間日本では大震災と併せて原発災害も起きていますが、それら負の
連続パンチは20世紀の世界恐慌や二度の世界大戦に匹敵する悪影響を
世界のアーティスト達にも間違いなくもたらしていると思います。それでも
次々新しい曲が生まれ、新しい感動が世界の至る所で共有されているこ
との事実がまた新たな勇気をもたらしてくれます。特にブッテのように人の
心の深部にあっさり入り込んでくるシンガーの場合はもうずっと昔から長い
付き居合いの友人のような安心感と癒やしの成分も大きく、同じ人を長く聴き
続けることの最大の恩恵はまさにその安心感と癒やしにあるのかも知れません。
それがまた明日へのエネルギーになる由。本作には今までちょっとなかったタイプの曲、
#8.Heaven's Doorや#9.All About Everything があって、音の奥行きがさらに増した感。
#10.Lush Lifeはヴァーヴ時代のビリー・ホリディが目の前に居るかのようです。
2012 USA Boutteworks
フュージョン・ジャズっぽいテイストも併せ持つニューオリンズ・ブラスバンドの新鋭
Mainline Brass Band S/T
バンド名のメインラインという名が象徴するように彼らのレパートリー
にセカンドライン・リズムは一曲もない。バンド創設は2010年9月、ブラ
スセクション以外はギターとキーボードとドラムの8人編成で、スーザフォ
ンが重低音部分を受け持っているのでベースレスには聞こえないのが
如何にもです。#1.Cleveland and the Penguin や#4.Litigationでも判ります
がブラスアレンジが従来のブラスバンドとは大きく異なり、一種ジャムバンド
風なのが特徴です。ゲストによるラップ調のvoをフィーチャー#7.Vilage
People ft. Danny Abel and Mike Spitta
等も作品を代表している感じ。
2012 USA Independent
対象クラブ会員様限定商品
デビュー作から追っかけている人には成長の跡がくっきりと耳に残るシックな盤
Mia Borders Wherever There Is
作品毎に確実にステップアップしているのが判るミア・ボーダーズの
早くもこれが渾身のサード・アルバム。デビュー時は所々でまだ青か
ったグリーンな印象から、いよいよ大人のサウンドになってきたと言え
ます。当店のお客様には、人は最初から完成している必要はなくその
瞬間・瞬間でハッとさせてくれたらそれで充分という聞き方をされてい
る方も少なくなく、同じ人を追っていく中でハッとする部分が拡大して
いくのは余計に嬉しい瞬間です。最近ではジョン・リシの成長ぶりが
圧倒的ですが、このMiaも恐らく確実にそのレベルに達するものと
期待しています。tbにCraig Kleinが参加している#3.Funk You Up
の心地よいファンク・チューンと#6.Never Goin' Back to Nashvilleでの
アーティスティックな展開が特に私はお気に入りに。ドラムとベースと
サックスが曲にばっちりフィットする中、チェロの絡みがツボに命中します。
ギターにMiaと並んで日本人名前のギタリストがクレジットされているのも注目。
2012 USA Blaxican Records
※横断配布する他のクラブと選盤が重複するお客様の場合は当月はカスタム選盤になります。
対象クラブ会員様限定商品
ジャズやR&Bが長屋作りで垣根無しだった時代のテイストに酔うひととき
Carl Leblanc
Justin Case

この作品でレブランクがトリビュートしているニューオリンズのギタリスト、
ジャスティン・アダムスは1923年生まれのセッション・ギタリストで、1950〜
60年代に吹き込まれた無数のR&BとR&Rのレコーディングにその名を残す
人。当時は彼に対する評価がその活躍と実力に見合ったものではなかった
模様で、そんなことからも改めて偉大なアダムスの存在を知って貰おうと思い
立ったのかなと感じました。といっても本作の録音は1994年のことなので、
既にその日から早20年近く経っている訳ではありますが。そのことはともかく
#1.After You've Goneあんたはアタシを泣かせたまま去って行ってしまっ
たけど、どうせそのうちあんたも今のアタシみたいにボロボロになって
また舞い戻ってくるに違いないワ、と明るく強がる女の子の気持ちが
ストレートにギターの音になっているのに注目。
#9.Petite Fleur (プチ・フルール)
はかつて日本でも1959年にザ・ピーナッツがデビュー曲で大ヒットさせた邦題「可愛い花」。
脱線しますが私は(同じザ・ピーナッツの)ボサノバ・アレンジのバージョンの方が好きな
せいか、このレブランクのバージョンがすこぶるフィットして一発で大好きになりました。
あと特筆はホーンアレンジがワーデル・クエゼキューなのも嬉しい要素のひとつです。
2012 USA Independent
対象クラブ会員様限定盤
またまた登場したニューオリンズ注目の歌える若手トランペッター
Kid Chocolate
New Orleans' Own

歌えるトランペッターとして直ぐに思い浮かぶのがジェームス・アンドリュース、
カーミット・ラフィン、ブライス・ミラーにシャマー・アレン等々が現役若手ニューオ
リンズの代表格ということろですが、このキッドは昨年から注目していますという
メッセージをお客様から頂戴していた存在。既に来日もしたので、観た!という方
もあるかもですが、伝統のサウンドを継承しつつも向いている方向は彼なりの我が
道であることは確実。#1.Wild Man Bluesにキッドの音楽性の主要部分が凝縮され
ている気がするのと、曲自体大好きな#8.St.James Infirmary の粋な崩し方にキッド
の横顔を見る気分がします。この曲を現代風にアレンジして大成功したのは私の
記憶ではブライス・ミラーが最初ですが、キッドのこのバージョンもブライスの
センスに負けてないと感じます。あと、個人的なお気に入りはラウンド・ミッドナイトを思わせる曲調をした
#4.New Orleans/Up A Lazy River。歌唱力的には力不足ではあるものの
それ以上のサムシングを持っている佳曲と感じます。
2012 USA Independent
対象クラブ会員様限定商品
歴代のジャズ名盤を聴き倒した直後に聴いても重厚感を失わない優れもの
Christian Scott  AtundeAdjuah 2CD
現役のニューオリンズ若手トランペッターの中で一際華も実も
あるのがこのクリスチャン・スコットだと感じていますが、本作
でもまたその印象がいや増す仕上がりです。私の思い違いで
なければこれも国内盤が出ていると思いますが、やはり如何な
る場合もUSAオリジナル盤で持っていたいという、コアなお客様
のために仕入ています。冒頭Disc1の#1.Fatima Aisha Rokero
聴いただけでも完成度の高さを実感、比較的キャッチーなイン
トロをしたDisc2 #1.the Berlin Oatien でもやはり晩年のマイ
ルスを思わせるタッチで展開。影にいつもマイルスの
息づかいを感じるのがもはや彼の個性になっていますよね。
時にフェンダーローズやハープシコードも駆使するピアノの
ローレンス・フィールズも抜群の助演男優賞ものです。
2012 USA Concord
ブルースファン、ハーモニカファンなら誰もが持ってなあかん、もの凄いシュガーのライヴ盤2枚組
Sugar Blue Live-Raw Sugar 2CD \2,300tax in
ブルース・ハープというかハーモニカ・ブルース・シーンにおいて確かに何かが置き換
わった、何かが塗り変わったという気持ちになったのが私の場合は07年のシュガーブル
ーの"Code Blue"という作品の登場でした。当時はオンラインのメガストアも含めてまだ
どの店も国内では扱っていなかったため、何とかして入手して欲しいというコアファンの
依頼を受け、現地代理店から並行輸入したのをHPに載せたところその評判はあっという
間に全国レベルに拡大、瞬く間に凄い勢いで売れ始めた瞬間、BSMFが同盤を取り扱う
ようになって今に至ります。続く2010年の"Threshold"は、ブルースという既成概念を一端
シュガーの遺伝子レベルで新しい塩基配列による音楽的DNAに再生した感じが強く、
その意味でハーモニカ・ブルース・シーンにまさにiPS細胞を生み出した感もして「何か
が置き換わった」という印象を持った次第です。ここにある2枚組全13曲約2時間は一曲当たりが非常に長い演奏
にも関わらずフィーリング的にはあっという間に次々展開していきます。誰疑うことのない、これは今世紀最高に
して最大の衝撃作、ブルースの歴史に残る作品になること間違い無し。試聴はDisc1.#1.Red Hot Mama、Disc2
.#4.Messin' with the Kid をどうぞ。ギターにRico McFarland が全面参加しているのも特筆です。 ちなみにRico
の01年盤のデビュー作でゴキゲンな客演をしていた一人がシュガー・ブルーその人でした。
2012 輸入盤国内仕様 BSMF BSMF-2309




Jewel Jazz Club
過去
2011年の 頒布タイトル一覧

2011年 1枚コース会員様 2枚コース会員様にはこちらの作品もお届けします
1月 ファンキン&ハード・ロッキンなニューオリンズジャムバンドの真髄ここに極まれり!
Porter Batiste Stoltz feat. Kyle Hollingsworth
Live at Boulder Theater March18、2009  2CD-R

無頼庵の強烈なワウワウ・カッティングは一度シビれると中毒になる、
そんなご感想も頂いているこのパワフル・トリオPBSでのガッツ溢れる
サウンド。そんな彼らの、これは恐らくCDにするという気は多分なかった
のかも知れない爆裂の2枚組ライヴ盤。荒々しくも猛々しい全曲のパフォ
ーマンスはジャムバンド・ファン即死の吸引力をしています。随所で炸裂
するホットなソロ回し Disc2-#4.Rainy Day Women や、ど頭のカッティング
だけでゴキゲン度MAX のDisc2-#12.Fire Lamp 等々、アンサンブルの
うねりそれ自体が絵になるトリオ。ヘッドフォンで爆音で聴きたい1枚!
2010 USA Independent HSP-PG907
時には手にすくったペンキを壁に飛ばして描くのにも似たタッチが魅力的なハーモニカ
Max De Aloe Quartet Lirico Incanto
アロエの吹くハーモニカはいわば全音がすべて美という概念を音に乗せて伝えようと
している感じを見せるのが特徴で、さらにはカルテット全体が互いの音をより美しく研ぎ
澄まされる方向で呼応し合っているのが判ります。中でも際立っているのはピアノの
美しさ、その音の粒立ちからして潤いと艶やかさが抜群。出色は#4.Ah,fors'eLuiでの
妖しくも立体的なアンサンブルで、一見四人がバラバラに発音しているようで実はそこ
に暗黒物質にも似た神秘のガス状空間を生み出している曲。アロエのハーモニカは
カデンツァっぽい部分でもしっかりと腰の入ったフレーズでバンドを牽引しているのが
凄いところ。同じくピアノ・トリオっぽく始まる#6.E Lucevan Le stelleも特に極上。
イタリア盤なのに何故かバックに日本語があるのも不思議。曰く〜イタリア人
ミュージシャンの中でもとりわけ魅力的で見事なオペラのメロディーをジャズに
編曲した。ヨーロッパ全土で既に好評の唯一のディスクである。〜〜と記。
2008 Italy Abeat For Jazz ABJZ-060
2月 まさにappleJamらしい選盤、こういった盤はまず他店では見ない盤
優雅さに加えて母国語に聞こえる親近感MAXのフレーズがとってもナイスなハーモニカ・ジャズ

Max De Aloe Quartet Bradipo
かつてピンクフロイドがアフロディーテに続き二度目の来日をした1972年3月10日、
私は京都府立体育館で生で聴いた未知の曲に全身鳥肌が浮いたのを鮮やかに記憶
しています。後に出る「狂気」からの曲が与えたその衝撃体験を、そのまま当時勤務し
ていた京都のレコード店で馴染みのジャズファンに語ったところ、ナンダあんはそんな
お子ちゃまロックも好きなのかいと軽くあしらわれて鼻白んだものでした。ジャズ好きが
ロックを見下す風潮は確かにあったのですが、それ以前にピンクフロイドをよく知らない
人にその興奮は伝わらないなと納得。本作でアロエがカバーしているフロイドの佳曲
#4.Breast Milky #6.Shine On You Crazy Diamond PartIX は共に
私も今も大好きな曲で、まさにやってくれるじゃんという気持ちになりました。原曲に
寄せる憧憬とリスペクトが率直に伝わるナイスなカバー。もちろん本作をそのことだ
けで選盤したのではなく、作品全体が持つ優雅さに激しく魅了されました。#9.Nottuurnoは芸術の国イタリア
らしい耽美主義的なアプローチを見せる曲で、ピアノの粒立ちも綺麗なら後半のアロエのソロにもぐっときます。
2009 Italy Abeat For Jazz ABJZ-070
ポール・ジャクソンのベースも値千金、1976年作の超名盤遂にここに復刻!
Bill Summers Feel The Heat
言わずと知れたヘッドハンターズの創始者の一人で、元々のハービー・ハンコックの
名作 《Head Hunters》 への参加が全ての始まりだったと言えそう。折しもフュージョン
・ジャズ全盛期を迎えていた1976年に名門中の名門 PRESTIGE レーベルからリリース
されたこれは今も名盤の誉れ高い1stソロ作の復刻盤。ゲスト・シンガーのダイアナ・リ
ーヴスの新鮮なこと!恐るべし70年代のファンク〜ラテン〜ソウル・ジャズの真髄ここ
に際まれりの感です。資料に寄れば#1.Brazilian Skiesは今でもというか、今だからこそ
沢山のDJがクラブでプレイしている曲。個人的には腰から下が無条件でグラインドして
くる#3.People Knowが持つうねりや、#5.Brazilian Skies での軟骨系ラテン・チューンが
文句なし!34年経った今も出来たての新譜に聞こえる点が凄いと思います。
2010 UK ACE CDBGPM217
3月 如何にもヨーロッパ発の極めて上品なサロン的バンジョー楽団、
ジャズチューンでの小粋なソロ回しも実に天下一品の2010年盤

Banjoclan Blues and Soda
イタリアはジェノヴァで制作された非常に趣味の良いバンジョー音楽。
2010年4月にスタジオ収録された本作は全編が軽妙かつ軽快なオー
ルインスト・バンジョー・ミュージック。ウッドベースとフルアコが刻む心
地よいリズムをバックに三人のバンジョー奏者による息のあった合奏。
軽い驚きは#3.Yellow Dog Blues の出だしフレーズがずっと愛聴してき
たアンナが歌う FeufolletFemme L'A Dit のフレーズと酷似している
ことから来る何とも嬉しい既知感覚。というかYellow〜がW.C.Handyの曲
なのでナチュラルボーン的に底辺で繋がっている音楽同士という形か。
#4.Caldonia はジャンプ・チューンをバンジョーで演ることの楽しさで一杯、
アフタービートに乗った小粋なソロが心地よくハートを擽る瞬間。
2010 Italy Music Center BA280
アメリカンなイタリアンは世界のトレビアン、フォーマルに包みこまれるひととき
Paolo Tomelleri Big Band Any Old Time
米国産のビッグバンドとは根っこがひと味違うのがこれら
ヨーロッパ産ビッグバンドの最たる特徴。どちらかというと
ニューハードとか日本の楽団にニュアンスが近い。そんな
端正なサウンドをバックに縦横無尽、パオロのゴキゲンな
クラリネットが走り抜けていく。この手の音は大抵の場合
生活の中のBGMとして重宝しますが楽団の各員が繰り
出すソロは聞き流しては勿体ないレベルの極上盤。個人
的に好きなタイプの曲としてベニー・グッドマン・チューンの
#8.Air Mail Specialと、あとイタリア史上屈指の大スタンダード、
ブルーノ・マルチーノ作曲の#3.Estate(エスターテ)を是非。
歌入りトラックはエリザベッタ・デ・パロでそちらでも要注目!
2010 Italy Music Center BA279
4月 ニューオリンズ・コットン・マウス・キングス
New Orleans Jazz Vipers のメンバー多数が居るオールド・スタイル・ジャズバンド

New Orleans Cotton Mouth Kings S/T
導入のきかっけはニューオリンズ・コアファンのお客様の特注ながらも、
何処かで聴いたような既知感があることからネット検索を…。結果判って
いるだけでも Charlie Fardella、John Rodli、Tom Saunders、RobertSnow
の4人が元N.O.ジャズ・ヴァイパーズのメンバーでした。2002年当時Linnzi
Zaorski がシンガーとして在籍していた盤が当店でも中ヒット!その感覚で
聴くと個人的にどストライクなのが#4.Egyptian Fantasyで、アルゼンチン・
タンゴとアラビアン・ミュージックが合体した感は妖しいエキゾチックな魅力
が充満。原作はシドニー・ベシェのペンながらバスサックのトムもいい仕事
をしています。ラスト#12.Gospel Medleyのソロ回しにこのバンド固有の
個性がにじみ出ている感じ、フレッシュなオールドジャズ!です。
2009  USA Independent
ストレート・ジャズとマルディグラ・ジャズの二つのセットをバランス好く配分したDVD
Donald Harrison Jr the Soul of New Orleans DVD-R
ドナルド・ハリソンがメインストリームなジャズをやるとき、そのスタイルをヌーヴォー・
スウィングと彼自身が名付けているのを知ったのは2002年のことでした。フランスが
語源のこのヌーヴォーという言葉には、新しい潮流とかあるいは軽く前衛と言ったニュ
アンスも含まれていて、そこから推し量るにきっとドナルドは自分自身の目指す方向性
をちょっぴりの前衛を含んだ新時代のモダンジャズといった感覚で捉えているのかなと
感じます。今作のDVDではあたかもドナルドがコルトレーンとドルフィーを兼ねたかのよ
うなフリーキーなプレイ 〜 特にその傾向は"Mr.PC"に顕著ですが、そういったストレート
なジャズをやっているセットと、ピアノ奏者を入れ替え打楽器群を増やしたマルディグラの
セットとを交互に配置して作品的な演出効果を上げています。特に"Mr.PC"をやっている
瞬間はその堂々たる風情からもかつて黄金時代のトレーンの姿が瞼に重なりますが、
ドナルドが完璧に自分の呼吸で吹いている事実もまた強烈に印象に残ります。あと、
デトロイト・ブルックスのギターも渋いくらい重厚で、このクインテットはとても充実して
いると思います。このように優れたジャズDVDが小規模にしか出せない現実を何とか
しないと!アメリカは決して金融大国を目指す国なんかではなく、その比類のない
厚みと奥行きを持ったこれら大衆文化をこそ国家財産として育むべきなのに…。
2010 USA Independent
5月 ストレート・アヘッドなジャズで世界最高峰のスーパーコンボ、カナダでのライヴ録音
One For All Invades Vancouver!
ファンキーなことこの上ないロトンジのペットと腰のあるエリアレの
サックスとの相性はほんとに抜群。アンサンブルに往年のブルーノー
ト盤みたいなテイストが随所でするのもやはりロトンジの存在が大き
いようです。全員が看板アーティストというスーパー・グループながら、
毎回のまとまり、コンビネーションの良さは格別。ここで聴くヘイゼル
タインのピアノは彼自身の作品以上に魅力的に響きます。#4.Dear
Ruth
の後半部ソロはその典型、個人的なお気に入りはヘイゼルタ
インが自分と同じピアニスト シダー・ウォルトン に捧げたと思われる
#6.For Cedar。ここでのロトンジはそのふくよかさで改めてトランペ
ットの魅力を痛感。併せて各員のソロもすこぶる快調です。
2011 USA Cellar Live CL091210
お問い合わせが絶えなかったドナルドのあのマルディグラ盤が
復刻リリースになりました。今度こそ買えるうちに買っておいて下さいませ!

Big Chief Donald Harrison,Jr. Presents
The New Sounds of Mardi Gras Vol.2
アルバム前半はラップを主体にした構成、掛け合いの部分に滲むN.O.
色が如何にもですが、ラップも歌も #3,9,10以外は全部ドナルド自身に
よるパフォーマンス。メインストリームものとは一線を画した作りなので
はじめはラップは別人かと思い彼に直接確認をしたところ、上記三曲以
外は自分だよ、という返事を頂戴しました。後半になると一発でそれと
判るドナルド節のアルトが登場、心なしかジャズものより音が浮き浮き
しているのを感じます。もう一つの人格、人種としてのマルディグラ・イン
ディアンとして、そのアイデンティティを爆発させているように感じます。
〜以上、初回リリース時に書いたコメント原文のままです。
試聴は本作の特徴が良く出ている#5.Congo Nation
呪術的なループが心地よい#9.It's Mardi Grasをどうぞ。
2011(2004) USA Self Released FOMP-9999
6月 フル充電のリチウムイオン・バッテリーこれでもかの直列配列並みの凄馬力!
New Orleans Night Crawlers Slither Slice
ジャズクラブ会員様向けにこれを選盤するのは一種の場外乱闘
かも知れませんが、逆に言うと本来的なジャズのリングからぶっ
飛んだところで繰り広げられる熱闘にきっと新鮮な感覚で燃えて
頂けると思います。ニューオリンズ・クラブ会員のお客様には既に
お馴染みのマット・ペリン(スーザフォン)の活躍が強烈で、もとも
とクラブのコースがクロスしている方でなければ本作で初めてマ
ットを聴いて頂けるという嬉しさもお店的には大。そのマット作の
#3.Slither Sliceの特に後半部分に彼らの個性が爆燃状態で
自分でも大いに気に入ってます。続く#4.Come Back with Itでも
マットの存在感はほんとに大きい。
2009 USA Threadhead Records
ルイジアナ原人ロックといったプリミティヴな躍動感が強く印象に残ります
Steve Riley And The Mamou Playboys Grand Isle
ライリーが長期に渡り在籍していたラウンダー・レコードがスタッフを一新しての
新生ラウンダーになってからは何だか多くの馴染みのアーティストがそこを去っ
てしまいました。このライリーもまた然りで、恐らくはあうんの呼吸での作品作りが
適わなくなったのかも知れません。そのことはさておき、本作は部分部分がもの
凄く斬新で新鮮に響きます。路線的ストライクのルイジアナ・クラブではなくジャズ・
クラブとアメリカーナ・クラブのお客様向けに場外選盤したのも実は例えば#2.Chtterbox
や#6.Pierreといった冒険的な曲を普段ケイジャンを多分聴かない方に聴いて欲し
くなりました。やけに熱いメッセージのようなものを感じる音、少し野心的になって
いる感じのライリー、また新しい側面を見る作品です。ケイジャンの面白い点は
アカディアの伝統文化の継承とは別に、パーソナルな音楽世界をとことん追求
するための土台として高みへ跳躍している人もあること、これを聴いて私は
益々ケイジャンの未来は明るいと感じます。
2011 USA Independent
7月 これもまた盤面すっぴんCD-Rを手描きイラスト包装紙でくるんだ自主制作盤
学園祭ヒーローみたいな部活バンドっぽいタッチが爽やか、演奏は達者です

Tuba Skinny Garbage Man 対象会員様限定盤
チューバに洗濯板にバンジョーにと、彼らもまた新たにシティに
登場した電源不要のピュア・アコ・ルーツ音楽集団。路線的には
レトロ+戦前ブルースといった感触が大きな特徴で、本作が既に
2作目に当たる模様です。#6.Mother's Son-in-Lawでの心地よい
突き抜け方や表題曲#12.Garbage Manでの一種劇場音楽っぽい
臨場感には、何となく大学の部活から発展したバンドのような親
近感が。ちょいとコブシも効いた#7. Nobody's Blues But Mine
後半の入魂ソロ・リレーも含めてこれが彼らのメイン路線かも。
如何にものトータル性にまとまりの良さを感じ好印象が大。
2011 USA Independent
6年ぶりのロージー新作は何と英国JSPからの登場、ソウルフルな優しさに包まれて
Rosie Ledet Come Get Some
本作で特に際立つロージーのソフトなタッチ、この路線は03年盤から
のフィーリングだと感じますが、あと今回ここでもチャック・ブッシュのベー
スが実にナイスなサポート。ギターも時に柔らかいビブラートでシンプル
な曲の中に印象的なラインを残します。録音はルイジアナとニューヨーク
に分けての収録で、今回もまた全曲がロージーの作。毎年のようにアル
バムを出していた人が05年から実に6年ぶりになったのはやはりその
年来襲したあのハリケーンと無縁ではないのかも。曲毎に個性がはっ
きりした作りの中、#2.This is Gonna Take a While と #6.Love is Gonna
Find You
に今までにないまた新しい触感を感じます。プロデュースも
担当しているアンドレ・ニザーリのギターがユニークなのも特筆です。
2011 UK JSP JSP-8835
8月 もしブッカー・リトルがその後も生きていたらこういうのをやったかも的な作品
Melvin Jones Pivot
アトランタ・ベースの気鋭のトランペッター、メルヴィン・ショーンズの
これがこの春リリースされたばかりのデビュー作。全編が王道中の
王道を行くストレートなサウンド。1980年代風ネオバップ・スタイルが
中心ですが、私の場合だと後半#9.Do You Work Kalogane?から次
の#10.Flights Beyond 辺りの流れがまるで既知のアルバムのように
耳馴染んできます。一方で次の#11.FunkytownShuffleは明らかに
新世代のファンキー・テイストながらもやっぱり好きなんだと納得。
#12.Chaos Grooveでのブッカー・リトルっぽいシリアス・サウンドも
含めてメルヴィンのトランペットの粒立ちの良さにそそられます。
2011 USATurmaround Records
一音一音が腹の底に響く、まさに聖地で奏でられた原点の音
Treme Brass Band Treme Traditins
ニューオリンズ伝承音楽の聖地も聖地、伝説のトレメ地区の
簡単な歴史は95年盤のコメントに書きましたけど、コンゴス
クエアに立つとき特別な思いを抱く人々がこの世に居る限り、
彼らトレメ・ブラスバンドを始め多くのパフォーマーが未来永
劫にニューオリンズ・スピリットの原点を発信し続けるものと
感じます。実際私達日本人でも旅で行った先で、路上やライ
ヴ・ラウンジでもし彼らを観たら一発で自分もネイティヴ・ニュ
ーオリンズの一人だって気持ちがするに違いありません。
ピアノ入りの曲があるのがいつも印象的ですが、本作では
#6.Big Chief が色んなリズムの混ざり具合が特にゴキゲン。
個人的にたまらくなく好きなのは#13.Jesus is On the Main
 Line
のようなタイプの曲。腹の底から熱源がこみ上げる感覚、
まさにこの感覚をLift up My Soulと表現するのでしょうね。
2011 USA Mardi Grass Records
9月 何だか最近は横顔にアート・ペッパーを見る気もする壮年期終盤のエリアレ
Eric Alexander Don't Follow the Croud
一曲目の音が耳に届いた瞬間から、うっかり2006年盤をターンテーブルに
のっけてしまったのか、ってこれはアナログ盤ではなくCDですが、思わず
中身の盤を確かめたくらいその06年盤の音に酷似しています。メンバーも
全く同じワンホーンで硬軟取り混ぜのアルバム・コンセプトも同じ。益々エリ
ック自身がハードなテナーとマイルドなテナーの双方を好んでいること確信
しました。以下06年盤で書いたコメントがそっくりこの作品にも当てはまりま
すが、ハロルド名盤も大好きな私は#3.Footstepsにおけるファンスワース
のプッシュで気持ちよくソロを展開するメイバーンのピアノにもシビれます。
うっとり系では大スタンダードの#4.Charedeがやはりぐっとくるトラック。
2011 USA HighNote HCD-7220
この街が好きで移り住んだ人なのだから、この日がきっと夢だったに違いない、そのパート1
Dr. Michael White Adventure in New Orleans Jazz Part 1
マイケル自身が作品に寄せたライナーの一部を翻訳ピカイチ2011で訳した
デフォルト文〜ここで聞こえる地元の音楽家は伝統的なジャズの中のすべ
ての土地の人とベテランです。いくつかはジャズの第一世代が100年以上前
急に伸びた時から、活発だったニューオリンズ・ミュージカル家族の直系です。
〜〜ということで、この作品に参加した地元演奏家全員がニューオリンズ・ネ
イティヴで、しかもその中の一部の人々はこの地でジャズが誕生した瞬間か
らの血を引く直系の子孫達。恐らくはマイケルはテキサス出身の人なので
一度は100%、生粋のニューオリンズ・ブラッドばかりに囲まれて作品を作り
たかったのかも。そんな人々が奏でるバンジョーとクラで聴く#6.House of
 Rising Sun
はこの歌が持つ本来的なやるせなさが何だかほんわかして
いて嬉しくなりました。曲自体、自分でも大好きなレパートリーなのですが
先のトラヴィス・マッテのカバーと並んでユニーク・カバーのベストチューン。
でも最大のお気に入りはラスト#13.Take Me to the Mardi Grassです。
2011 USA Basin Street BSR-0505-2
10月 ピアノとのデュオに見る混じりっけ無しのジャズ・スピリット
Phil Woods & Jesse Green Songs for Cota 2010
近年のウッズ作品の中で最もピュアにストレートにジャズと対峙している
感じで、その感動も地味に深いのが特徴。ビッグバンドでも四重奏団でさ
えもなく、本作はひたすらピアノとの緻密なデュオ・パフォーマンスが多く、
そこに時にヴァイオリンが絡むのもまた新鮮。全曲に深く静かに感動を覚え
る中、ジャンゴ好きな私は特に#3.Django Castleに釘付け状態で、あと曲
自体も大好きな#8.My Foolish Heart は一瞬で50年代ウッズとイメージが
ダブリます。今も50年前の彼のまんま、まさに目の幅涙の瞬間です。ラスト
#10.Keep It Simpleはウッズが抜けるもののそこに居なくてもデカイ存在感
を感じるから不思議、この曲のカウント13分20秒からの部分を是非。
2011 輸入盤 Philology W738.2
少し硬質なタッチに変化したのと今再びのプチ・ビリー・テイストも有り
Linnzi Zaorski Naughty Sweetie
07年盤でも感じたビリー・ホリディっぽさが再びちょっぴり
戻ってきた感 #10.Lover Come Back To Me と、それをレト
ロサウンドに乗っけるリンジーのキュートなセンスが光ります。
従来路線では#2.Blue Skiesのアンサンブルに今までに無い
ビジーさを感じて新鮮。#7.Better Off Dead や #9.Wrap Your
Troubles In Dreams
辺りが恐らく今最もリンジー自身が好んで
いる自分かと思いつつ、ヴァイオリンとギターのダブルMattの
活躍がいつもながら本作でも素晴らしいと感じます。
2011 USA Independent
11月 ストレートアヘッド+ちょっぴりのフュージョンのブレンド具合がもう最高!
Alphonse Mouzon Angel Face
1969年、20歳にしてギル・エヴァンスとの初吹き込みに始まり71年には
ウェザー・リポートに参加。当時からマルチな才能を発揮、本業のドラマー
としてだけでなくプロデューサー、クリエイターとしての活躍も華々しい現役
バリバリの生ける伝説の一人。本作ではアーニーワッツ、ウォレス・ルーニー、
アルトゥーロ・サンドバルに大野俊三といった超大物ホーン奏者とシダー・ウォ
ルトン、ケニー・バロンといったやはり超大物のピアノ奏者を配置、何ともゴー
ジャスなメンバーによるゴキゲン度MAX作品に。全曲が素晴らしいですが
特に中盤#5.Blues Cluesや#6.Angel Faceはツボのツボ。#11.Night Walker
の爽やかなファンキー・テイストにも時代を忘れて没入してしまいます。
2011 USA Tenacious Records TENAC-9216
歌もの、ピアノ・トリオ、そしてプラス・サムシングの多彩な作りが特徴
John Autin Piano Town
基本はピアノ・トリオ編成ながらも随所に合計11名の多彩なゲストが
参加。特にホーンアレンジにエリック・アレキサンダーの名前がある
のが頼もしく、しかもプロデュースが Cindy Scott なのが当店的には
なお嬉しい要素。シンディの小粋なセンスは#6.Haute' のピアノ・ソロ
にも現れる現代風のフュージョン・テイスト、#9.Don't Explain でのイン
パルス・テイストに反映されている気がします。曲自体大好きな #3.
On the Sunny Side of the Street はプチ・セカンドライン・ビート が
心地よく、本作のハイライト・トラックになっている感。ここにあえて
ホーンを入れずギターだけにしたのが凄く良かった気がします。
2011 USA Rabadash
12月 ただ渋いだけではない、ブルースやロックへの熱い思いがクールに迫る盤
Randy Johnston People Music
2001年に扱ったJ Curve 盤の2作で見せたアーシーかつブルー
ジーな、オルガン・コンボでのギタープレイが大好評だったランディ・
ジョンストン。当店的には10年ぶりになる本作でもやはりオルガン
トリオでのブルージーなギターが嬉しいです。ちょっぴりディストー
ションをかけた#2.Nostalgia For What Never Was の牽引力に聞き
惚れていると次は何とカクタスやジョン・メイオールでお馴染みの
ブルースロック・チューン#3.Parchman Farmのヴォーカル入りが。
懐も深ければ引き出しも多いランディのまさに意欲作、Peaveyの
(多分)小型アンプに片足をかけている姿が雰囲気マニアックで
何ともクールです。個人的にはドラムもオルガンも均等に活躍
する#7.Humpty Dumpty が終始スリリングで最大のお気に入りに。
2011 Random Act Records RAR-1005CD
フレンチクォーターで生で観たら忘れられなくなりそうな「古典派」の人々
New Orleans Racket Makers  S/T
ここにある楽曲の多くが1920年代から30年代くらいに
沢山の人がラジオで楽しんだ曲らしいことがライナーノー
ツに書かれています。もとより当時のそれらレコードを吹き
込んだオリジナルのアーティスト達が日夜ダンスホールや
パブで旺盛に同じ曲を生演奏していた姿も想像してしまい
ます。ホーンはもとよりウクレレ、バンジョーに洗濯板も入っ
たレトロ系はまさに古くて新しいニューオリンズの定番。
#2.Boola Hooは何と1917年の曲、#11.Let's Incorporate
では目立たないけどピアノがチャーミングです。
この2曲何となく似てますよね。
2010 USA Independent









Jewel Jazz Club
過去
2010年の頒布タイトル一覧

2010年 1枚会員 2枚会員にはこちらの作品もお届けします
1月 漆黒の闇に見る一条の薄明かり、そんな妖しくも美しい匠同士の競演!
Lonnie Smith Rise Up !

ロニーはもとより共演者共々全員のカッコ良さが特筆!闇深い
地底から響くかのようなロニーのオルガンがまず鬼のように渋
いし、ドナルドのアルトもピーターのギターも半端でないノリをして
います。#1.A Matterapat、チャーミングなリフを伴ったイントロ・・・
ううう、これはまた60年代のブルーノートそのまんま!ドナルド
はドナルドでもルー・ドナルドソンのアルトと間違えてしまいそう
ですが、ギターもピーターとは別人かと思う瞬間も有ったりします。
続く#2.Come Together は地底人がゲストかと思っちゃう歌。
全曲渋い中、あえて小品のラスト・チューン#9.VooDooDoll
お聴き下さい。四人が放つガス状の雲海が貴方を包むはず。
2009 USA Palmetto Records PM-2138
星降る夜の、輝度鮮やかなる月光ジャズ集団
Moonshiners the New Orleans
三管Ttp,tb,cl)のアンサンブルをフロントに、あとバンジョー
や時折のスーザフォン等が絡む癒し成分MAXのレトロ・ジャ
ズ。一言ブラスバンド風のサッチモ時代のジャズといえば雰囲
気は一発で通じると思いますが、そこに今日的人気のレトロ・
スイングの要素もちょっぴりあるのがみそ。そここそがこのバ
ンドの大きな魅力です。試聴用にはあえて4曲ある歌入りの
うち#10.It's Only Paper Moon と #12.You Are My Moonshine
(替え歌)を。中でも#12.は中盤からインテンポになって以降
の三管チェイス展開が特に琴線直撃弾です。
2008 USA Independent
2月 Jewel Jazz Club 2枚コース入っ得キャンペーン♪
Jewel Jazz Club2枚コース会員のお客様には2010年2月に下記新譜に加えて Mary Flowerの
2003年作品 「RagTime Gal」をプラス・ワンで無料進呈致します。ご期待下さいませ!
耳にも心にも優しく響く、卓越した技巧と抜群にキュートなラグタイム・ギター
Mary Flower Bridges
底抜けにブルージーでジャジーな歌なのにも関わらず、全編が
すっきりとした爽やかさと洗練された都会っぽさに包まれた歌。
その絶妙のバランスはメアリーの素朴なる名人芸というか、
彼女の弾くラグタイム・ギターは過去に聴いたどんなラグタイム
ギターより圧倒的に素朴な感動を誘います。彼女の演奏の中
には一切のアタシ上手でしょうといった押しつけもなく、ひたすら
純朴な点、逆に吸い込まれてしまいます。全曲が素晴らしいで
すがここでは#6.The Ghost of the St.Louis Blues と #12.
Temptation Rag の2曲をどうぞ。末永く活動して欲しい人!
2009 USA Yellow Dog Records
クリスマスをテーマにカーミット色を存分に出した通常新譜という作り
Kermit Ruffins Have a Crazy Cool Christmas! 
カーミットは決してこれを12月が来たら思い出すアルバムにする
つもりではなく、あくまでテーマにクリスマスを選んだだけの完璧
なオリジナル作品として作ったのだと思います。一聴は千語を超え
るという次第でここではまず標題の#10.Crazy Cool Christmas
是非試聴してみて下さい。ユニークなアフタービートが今呑んだば
かりのアルコールを気持ちよくシェイクしてくれる感覚。おっと禁酒
して12年にもなる奴がそう書いては違反か(笑)、btw次はお馴染
みの#2.Santa Claus is Coming to Town。これが変形セカンドライ
ン的ストリート・ミュージックって感じでナイスです。という訳
でこのアルバムは正月に聴いても蝉が鳴く季節に聴いても
一発で心浮き浮き状態にしてくれるイカシタ盤!
2009 USA Basin Street Records
3月 ポーターJr.やカーク・ジョセフが参加した強烈にノリノリの盤、リズムが文字通りの活き作り!
Stanton Moore  Take It to the Street(the Music)!
テラークのトリオものとは別に、同じ08年にムーアが出していた豪華編成のアルバム。
これを国内盤として出したのがお馴染みのBuffalo Records。そのBuffalo は2010年
から新たにSoup と社名を変え、エコビジネスをコンセプトに多目的事業体としてさらに
発展する模様です。同時にニューオリンズ・サウンドの一層の本格展開も始めるという
案内がありました。当店としては現地ルートに加えて Soup からも供給が増えたらそれ
はとっても嬉しいと感じ期待している次第です。btw、ムーアのこの作品、同年のトリオ
作品と並べて聴くと音楽を聴くことの喜びが無限大に拡大していくのを感じます。恐らく
作ったムーア自身の創造の喜びがこちらに伝播してくるのではないでしょうか。当店
的には#5.I'll Fly Away と #8.(I've Got A) Big Fat Woman が特にジャストフィット!
2008 国内盤 Buffalo BUF-511
ささやき系SSWが歌うジャズ・ソングという一貫したスタイルが個性的
TOrcH Charm
今まで沢山の「アローン・トゥゲザー」のカバーを聴いてきま
したけど、トーチのシーラが歌うこの#4.Alone Together ほど
至近距離にソンガーを感じる曲は初めてです。このパーソナ
ルな響きはまさに半径1メートルのそれ。自室に遊びに来た
彼女が目の前で歌ってくれてる感じで、何ともたまりません。
オブリのトランペット以外はパーカッションとギターだけという
隙間だらけの空間に何とこの心細げな歌が似合うことか。
さらに#8.Caravanでは8分超の長尺を胸キュンのホーン
奏者やギター・ソロとの静かなる熱演。もう最高っです!
2007年 国内盤 Buffalo LBCY-321
4月 ニューオリンズが好きというその出発点の精神において既に互いが絆で結ばれている作品
Spirit of New Orleans Mahogany Hall Stomp
伝統のニューオリンズ・サウンドを愛し、遙か北欧の街ヘルシンキ
(フィンランド)において、2001年から活動を続けている人々。今作
では特別ゲストとしてニューオリンズからリロイ・ジョーンズとマリ・ワタ
ナベが参加、欧米日 出身の演奏家がニューオリンズの古典を軸に
時空間のみならず音楽的な精神をも共有した作品と言えます。#10.
Amazing Graceでの天上界の泉からしたたる滴のようなマリのピアノ・
ソロ、あと個人的に曲自体も大好きな #12.St.James Infirmary における
各員の厳かなソロワークのリレーは特に絶品中の絶品!この一曲を
私はもう何十回聴いたことか、歴史に残るべき名演だと思います。
2009 USA Independent SONOP-1650
怒濤のソロ回しとアンサンブルの洪水、まさにお腹いっぱいの極上ヴィンテージ・ジャズ
John "Kid"Simmons Louisiana Joymakers with Joe Harris Part1
1974年ニューオリンズ吹き込みのこの盤が耳にはあたかもセロニアス・モンクや
ディジー・ガレスピー達の40年代ミントンズ・ハウス・セッション華やかかりし頃の
音に聞こえてきます。そう思って聴くとジョー・ハリスのアルトが一瞬チャーリー・
パーカーに聞こえてきたりもしますけど、ここではそういったことより以上に、古き
良きニューオリンズ・ジャズとビ・バップ・スタイルの心地よい融合を味わうことが
出来て凄く刺激的。全16曲、一気にたたみかける展開に圧倒されることの快感。
録音状態が良くなく音も所々割れてはいますが、それが逆に超リアルなレア・ホ
ット・ジャズの余韻を残す仕上がり。試聴には#1.Tulane Swing と#10.Down in
Honky Tonk Town
を置きますが全曲がこの勢いとテンションをしています。
2009 USA A504 Records Production CD-107
5月 フュージョンwithクラブ・シンガー的なルイジアナ産ジャズ・ヴォーカル
Cindy Scott Let the Devil take Tomorrow
ちょっと緩めのクラブ・シンガーっぽい感じがOK牧場。
心地よい気だるさが滲むサウンドと歌で、#2.If にお
けるパーカッションの解釈なんかはそのうねり方がア
メリカーナ系SSWっぽいスタイルでもあります。一方
CTIっぽいオルガンの響きが特徴の#9.Kiss of Fire
ではフュージョン系のジャズだけが持つ独特の魅力に
病みつきになりそう。後ろでさらっと展開するベースの
リフがピンク・フロイドの「マネー」のそれだというお楽
しみも。総じてB級だからこその醍醐味で一杯です。
2009 USA Catahoula Records
路上録音のような音ながら、瞼には実に鮮やかな情景が浮かぶ音
John "Kid"Simmons' International All Stars
そもそもはこれとは別の盤でこのキッド・シモンズと共演
しているサックス奏者ジョー・ハリスがお目当てのお客様
から特注を受けたのがきっかけでした。ジョー・ハリスに
感動しただけでなく、シモンズのトランペットにも引きずり
こまれてしまった感じで、結果自分には両者が等しく心
地よい重要人物に。#2.the Second Lineや#8.Cryin' Time
なんか聴いていますと激しくセピア色のニューオリンズの
街並みが瞼に浮かんできますが収録は実は2003年。
音が良くないことで逆にリアリティが増すという好例かも。
2007 NOLA CD-101
6月 2枚組全48曲が全弾直撃弾というジャンゴの決定版中の決定盤!
Django Reinhardt Sweet & Lowdown (At His Best)
廃盤扱いで一部のストアでは高値を呼んでいるジャンゴの文字通り
ベスト中のベスト選曲!されたあの名盤 Made in Spain の国内サウ
ンドヒルズ盤です。2010年の現在も輸入盤国内仕様としてバリバリ
現行盤供給されていることをここでアッピールしつつ、元々が1936年
-46年音源からセレクトされた珠玉の逸品故に今も全く色あせないの
が当然とは言え凄いです。出だしで即死必至のDisc2 #4.Minor
Swing
を筆頭に、本来バラード・チューンをサブ・マシンガンっぽい
鮮やかな連射弾きで聴く#16.Body and Soul は今この時代に
聴いてもやっぱり素晴らしい、アレンジも実に凝っています。
輸入盤国内仕様 サウンドヒルズ FS CD 2010
ヘヴィー級サウンドの中、特に際立つのがホーン・セクションのクールなリフ
Great Rare Metal Funky Horn Heavy Fighters
Big Sam's Funky Nation King of the Party
今作を聴いて真っ先に感じたのがホーン隊の繰り出す多彩なリフ
のその粒立ちの良さ。それを強く感じるのが#2.Krunked Up のアン
サンブルで、かつてベイエリアから大ブレイクしたホーン入りファンク・
バンド、タワー・オブ・パワーにも似たテイストです。一方如何にもそれ
がBig Samらしい音と個人的に感じる音が#11.Dance Floor で、他の
誰でもないビッグ・サムならではの痛快アクション劇画タッチのミク
スチュアーぶりををしっかりとそこに感じます。全身を金属ずくめ
の鎧で覆ったメタル・ファンク戦士軍団って感じがナイス、私は
当分この曲ばかりを繰り返して聴いてしまいそうです。
2010 USA Independent Sammy Williams Music  
7 ペットを手にした瞬間、彼にはきっとマイルスが残したマイルストーンが見えるのだと思う
Christian Scott Yesterday You Said Tomorrow
ピアノ奏者が前作までとは入れ替わっているのですが、私の耳には明らかに
今回のピアノの方がクリスチャンの目指すイメージにドンピシャ合っている気が
します。その辺、実際はご本人がどう感じているかは判断がつかないものの、
ビッチズ・ブリューに始まったコロムビア時代の革命的なイレクトリック・マイルス
路線を行く彼にとって、ハービー・ハンコックやキース・ジャレットを思わせるピア
ノの方がマッチングが良いのは当然かと思います。そのことはおいても、ショー
ター役のサックス抜きで挑んだ今回の作品はホーンを自分独りにすることでより
自身の内面宇宙に向かって深度深くペットを吹いた気がします。その割に#3.
After All はショーター在籍時代の黄金のマイルス五重奏団の音がして、
#7.Jenacideなんかはショーター〜ハバード・コンボの音がしてくるのが妙に
嬉しいです。マイルスが描こうとしたもう一つの世界をより鮮明なものにするため
にも、彼の存在はとても大きな意味があるように感じます。もとより決してこれは
成りきりマイルスではなくマイルスの絵の具と筆を手にキャンバスの前に立つ
クリスチャン自身です。
2010 USA Concord
ソフトな二管とジェントリーな六本の弦が織りなす古典ジャズの精緻な綾
the Classic Jazz Trio S/T
John Rankin・Tommy Sancton・Tom Fischer

ギタリスト、ジョン・ランキンが地元ニューオリンズのホテルで毎週火曜日に
実施する定例ジャムセッションがこの作品の母体になった模様。過去様々な
カテゴリーの音楽を見事に自身のギター・ミュージックとして作品に残してきた
ランキンがここではいたってイン・フォーマルなスタイルに徹しているのが特
徴です。変則ギター・トリオ編成というよりかは、ソフトな二管をフロントに自身
をリズム・パートを兼ねた伴奏者として位置づけたランキンをここに感じる次第
です。シックでジェントリーな雰囲気は全曲が素晴らしく、特に曲自体が大好
きな#11.Mardi Grass Manboと、二本のクラの追いかけっこが心地よい#2.Si
Tu Vois Ma Mere
等、まさに午後のティータイム・ミュージックの風情です。
2010 USA Rankomatic Music
8月 音に現れる作用反作用感がまさに名匠の手によるリトグラフの趣、文句なしこれは大人のジャズ盤
John Hicks Twogether

二人で一緒に、をワンワードにしたタイトルが洒落ていますが実際過去最も多くの
この手の言葉遊びがあるのがジャズ盤の特徴でもありますね。それはさておき、
2005年11月にロスでライヴ録りされた今作では全7曲のうちヒックスのソロが3曲
ある以外はフランク・モーガンとのシックなデュオ演奏が収められています。ずっと
表舞台で活躍してきたヒックスとは対照的に、若いときパーカーに心髄し過ぎた
結果自身もヘロイン中毒になり人生の半分を獄中で過ごしたモーガンと。しかし
出所後の活躍目覚ましい彼の、そのジャズへのひたむきな想いがまさに結集し
た感じの共演です。全編をアダルティーなムードが漂う中、ヒックスに鼓舞され
力強さを増す#2.Night in Tunisia モーガンのアルトと、#5.Round Midnight
後半コントラストのあるヒックスのピアノ・ソロはあたかも名匠の手による極上
リトグラフの趣です。ステージの様子を思い浮かべつつじっくりと聴きたい1枚。
2006 USA HighNote HCD-7209
呪術+ファンク÷ニューオリンズ=現代音楽人の血ってな感じの展開
101Runners feat.Big Chief Monk Boudreaux New Orleans Funk 101
グループ名はハンドレッド&ワン・ランナーズと読むのですが、世界には昔から
101何々という名を持つ楽団や組織が少なくないですよね。何故 101なのか、
その意味と由来を何時か知りたいものです。それはさておき、ここにはいわば
マルディグラ・インディアン・ルーツの音楽と、ニューオリンズ・ファンクが融合し
た世界が拡がっています。メンバーには山岸潤史Jimmy Carpenter 達も居
る一方でフロントにBig Chief Monkを迎え、まさに世代を超えたニューオリンズ
・スピリット集合体の風情。ライナーにジョン・シンクレアがメッセージを寄せて
いるくらいこれは要注目の作品、私の場合は#6.Shallow Water に昔NHK-BS
で毎年のように観たフェスのステージが醸し出す独特の雰囲気を改めて
疑似体験した気分になりました。呪文のような歌とバックのコール&レス
ポンスが徐々に気持ちを高揚させてくれる感じ、これがたまりません。
2010 USA Meantime Lounge Records
9月 イタリア・ジャズ界注目の俊英ベースマン&シンガー、マルコによるビートルズ・カバー集
Marco Di Marzio Beatless

星の数ほどあるビートルズのジャズ化作品の中で、このアルバムほど私の琴線
をくすぐってくれたのは実に久しぶり。音的にはこれの何処がジャズなのというく
らいノンカテゴリーのヴォーカル作品として仕上がっていますが、ビートルズと引っ
かけたタイトル通りまさにビートレスな歌の世界が多々。そんな中特に#10〜13の
流れが癒し系、冒頭ギターのつま弾きをバックに歌う#10.While My Guitar Gently
Weeps
は途中ヴァイオリンが被る部分から特に好い感じ。続く#11.Here Comes the
Sun
はこの女性ヴォーカルのチャーミングさが抜群!#12.the Long and Winding
Road
で歌うのはピアノのマッシミリアーノ、淡々として芳醇な後口を残すピアノ
・センスにも注目します。前半と後半とで印象の変わる作品でもあります。
2010 Italy Wide Sound Jazz Production WLB-006
アナログ盤時代の心地よい歪み感までをリアルに再現した+3トラックでの復刻盤
Cannonball Adderley Quintet Complete Live in San Francisco
もはや説明の必要もないくらいのキャノンボールのというか、当時のファンキー
ジャズを代表する超人気盤かつ銀河系宇宙の歴史に残る!といってもいいくら
いの最重要盤でもあります。今回の復刻で新たに"Straight No Chaser"とあと
重要曲2曲の別テイクが加わったのが大きな魅力。さらに音的な感動としてヤケ
にアナログ盤臭い質感が特徴で、70年代に主流だったアルテックの大型ホーン
SPをマッキントッシュ辺りで駆動したっぽい歪み感が泣けます。暖色系のウォー
ムなオーバードライヴ音はリードやリップの輪郭破裂感覚のみならずティモンズ
のピアノにも活かされています。#4.You Got It! にそのニュアンスが出ています。
追加の#6.This Here ver.2始め、必聴の全78分超がとにかく凄いのダ!
2010 EU Essencial Jazz Classics EJC-55468
10月 シングルトーンと和音のブレンド加減がまさにバレル節、木訥とした口調が雄弁に聞こえる瞬間
ベニー・グリーンのピアノも最高ならペンニコットのテナーがジョニー・グリフィンみたいで最高!

Kenny Burrell Be Your Self - Live at Dizzy's Club Coca-Cola

当時bb少年17才の夏休み、買ったばかりのELKのSGを抱えて真っ昼間の自室、汗だくでコピー
していたのがケニー・バレルのチトゥリン・コンカーンでした。BlueNoteのロゴがターンテーブル上
をくるくると回るのを目の端に入れながら、妖しく響くコンガのリズムをバックに立ったまんまでちゃん
と弾く練習〜というのもトラで初の木屋町のナイトクラブでの仕事を引き受けて多分顔面は引きつっ
ていたと思います。フロント二管のコンボに混じってのあっという間の三連夜は、ご苦労様とお店の
姉さんに労われて手にしたギャラの入った封筒のなんと眩しかったことか(笑)。当時あとで中退する
高校を登校拒否状態での休学中にクラブに出演と、自分でも何しているのかなと思いつつ自分は
勉強は嫌いだけど好きなことには夢中になれると確信を得たのもその頃でした。そんな日から40年
を経て今そのバレルの作品のコメントをこうして書いていることに何というか無上の喜びを感じてし
まいます。本年80才目前のバレルが今も絶品バラードを艶やかに演奏しているこの姿、彼の中
ではあの当時のBlueNote盤とこのHighNote盤との間にきっと何らの時の隔たりはないのだと感じます。そこにはいつも
全く同じケニー・バレルが居るだけ。#2.Tin Tin Deo と #5.Blue Bossa は特に素晴らしいトラック。
2010 USA HigNote HCD-7208
初出の超貴重音源、来日公演から四ヶ月後1966年11月11日の吹き込み
John Coltrane at Temple Univercity
今も世界的に伝説のボックス・セットとなっている1966年7月の来日公演
の全曲を私はもう何度聞いたことだろうか。エルヴィンもマッコイも居ない
メンバーながら、全曲が往時を凌ぐスリリングなテンションはまさに奇跡だ
ったのかも知れません。翌67年の7月には40才の若さで急逝したトレーン
の、今作は誰もが初めて聴く未発発掘音源盤で、全編に渡る緊張感は
来日公演をさらに上回るもの。一方日本公演では大人しかったファラオが
ここでは全力で暴投している感じで、絶対の自信がある訳ではないですが
全然歌心のないフリーキートーンはファラオのパートのような気もします。
違ってたら全面的にすみません。ベースがジミー・ギャリソンではない
可能性に資料が触れていますが、確かに耳はこれは違うと言います。
トレーンの歌心あるフリーキーさ  #1.  #2.  と ファラオかなと思える部分。
ちょっとだけですが比較で置いてみました。果たして実際は。
2010 EU Free Factory 068
11月 ニューオリンズ新時代のNeo Be-Bop Funk Jazz。リーダーのサックス以上に
客演二人のオルガンについ耳が傾くナイスなオルガンジャズ作品でも有ります

Jirka Hala MakeYou Wanna Hala
同じジャズ・ファンクでもさすがニューオリンズ産というかセカンドライン・リズム
ぎりぎりのシンコペーション
を多様することに加えて、編成それ自体がブラス・
バンドと合体しているかのようなバンドです。注目はハモンドと一部歌入りの
トラックでパパグロのジョン・グロウを起用し、加えてトローンボーンにはBonerama
の吐露流千、スーザフォンもお馴染みのマット・ペリンという面々で、さらに当店的
にはCindy Scottの作品でも快演していたBrian Seeger とBrian Cooganの活躍に
も耳がダンボになる瞬間。ジルカについては現状では情報不足でお伝え出来る
材料がありません。またきっといつか情報通の方から何か報せが入るかという
のを淡く期待しています(笑)。試聴はオルガンが抜群の活躍を見せる#2.Dunbar's 
と、冴えたジルカのフルートとブライアンのギターが渋い#9.Night Flightをどうぞ。
特に#9.にはサヴォイ・テイストも感じるハードバップ路線がオヤジ泣かせです。
オルガンはモロジャズのB3がBrian CooganでファンキーなB3&Keyが ジョン・
グロウだと思いますが、改めてオルガンの魅力にもシビレますよね。
2009 USA 2HP Productions
トランペット抜きのアンサンブルは全体のトーンに深みが増す感じ
Steve Turre Delicious and Delightful
2004年盤でそのアグレッシブさから強烈な印象を与えてくれたトゥーレですが、
今作では曲によってはずいぶんとリラックスした展開も有りなのが特徴です。
とはいえ瞬時に沸点に達するビリー・ハーパーの熱血テナーが相棒だけに熱い
のは熱いという仕上がり。さらに加えて2曲で参加しているラッセル・マローンの
名人ぶりも特筆で、ことさら目立っていないにも関わらずしっかりと濃い印象を
残します。#5.Delicious and Delightfulは長めのアンサンブル・パートを経てまず
トゥーレのソロ登場のあとマローンのウェスっぽいコード弾きがヤケに似合うし、
続く摂氏100度のビリー・ハーパーとそこに流水せせらぐ感じのピアノがベスト・
マッチングです。ラスト、SAVOY盤と間違えそうなシックでかつゴキゲンなアン
サンブルで幕開けの#9.Ray's Collard Greenはトゥーレの成熟を感じさせます。
2010 USA HighNote HCD-7210
12月 マイケルソングが超クールなオルガンジャズになった日、これには貴方もきっとハマる!
Joey Defrancesco Never Can Say Goodbye-the Music of Michael Jackson

マイケル・ジャクソンの没後にトリビュート・アルバムを出すのはかなり勇気が必要だった
かも知れませんが、ジョーイのこの作品は自身の熱血マルチぶりもさることながら共演者
も鋭く渋い人選で、結果数多ある類似企画とはさすが一線を画した仕上がりになっています。
その渋い共演者の筆頭はギターの Paul Bollenback その人ですが、耳にはジョーイの吹く
叙情味溢れるミュート・トランペットが泣ける#3.Beat It等、隅から隅まで聴き所満載のアル
バム。オルガンだけで三種類、あとピアノにペットにヴォーカルと、まさに半端ではない没頭
ぶりがとても爽やかな余韻を残します。マイケルのファンでなくてもジョーイそのものに感動
することは間違いなしです。ラスト#9.Billie Jean の独特のコクはオルガンだからこその味。
2010 USA HighNote HCD-7215  
相棒ボレンバックの男臭いギターがたまらない魅力の、とっても渋いオルガンジャズ
Joey Defrancesco the Original Trio  Snap Shot

ジョーイが99年の作品で一度共演していたランディ・ジョンストンの
ギターも大好きなのですが、オルガンと共演するギターで誰が一番
好きかと言われると私の場合はこのポール・ボレンバックと、あとド
イツの女性ギタリストのバーバラ・ユンファーがもっぱら1、2を争う
存在です。共に硬質でタフなギターを弾く割に何処かヒューマンな
味わいがあるのが最高!恐らくはジョーイもボレンバックにはぞっこ
んに違いなく、途中まで色々変えたギターを最近はずっと変えてい
ないことにその感触を見る気がします。そのことはともかくライヴ録
りされた本作も、冒頭#1.Eighty Oneから抜群の手応えです。
2009 USA HighNote HCD-7199